コスプレイベントに名誉毀損、女性レイヤーに罰金10万円の略式命令 被害者「彼女たちに前科、私にデジタルタトゥーが残った」
コスプレイベントについて「無許可」「コスプレしたまま事情聴取される」などとTwitter(現X)に投稿したコスプレイヤーの女性2人に対して、大宮簡裁は10月24日、名誉毀損罪で、いずれも10万円の罰金の略式命令とした。
埼玉県の主催団体「レイヤーズプラザ」の菩提寺由美子代表が31日までに取材に明らかにした。
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2021年4月に予定されていたイベントは、警察や役所などに開催の許可を必要としなかったにもかかわらず、「どこにも申請出してません」などの指摘がTwitterで繰り返されたことで、中止に追い込まれた。それだけでなく、団体は「詐欺」などと批判を浴びた。
菩提寺さんが損害賠償をもとめた民事裁判では、投稿した女性2人と、参加者を通報してSNSに晒す考えを示した男性1人に、計約260万円の支払いが命じられた。
菩提寺さんによると、判決の確定後も、女性の1人からは賠償の支払いがなく、もう1人の女性からは数万円の支払いがされたのみという。
菩提寺さんは「2人は名誉毀損罪で前科がつくことになります。私には告訴を取り下げる考えもあり、その機会はいくらでもありましたが、謝罪と支払いへの前向きな言葉がありませんでした」と話す。
「前科がつくことの重みをわかっていないのか、前科がついたとしても自分は悪くないと考えていたのでしょうか。私や団体には『詐欺』などデジタルタトゥーが残りました。人の悪口を書く重みを考えてほしいし、ちょっと頭にきたから書き込んでしまうこともやめてほしいです。参加予定者や開催に協力してくれていた人には心配をおかけして申し訳なく思います」(菩提寺さん)
男性も威力業務妨害罪で告訴したが、検察は不起訴処分とした。男性は賠償を全額支払い、謝罪文と誓約書を書いたという。(ニュース編集部・塚田賢慎)