共同通信杯に出走予定のエコロヴァルツ(撮影:山中博喜)

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 日本ダービーを前に東京競馬場を経験させておきたい馬にとっては重要なステップレースだが、ローテーション的には皐月賞との関連性も高い。昨年4着タスティエーラがのちに日本ダービーを勝ったほか、一昨年2着ジオグリフは皐月賞に優勝。21年は優勝馬エフフォーリアが皐月賞を、3着シャフリヤールがのちにダービーウイナーとなっている。東京競馬場芝1800m戦は広い東京競馬場を使ったワンターンコース。過去10年で上がり最速馬は[5-2-1-3]と高い勝率、連対率を誇っている。

 ◎エコロヴァルツはコスモス賞優勝馬で、朝日杯FS2着馬。前走の朝日杯FSはコスモス賞以来の競馬で馬体重が14kg増。スタートはほぼ互角だったが、何度か寄られているうちに最後方までポジションが下がり、最後は大外から出走メンバー最速の末脚で追い込んだものの勝ち馬に0.1秒差届かなかった。それまでの2戦がコーナー4回の芝1800m戦を先行して勝ち進んできたことを思えば、初めてのワンターンマイル戦でまったく違う競馬であれだけの競馬ができたことを評価したい、直線の長い芝1800m戦でどんな競馬をしてくれるか楽しみだ。

 〇ミスタージーティーはホープフルS5着馬。大外枠からのスタート、ヨレて後方待機。3~4角では絶望的な位置だったが、コーナーワークを利して一気に先行集団にとりついてインコースをこじ開けようとするも、前が詰まってブレーキ。そのまま包まれて脚を余してしまった。最後まで心折れずに伸びているだけに惜しい内容だった。母はフィリーズマイル(英国G1)優勝馬。新馬戦で負かした相手は次走で勝ち上がり、京成杯4着。広いコースで少頭数なら怖い1頭だ。

 ▲ジャンタルマンタルは最優秀2歳牡馬。デイリー杯2歳Sは最後の直線で狭いところを割って出て、前走は好位のインコースを追走。コーナーワークを利してポジションを上げると最後の直線は早め先頭から、やや外にモタれながらもゴールまで押し切った。いずれもレースセンスと立ち回りの上手さを生かし切った勝利だった。今回から別定重量から馬齢戦へと変更になって、恩恵を受けるのは本馬。初めての関東遠征、初めての左回りをクリアすれば2歳王者の貫禄を見せてくれるはずだ。

 △ベラジオボンドは阪神競馬場芝1800m新馬戦優勝馬。半マイル通過48.5秒、前半1000m61.0秒というスローペースを好位追走。4角で外に持ち出されると、しっかりと伸びてデビュー戦を勝利で飾った。イタリアの1000ギニー優勝馬で、同オークス2着馬を母に持つロードカナロア産駒。キングマンボ3×3という特異なクロスを持つ馬で、まだ荒削りの印象だが、高いレースセンスを感じさせる初戦だった。シンザン記念2番人気△ショーマンフリートはまだ見限れない。