中国人女性のような凛とした強めの女性をイメージさせる「チャイボーグメイク」

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 肌の悩みを感じさせないくらい“つるんとした肌”が特徴的な韓国風メイク。かつては「水光肌」と呼ばれる内側から発光したような肌が定番でしたが、近年は「セミマット肌(マット肌とツヤ肌の中間)」もトレンドとなっています。韓国風のベースメイクはいま、どのように作られるのか? テクニック、アイテムの選び方について韓国コスメの輸入代理店・フードコスメの加藤千琴さんに話を聞きました。

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■韓国ベースメイクは「セミマット肌」がトレンドに

 以前は“韓国メイク”というと、「水光肌」と呼ばれるツヤ肌が基本でした。水光肌とは、内側から光るようなみずみずしい肌のことで、陶器のように均一な透明感をベースメイクで作っていくものです。最近では、マット肌とツヤ肌の中間である「セミマット肌」も人気で、幅広い質感が作れるファンデーションが登場しています。

 水光肌でもセミマット肌でも、どちらにも共通しているのが“素肌感を大切にしていること”です。厚塗り感のあるメイクではなく、機能性の高い化粧下地、少量のコンシーラーで肌悩みをカバーし、素肌の美しさを全面に出すメイクが特徴と言えます。

 2003年頃の初代K-POPブームでは、白いツヤ肌に赤いマットリップ、平行眉、太いアイライン、チークはなしという『オルチャンメイク』が流行していましたが、より”素肌感”を強調する流れが強まっていると加藤さん。

「アイドルやインスタグラマーを中心に、クアンクメイク(着飾っているようないないような、ナチュラルメイク)が浸透してきたという流れがあります。メイクアイテムやツールもそれに伴って進化しているため、テクニックがなくても、ナチュラルな陰影や素肌感が演出できるようになったことや、SNSで簡単にテクニックを学べる環境が整ったことも、一般的に浸透した要因かと思います」

 素肌感を出す一方で、肌の色味においては「Z世代を中心に、ファンデーションの色選びに変化が出てきている」といいます。「一昔前までは、首と近い色の、自然になじむ色を選ぶ人が多くいましたが、Z世代は韓国アイドルのような『ウユピブ(牛乳のように白い肌)』に惹かれ、自分の肌色よりも1〜2トーン明るい色を選ぶトレンドが。それに伴い、肌を明るく見せるトーンアップクリームやコントロールカラーも進化しています」

■「クッション」「リキッド」、ファンデーションのトレンド

 韓国発のファンデーションと言えば、“クッションファンデーション”です。崩れにくく、自然なツヤ感を出すことができ、メイクの時短という意味でも活躍してくれます。韓国コスメブランドだけではなく、プチプラからデパコスまで、日本でも様々なブランドが参入しています。

 一方で、カバー力とツヤ感の両方を叶えるリキッドファンデーションも人気です。特に毛穴の目立ちにアプローチするもの、ヴィーガン認証を受けたものなど、美容成分や機能性も備えている様々な商品が出ています。リキッドファンデーションをスパチュラを使って、そっと肌になでつけるように塗り、スポンジで仕上げるというメイク方法も話題となっています。

■韓国風メイク、ベースメイクの方法

(1)下地を塗る:なりたい肌に合わせた機能を持つ下地を選びましょう。トーンアップ効果のあるもの、肌を保湿してくれるもの、赤みや肌ムラを隠してくれるもの、メイク崩れを防ぐものなど。

(2)ファンデーション:「水光肌」にしたい場合は、ツヤタイプのファンデーションを選びます。「セミマット肌」にしたい場合は、テカリを抑えられるような機能のあるファンデーションを選び、TゾーンやUゾーンに部分的にパウダーを入れることで調整します。

(3)パウダー:TゾーンやUゾーンに薄くつけて、ツヤ感を残します。肌悩みによっては、皮脂吸収パウダーが入っているもの、毛穴の凹凸をなくしてくれるものを選ぶとよいです。

(4)シェーディング:輪郭まわりとノーズシャドウを入れる部分に、陰影を出します。大きな筆、小さな筆を使い分け、濃くなりすぎないように鏡を見ながら調整していきましょう。

「シェーディングをブラシで付ける際は、いきなり肌に置かず、一度ティッシュや手の甲で発色を確認してからつけます。ブラシの粉飛びが押さえられるだけでなく、ブラシの中まで粉が入るので、ムラづきを防ぐことができます。近くでばかり鏡を見ていると濃くなりやすいので、鏡から少し離れ、ほのかに陰影が分かるぐらいがベストです」

 以上が、韓国風ベースメイクの方法です。韓国メイクは、素肌をいかに美しく見せるかを大切にして仕上げるのがポイントです。アイテムを上手に使うことで、初心者でも簡単にできる方法なので、ぜひ参考にしてみてくださいね。