(株)アマナ(TDB企業コード:982934790、資本金1億円、東京都品川区東品川2-2-43、代表進藤博信氏)は、9月20日開催の取締役会において、事業再生ADR手続きの申込を決議し、事業再生実務家協会に対し、事業再生ADR手続きについての正式な申請を行い、同日付で受理されたと発表。全ての取引金融機関に対し、金融債務弁済の一時停止の通知書を送付した。

 当社は1970年(昭和45年)7月に写真原版貸出業を目的に設立。当社を頂点としてグループで静止画やCG,動画の制作、テレビCM、ウェブ、スマートデバイス向けアプリケーションの企画制作などを手がけていた。2004年に東証マザーズ(現・東証グロース)に上場以降、子会社の設立、吸収合併などを加速。広告関連企業を主力に企業から個人まで幅広く顧客を有し、近年も商品やテーマパークのプロモーションなど堅調に受注を獲得し、2018年12月期には年収入高約177億7700万円を計上していた。

 しかしこの間、2018年2月に海外連結子会社にて不適切会計が発覚し、コンプライアンス体制の改善が急務となっていた。そうしたなか、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により受注が大幅に減少。2020年12月期第2四半期時点で大幅な赤字を計上し、債務超過に転落。金融機関からの借入金の返済が遅延する事態となり、継続企業の前提に関する注記(GC注記)を記載していた。同年11月には、再度連結子会社にて不適切会計が発覚。その後、グループ会社の吸収合併など、経営の改善を図っていたが、新型コロナウイルスの再拡大などにより2022年12月期の年収入高は約129億9400万円となり、約30億円の当期純損失を計上。約28億6900万円の債務超過に転落したため、上場維持基準に抵触していた。
 このため、収益および財務基盤の改善に取り組んできたが、今期においても減収および赤字、債務超過額も大幅に拡大する見込みとなったことから、事業再生ADR手続きにより再建を目指すこととなった。
 
 なお、事業再生ADR手続きは金融機関を対象に進められるため、一般の取引先に影響を及ぼすものではないとしている。