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●外食しながらダイエットもアンチエイジングも叶えたい! そんな我儘な願いを叶えるべく、ボディメイクのプロ・石本哲郎さんが「若返りやせ飯」の選び方を伝授。今回のテーマは、本場アメリカサイズのバーガーで人気の「バーガーキング」です。

「ワッパーは単品で食べる」が鉄則

 バーガーキングの看板商品といえば「ワッパー」ですよね。「ワッパー」とは「どでかいもの」という意味のスラングで、その名の通り、脂質もカロリーもどでかくなっています。正直、ダイエットやボディメイクとは相容れないメニューなんですが、バーガーキングに来たからにはやっぱりワッパーを食べたいもの。

 そんな時、選択肢は2つです。ひとつは「ワッパーを単品にして、サイドはつけないという方法」。

「ワッパー」(左)、「ワッパーJr.」(右)。一般的なバーガーより約1.5倍もビッグなワッパーなら単品でも満足度大

 ワッパーシリーズはビッグサイズなだけあって、ノーマルなワッパーでもたんぱく質が27.3gとしっかり摂れます。ただ脂質も39.4g、カロリーも653kcalと可愛くない数値なので、セットにしてこれ以上何かを足すのはやめましょう。

 ドリンクもノンカロリーのものが鉄則。コーヒー、紅茶、烏龍茶などの他に、「ハンバーガーにはやっぱコーラでしょ!」という人にうれしい「コカ・コーラゼロ」もあります。

ドリンクはコカ・コーラゼロなどノンカロリーなものに [食楽web]

 基本的には好きなワッパーを食べてもらっていいのですが、おすすめできないのは「アボカドワッパー」。アボカド自体は良質な脂質やビタミンEなどが摂れる優秀な食材なのですが、これを入れることでカロリーが713kcalにまで跳ね上がります。ただでさえ脂質の高いハンバーガーにアボカドの脂質を上乗せしてしまうと、メリットよりデメリットのほうが遥かに上回ってしまうのです。

 肉が2枚入ったダブル系もNG。例えば「ダブルワッパーチーズ」だと986kcalと、とんでもないカロリーに……。ワッパー自体が既にどでかいのだから、それをダブルにするのはさすがにやりすぎと心得ましょう。

Jr.サイズのワッパーにはサイドでたんぱく質をプラス

もうひとつの選択肢は「Jr.サイズにしてサイドも楽しむという方法」。Jr.サイズであれば、通常サイズのワッパーでNGだったアボカドもOK。脂質が24.9g、447kcalと許容範囲に収まるので、「どうしてもアボカドワッパーが食べたい!」という人はJr.サイズにしましょう。

Jr.サイズならアボカドのメリットも享受できる

 サイドメニュー選びで重視したいのは、たんぱく質量。たんぱく質は筋肉、肌、髪などの原料となる重要な栄養素。ボディメイクや若返りのためにも欠かせません。一食あたりの理想のたんぱく質量は女性で20~30g、男性で30~40gですが、ワッパーJr.はたんぱく質が17.0gと少なめ。他のJr.サイズのワッパーも、たんぱく質が不足気味なものが多いので、その分を補うメニューを選びましょう。

 主なサイドメニューの栄養成分を比較してみたので、メニュー選びの参考にしてください。

フレンチフライVSハッシュブラウン、上手な食べ分け法とは?

 サイドメニューの王道といえばポテトですが、ダイエットやボディメイク的には正直、あまりおすすめはできません。ただ、バーガーキングのポテトはそこまで量が多くないため、食べてもギリOK。たんぱく質も少しは入っているので、バーガーの足りない分を補いながらポテトを楽しむのもありかと思います。

フレンチフライMとハッシュブラウン

 バーガーキングには「フレンチフライ」と「ハッシュブラウン」の2種類のポテトがあります。両者を比べてみると、通常セットの「フレンチフライM」が306kcalに対して、「ハッシュブラウン」は116kcalと圧倒的に低カロリー。栄養面での優劣はありませんが、「ハッシュブラウン」のほうが量が少ないため、カロリーを抑えることができます。ただ、たんぱく質も1.2gと少ないため、「ワッパーJr.」に足しても20g以下。「フレンチフライM」と「ワッパーJr.」であれば、たんぱく質の合計が21.3gとなり、女性の目安量をなんとかクリアできます。

女性に必要なたんぱく質量を確保できるポテトセット

「ハッシュブラウン」を食べたい場合は、「ワッパーチーズJr.」などたんぱく質量が多めなバーガーを選ぶと、総カロリーも抑えられるのでおすすめです。

ボディメイクにはポテトよりチキン

 しかし、どちらのポテトを選んでも、残念ながら男性にはたんぱく質が足りません。男性の場合は、サイドメニューに「チキンナゲット」などたんぱく質の多いものを選びましょう。ナゲットのソースは「ハニーマスタードソース」が33kcal、「バーベキューソース」が29kcalと誤差のような数値なので、好きな方を選んでOK!

辛いものを食べたら痩せる説は本当?

男性には高たんぱくなチキンナゲットがおすすめ

 ちなみに、ナゲットには「極辛Z」なる辛いバージョンもあります。「辛い物を食べると汗をかくし痩せそう!」というイメージを持ってる方がいるかもしれませんが、そんなことはあり得ません。そうだとしたら、それこそ「サウナ最強説」になっちゃいます。

 ただ、辛い物を食べると、交感神経が優位になり、アドレナリンが分泌されるのは事実。そのため、食後に体を動かす場合は、通常のタイミングより若干カロリーを消費しやすいかもしれません。とはいえ、有意な差が生じる程ではないので、好きなほうを美味しく食べたほうがいいです。

 たんぱく質が摂れるサイドメニューとして、もうひとつおすすめなのが「スナックチキン」。

手軽にたんぱく質が補えるスナックチキンも優秀

 135kcalでたんぱく質が7.9gも摂れます。サイドメニューの中ではダントツでPFCバランス(三大栄養素であるたんぱく質、脂質、糖質のバランス)に優れています。「ワッパーJr.」と合わせても544kcalでたんぱく質が24.9g。ハンバーガーにポテトをつけたくなる気持ちもわかりますが、ダイエットやボディメイク的にはやはり、ポテトよりチキンが正解です。

バーガーキングで選んじゃいけないNGバーガーとは?

 先述した通り、ワッパーではダブル系やアボカド入りがNG。ワッパー以外の通常のバーガーに関しては、ハンバーガーもチーズバーガーもフィッシュバーガーも、PFCバランス的になかなかいい感じで、カロリーも控えめなものがほとんどです。しかしその中にひとつ、とんでもなくヤバイやつが紛れています。その名も「ビッグベット」。

ビッグサイズのビーフパティを2枚重ねたビッグベット

 重量は357gと、ワッパーの279gを大きく上回っています。たんぱく質は50.2g、脂質は65.2gで、カロリーはなんと980kcal。ちなみにお値段も1190円とワッパーの約3倍! こうなると、ワッパーとビッグではどちらが大きいのか、もはやよくわかりません(笑)。なんにしても、どでかいワッパーを軽く超えてくる「ビッグベット」は、選んじゃいけないNGバーガーです。

結論

『バーガーキング』の売りは、その名の通りキングサイズのボリューミーな「ワッパー」。当然のことながらダイエットやボディメイク、アンチエイジングのことを考えたメニューではないため、良質な脂質やビタミンミネラルなどの栄養素は期待できません。唯一できることは、たんぱく質だけでもしっかり摂ること。

 ワッパーはそれだけでたんぱく質量をクリアできるため、単品にして余計なカロリーは足さないのが鉄則です。Jr.サイズのワッパーは不足分のたんぱく質をポテトやチキンなどのサイドメニューで補って食べましょう。

ワッパーJr.+チキンナゲットなら男性に必要なたんぱく質量も楽々クリア

 たんぱく質は女性なら20~30g、男性なら30~40gの目安量を摂れば十分です。一度に大量に摂ったところで、筋肉や肌、髪などに利用される分は限られているため、余剰分は有効利用されずに単純なカロリーとして加算されるだけ。たんぱく質の必要量を確保したら、あとはどれだけ脂質やカロリーを下げるかが、太りにくい食べ方の鉄則です。

(語り◎石本哲郎、インタビュー・撮影◎酒詰明子)

●プロフィール

石本哲郎

女性専門のパーソナルトレーナー。東京や神奈川にて、女性専門パーソナルジムリメイクや女性専門フィットネスショップリーンメイクを数店舗運営。女性のダイエットに関わる医学、栄養学、トレーニングメソッドについての豊富な知識と、自ら意図的に太ってやせる「減量」実験の成果から編み出した独自のメソッドで、のべ1万人以上の女性の体づくりを指導し、成功へと導く。ダイエットに悩む一般女性の指導をもっとも得意とし、「健康的かつきれいに女性の体を変える技術」には定評がある。代表作『神やせ7日間ダイエット』などを含め著書累計20万部を超える。

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