AmazonやGoogle、Meta、Apple、Microsoftといった大手テクノロジー企業は研究開発のために巨額の資金を投じており、5社の研究開発費の合計は日本の研究開発費総額(GERD)を大きく超えています。

総務省|令和5年版 情報通信白書|研究開発費に関する状況

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/html/nd241510.html

Research and Development: U.S. Trends and International Comparisons | NSF - National Science Foundation

https://ncses.nsf.gov/pubs/nsb20225/cross-national-comparisons-of-r-d-performance

Big Tech's Big R&D bill

https://www.trendlinehq.io/p/research-and-development-spend-of-big-tech

令和5年版の情報通信白書では、2021年度における日本の企業、非営利団体、公的機関、大学などの研究開発費の合計金額は19兆7408億円と報告されています。以下のグラフは2019年における研究開発費総額(GERD)のトップ17カ国をアメリカ国立科学財団がまとめたもので、日本は1位のアメリカや2位の中国に大きく離されているものの世界3位の研究開発費を支出していることが分かります。



そして、以下の図は技術やビジネスに関する図表の作成を得意とするTrendlineが作成した「ナスダック上場企業のうち、2022年に費やした研究開発費が多い企業トップ10をまとめた図」です。1位のAmazonは732億ドル(約10兆7000億円)、2位のAlphabet(Googleの親会社)は395億ドル(約5兆7700億円)もの研究開発費を投じていることが分かります。



Trendlineによると、Amazon、Alphabet、Meta、Apple、Microsoftの研究開発費は合計2020億ドル(約29兆5000億円)に達するとのこと。つまり、Amazon、Alphabet、Meta、Apple、Microsoftの5社だけで日本全体の1.5倍もの研究開発費を投じているというわけです。

また、アメリカ国立科学財団は2019年のフランスのGERDを732億8650万ドル(約10兆7000億円)と報告しています。すなわち、Amazonは1社だけでG7の一角であるフランスと同等の研究開発費を支出していることになります。また、Alphabetの研究開発費は395億ドル(約5兆7700億円)でイタリアのGERDである392億7940万ドル(約5兆7400億円)を上回っているほか、第10位に位置するペプシコもナイジェリアのGERD・8億2950万ドル(約1210億円)と匹敵する8億ドル(約1170億円)という国家クラスの研究開発費を費やしています。





なお、令和5年版の情報通信白書には「日本の研究開発費は横ばい傾向にあり、主要国上位との差が拡大している状況にある」と記されており、アメリカや中国との差が開き続けている現状が危ぶまれています。