(株)マイクロブラッドサイエンス(TDB企業コード:960278682、資本金3000万円、東京都千代田区岩本町2-14-8、代表五十嵐圭氏)は、9月29日をもって事業を停止し、10月5日に東京地裁へ自己破産を申請した。

 申請代理人は権田修一弁護士(東京都千代田区麹町3-3、東京富士法律事務所、電話03-3265-0691)。

 当社は、2009年(平成21年)6月に東京医科歯科大学と生体試料や遺伝子に関する共同研究を目的として設立されたベンチャー企業。独自開発した血液検査用の微量採血デバイス「MBSキャピラリー」を軸に採決施設事業や血液検査サービス、ヘルスケアプラットフォーム事業などを展開し、各分野の著名な研究者や専門家が顧問を務めていた。「MBSキャピラリー」は、手のひらサイズで個人がわずか0.06mlの採血で簡便に完了でき、心理的・時間的な負担軽減をアピールしていた。 

 またコロナ禍では、感染症対策関連商品として、「新型コロナウイルスIgG/IgM抗体検出キット」「非接触体温検知器MBSサーモチェッカー」「MBS空間除菌脱臭機」などの販売を開始したことで2021年3月期(その後、決算月を12月に変更)には年収入高約7億5000万円を計上。同年6月にはJASDAQ(現・東証スタンダード)上場の(株)プロルート丸光の子会社となっていた。

 しかし、2022年6月に親会社のプロルート丸光が、大手製薬メーカーが当社に対して新型コロナウイルス抗体検出キットの販売契約における契約不履行による契約解除を理由に約5億2100万円の売買代金返還請求訴訟を提起したことを発表。さらに2023年1月にはプロルート丸光が保有する当社の株式が売却され、同社の子会社から外れる状態となっていた。こうした影響から2022年12月期の年収入高は約1億6300万円まで減少。設立以来、ほぼ毎期赤字となる状態が続いていたほか、新型コロナの5類移行に伴い扱っていた大量のコロナウイルス抗体検出キットが不良在庫となるなど資金繰りが限界となった。

 負債は債権者約27名に対し約4億4395万円。