『ザ・クラウン』最終シーズンが2005年設定で終わった理由

写真拡大

12月14日(木)に配信された最終エピソードをもってついに完結したNetflixの人気ドラマ『ザ・クラウン』。2022年9月に96歳で亡くなるまで英国史上最長の在位を誇ったエリザベス2世を主人公とする同作だが、最終シーズンの時代設定が2005年と、今から20年近くも前の時点で終わった理由についてクリエイターが説明している。米Hollywood Reporterが伝えた。

【関連記事】『ザ・クラウン』クリエイター、エリザベス女王の死を受けてエンディングを変更

女王たちが集結した「楽しいチャレンジ」

1947年から始まったこの歴史ドラマは、女王の物語を亡くなる頃まで綴ることはなく、実際には女王が亡くなるよりはるか前の2005年で物語を締めくくっている。その理由について、クリエイターで脚本家のピーター・モーガンが、「私は常に、現在までは描きたくないと思っていました」と語っている。「私はいつも、今いる場所から適度な距離を保ちたいと考えていました。物語的に、今では20年近く前の話にもかかわらず、終わりを迎えたことに心から満足できるようなエピソードを構成しなければなりませんでした」

その結果、2シーズンずつにわたってエリザベス女王を演じてきたクレア・フォイ、オリヴィア・コールマン、イメルダ・スタウントンという3人の女優が一堂に会したシリーズフィナーレでは、国家元首の中に葛藤が生まれ、最終的には1952年、26歳の誕生日の2ヵ月前にやや不本意ながらも王冠を手にして以来、彼女が長年にわたって責務を果たしたことを再確認することになる。「ファイナル・エピソードは、在位し続けるべきか(息子の)チャールズに在位を譲るべきかと、女王が自問自答するものとして書きました。その内なる対話を、かつての自分と交わすというシーンにできると思ったんです。楽しいチャレンジでした」

ヘレン・ミレンがエリザベス2世を演じた2006年の伝記ドラマ『クィーン』の脚本も手掛けたモーガンは、『ザ・クラウン』の中で何十年にもわたるエリザベス女王の生涯を探求してきた動機を明かしている。「私の実母は、1ヵ月前まで女王と同じ年齢でした。だから、母の世代を理解するために書いたことでもあったのです。ですが、ドラマで60話分の脚本を書いたとはいえ、あの世代を理解できたとは思っていません」

それでもモーガンは、『ザ・クラウン』を今終わらせるという立場を堅持しており、シリーズの完結に対しては満足感と安堵感の両方を感じているという。「自分がやると言ったことを最後までやり遂げたことを誇りに思います。本作は、(2005年という)ちょうどいいところで止まりました。最高です。この作品にすべてを捧げました。やり残したことはありません」

『ザ・クラウン』全6シーズンはNetflixにて配信中。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Hollywood Reporter