Aマッソ・加納さん(左)と日下アナ

 大阪出身の芸人コンビ「Aマッソ」の加納愛子さんが、2冊めのエッセイ本『行儀は悪いが天気は良い』(新潮社)を出版されました。芸人としての日常などがテンポよくまとめられています。

 加納さんは、相方・村上愛さんと、小学5年生のときに同じクラスになって以来の幼馴染。2010年4月、Aマッソとしてデビューし、2011年に上京。『女芸人No.1決定戦 THE W』では、2020年から3年連続で決勝に進出するなど、大きな活躍を見せています。

――Aマッソというコンビ名は何から来ているのですか?

「昔、相方の愛ちゃんとゲーセンでよく遊んでいたキン肉マンのゲームに、押すと『マッソー』(muscle)と鳴るボタンがあったのですよ。そこからとりました。Aは2人の名前のイニシャルからです」

――芸人になろうと思ったきっかけは?

「大学2年生のときに、大阪のインディーズライブに出ようと思ったのがきっかけです。小さい頃は、芸人になりたいと思ってなかったんです。4年生のとき、松竹の養成所に入り、就活しようとしていた相方を説得して、コンビを組みました」

――芸人になってよかったこと、後悔していることはありますか?

「後悔はありません。よかったのは、ネタをやっていたら、出版やYouTubeなど、さまざまな広がりが出てきたことです。いろいろな人と仕事ができるので、楽しんでいます。出版は予期せぬラッキーでした。これまで台本を書いてきたこともあり、文章を書くのは好きなんです」

――ライバルや憧れの先輩はいますか?

「ライバルはいません。憧れの先輩は “笑い飯” さんです」

――目標としている方やロールモデルはいますか?

「有田(哲平)さんです。企画を書いたりされているので、私も自分で作ってみたいと思います。女性のロールモデルはいません。分野ごとにあげるとすると、ラジオなら上沼恵美子さん、自由に生きるという意味ではフワちゃんかな。逆に、自分が後輩たちのロールモデルになりたいです」

――ネタはどのように考えていますか?

「喫茶店に1人で長時間つめて考えています。ネタが出るまで、けっこう時間がかかりますね」

――東京と大阪で笑いに違いはありますか?

「東京をベースに活動していますので、ライブでは東京のほうが反応はいいです。ただ、東京はエンタメがあふれていて楽しいことが多いからか、笑わなくてもいい人が多い気がします。大阪にいた頃は、笑いたいという気持ちが誰にでもあると思っていました」

――大阪人はお笑いが好きというエピソードとして、今回、出版されたエッセイにも、お兄さんが、彼女よりも『M-1』を優先する話が書かれていましたね。

「はい。私が高2の冬、その年は『M-1』がクリスマス生中継だったんです。兄は、付き合っていた彼女とのデートより『M-1』見るのを優先したらしくて……彼女から『私とM-1、どっちが大事なん』っていう手紙が来たんですよ。覗き見して知っちゃいました(笑)」

――この本はどんな人に読んでもらいたいですか。

「ふだん文章を読まない人、SNSやコンテンツ疲れしている人に読んでいただきたいです。気軽に読めるので、本を読むきっかけになったら嬉しいです」

 趣味はジョギングで、週に2〜3回は、5kmを走るという元気な加納さん。これからも後輩達のロールモデルとなるような活躍を見せてくれることでしょう。

■お笑いを楽しむための3カ条

(1)分析やめてね
(2)点数つけないでね
(3)いろんな人をみてね

日下千帆
1968年、東京都生まれ。1991年、テレビ朝日に入社。アナウンサーとして『ANNニュース』『OH!エルくらぶ』『邦子がタッチ』など報道からバラエティまで全ジャンルの番組を担当。1997年退社し、フリーアナウンサーのほか、企業・大学の研修講師として活躍。東京タクシーセンターで外国人旅客英語接遇研修を担当するほか、supercareer.jpで個人向け講座も