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故ジャニー喜多川氏の性加害問題をめぐり、ジャニーズ事務所が9月7日に会見を実施したことを受け、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんが同8日に東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見を開いた。

カウアンさんは、事務所が性加害の事実を認め謝罪したことについて「僕自身心が少し楽になった」と心境を吐露。事務所に対して「僕からこれ以上何か言うことはもうない」としつつ、「僕も含めた被害者の方々の心の傷はそう簡単に癒えることではないと心に刻んでいただきたい」と力を込めて話した。

●「タレントたちに罪はない」

カウアンさんは2023年4月の記者会見で、顔出し実名で取材に応じ、ジャニー氏から性被害を受けたことを語った。これ以降、沈黙を続けていたメディアも取り上げるようになり、同じような被害に遭ったことを訴える元ジャニーズJr.の告発が続く一連の流れのきっかけを作った。

カウアンさんは、4月の記者会見について「ここまで社会に衝撃を与える大きな出来事になることは想像できなかった」と話す一方、公の場で発言したことに「売名行為」と批判されたことなどには「精神的にかなりきつかった時もある」と振り返った。

それでも、会見をきっかけに、藤島ジュリー景子前社長に直接会って話すことができ、カウアンさんが苦しい思いをしてきたことに対して謝罪を受けたとして、「寄り添ってくれようとする気持ちは感じた」と話した。

事務所のタレントは、カウアンさんから見て「どんな厳しい状況の中でも笑顔でステージに立ち、ファンの皆さんに夢と希望を与える存在」だったとし、「タレントたちに罪はない」と断言した。

ジャニー氏への思いについては、「僕自身はジャニーズ事務所という場についての感謝と、エンターテイメントの夢を見させてくれたジャニー氏を恨みきれない思いは、世間にグルーミングと言われても今でもある」と複雑な心境を明かした。

「これから先、僕はもう前に進みます。今回こういう行動をとったという過去は消えることはありませんので、その責任からは逃げずにいたいと思いますが、できるだけ未来を向きたいです」と話し、事務所が会見で明かした内容や新体制発足を一つの区切りとする考えを示した。

●ジャニーズの名前「ほぼほぼ100の可能性で変わると思っていた」

事務所側の会見で「ジャニーズ」の社名を現時点では変更せず、存続する方針が示されたことについて質問を受けると、「ジャニーズの名前を使い続けることに関してはびっくりしました」と話し、変更した方が良いのではないかとの考えを示した。

「僕はほぼほぼ100の可能性で変わると思っていた。『ジャニーズ』の名前を継続することはむしろマイナスなのかなと」

事務所が性加害の事実を認めたことを受けて、ファンはどうすればいいのかを問われたカウアンさんは、「みなさんがどう応援していくかは一人ひとりが決めること」と前置きした上で、「(事務所が)ファンに何ができるのか」が重要だと指摘した。

「事務所が生き残って、ジャニー氏なしのエンターテインメントで(ファンに)返していく覚悟がないとダメだと思いますし、僕もそれを望みます」

この問題について沈黙を続けていたメディアに対しては、「(性加害が)認められた以上、(事務所だけでなく)メディアも反省して変わっていってほしい。世間が放っておかないので、ちゃんとやっていただきたいなと思います」と話した。

カウアンさんは自身が伝えたいメッセージとして、「人生いろんなことがあるので、一人で抱え込まないで、自分に嘘をつかないで、大切にしてくれる人たちや愛している人たちと一緒にいる場所に身を置いてほしいなと思います」と語った。