1月10日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、きのう行われた「人口政略会議」の内容について意見を交わした。

経済界の代表者や有識者らでつくる「人口戦略会議」はきのう、2100年の人口を見据えた人口減少対策の提言を公表した。人口が現状から半減の6300万人に向かう国立社会保障・人口問題研究所の推計に危機感を示し、8000万人で安定化させることを目指すべきだと主張。国民と危機意識を共有し、官民で取り組む国家ビジョン策定の必要性を強調し、内閣の司令塔組織や有識者らによる審議会の設置を求めた。
提言では、これまでの人口減少対策は危機意識の国民との共有や若者の意識を政策に反映させる姿勢が欠けていたと指摘。8000万人で安定化させる「定常化戦略」として若者世代の所得向上や雇用の改善、東京一極集中の是正などに取り組むことを求めた。

寺島尚正アナ「若者の意識を政策に反映する意識が欠けていた。これ、なんか今さらか?という感じがするんですけどねえ?」

森永康平「そうですね、やっぱり少子化だったり人口減少みたいなのがずーっと問題点として掲げられて来ていて、特に少子化の背景として大きいのは若者世代の所得の向上、経済的な不安が問題のひとつだと。これはもうずーっと言われて来ていたわけですから、当然早々に対応しなければいけないことは間違いないんですけど、これ難しいところって、例えば経済対策をしましたと言ったところで、初年度から効果が出るっていう話ではまったく無いんですよね。なのでちゃんと政策を考えて実施したとしても、結果が見えて来るのは10年、20年先っていう話なので、日本はどうも大きなビジョンを見せて、それに基づいて着々やっていくっていうのが苦手な印象を受けて、なんか『こういう予算をつけます』みたいな目先の話ばかりが出てきた、こういうことのツケでもあるような気がしますねえ」

寺島「同時にこの会議では、『人口規模が小さくなっても成長力のある社会を構築すべきだ』
と強調しています。生産性の低い企業・産業・地域の構造改革といった『強靱化戦略』にも並行して取り組むべきだと訴えました。また、人口減少を補うための移民政策は『とるべきではない』としつつ、労働目的で永く定住する外国人に対する総合戦略の策定は、喫緊の課題としています。
人口減少を前提にした制度設計が様々な分野で求められるというのが、これでもわかりますね」

森永「安易に移民政策みたいなのはやるべきではないというこの提言はまったく同感で、それこそ日本であればね、AIとかロボティスクを使って、何とか人が少ない状態でも生産性を高めていきましょうっていう方に舵を切るべきだと思いますし、あえてね、まだ1月なんで明るい方に話を持っていくと、確かに人口は減っていくんですが、別にG7で見た時にね、アメリカに比べたらっていうのはありますけど、8000万人っていうのは、そんなに人口の少ない国になるわけでもない」

寺島「6000万人ぐらいの人口の国も多いですもんねえ」

森永「そうですよ。何よりも日本の場合は健康寿命も高いですから、そういうことをちゃんと考えていくと、そこまで悲観する必要もないかなと思いますね」