馬房にいるサリオス(提供:社台スタリオンステーション)

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 社台スタリオンステーションで繋養されているサリオスが、このほどnetkeibaTV『名馬の今~2023夏』で特集された。放牧地で草を食べる姿や、馬房で佇む様子が伝えられたほか、スタッフが質問に答える形で、同馬の近況を明かした。

■社台SSスタッフ「最高のスタートだったと思います」

──スタッフの方々は何と呼んでいますか?
「サリオスです」

──来た時はどんな様子でしたか?
「出走しなかったとはいえ、香港遠征直後での新天地への移動だったので、環境を慣らすことと、心身の疲れをとることが優先されました。到着後も特にナーバスになることは無く、大きな苦労がかかったタイプではなかったです」

──どんな性格ですか?
「ハーツクライ産駒の中では短めの距離条件で出走することが多かったですが、普段の仕草を見ていると、気持ちのスイッチの入りが早く反応の良さが目立ち、気持ちにキレがある印象なので、現役時のレース選択に納得させられるものがありました」

──初めての種付けを終えての評価を教えてください
「非常に受胎率が高く、1頭の繁殖牝馬に対する回数がかなり少なく過ごせました。多くの繁殖牝馬の配合相手として選んでいただけましたし、最高のスタートだったと思います」

──最近のサリオスはどんな様子ですか?
「他の種牡馬と同様に過ごしています」

──種牡馬としての期待をお願いします
「ドイツ牝系にハーツクライという配合から、晩成なステイヤーと思ってしまうところですが、現役時に示した通り、スピードと仕上がりの早さは、かなり高いレベルにあります。

 この馬が属するドイツのSライン牝系は、ただの一般的で典型的なドイツ牝系ではなく、古くはビワハイジ、そこからブエナビスタやジョワドヴィーヴル、マンハッタンカフェ(自身はステイヤーだが、父としてマイルGI勝ち馬やスプリンターを輩出)、ソウルスターリングやスターズオンアース、シュネルマイスターも同牝系であるように、早い時期から日本のマイルGIでスピードを武器に活躍できるというのが、シュヴァルツゴルトを祖先に持つこのSラインの特徴です。

 この血統的特徴から朝日杯FSや阪神JF、NHKマイルC、桜花賞を勝つ馬を多く誕生させて欲しいですし、中長距離に強いハーツクライの特長も上手く受け継ぎながら、クラシックでも中心になる馬も送り出してくれたらと思います。

 また、ディープインパクト牝馬にロードカナロアを配合して生まれた牝馬と配合させると、ディープインパクト、キングカメハメハ、ハーツクライという大種牡馬の血をミックスさせることができますし、ハーツクライとロードカナロアの相性の良さも証明されているため、面白いのではないかと期待しています。馬体のサイズ感やバランスもピタリとマッチする気もします」