英語を習得するスピードが大きく変わる参考書。英語勉強におすすめの本3冊を紹介します(写真:pearlinheart/PIXTA)

どんなに勉強しても、英語の成績が上がらない。ご自身や、お子さんでそんな悩みを抱えている方はいるのではないでしょうか。東大医学部卒で、PASSLABO(YouTubeチャンネル)代表の宇佐見天彗氏の新著『すばる先生と学ぶ 中学英語のきほん 50レッスン』を一部抜粋・再構成し、英語勉強におすすめの本3冊をご紹介します。

みなさんは英語は好きですか? 日本人は英語が苦手な人が多く、勉強してもなかなか成績が上がらずに英語を話すこともできない、という場合が多いですね。

どんな参考書を使うかが大切

僕も昔は英語ができずに苦労した経験があるのですが、使っている参考書を変えた結果、英語が得意になりました。英語は、どんな参考書を使って勉強するかによって、習得のスピードが大きく変わると思います。

今回は、みなさんに「初学者におすすめの英語参考書」を紹介したいと思います。

・英単語の語源図鑑

まずは英単語帳です。多くの英単語帳は、単語とその意味が書いているだけで、「なぜその意味になるのか」が書いていない場合が多いと思います。例えば「subway」=「地下鉄」としか書いておらず、この意味を丸暗記することが求められてしまいます。

そして、なんのとっかかりもない言葉を丸暗記するのは結構大変なことです。日本語だったら、「『魂魄』って、『こんぱく』って読むのか。意味はわからないけど、『魂』は人間のたましいのことだよな。ってことは、それと近しい意味になるに違いない」と、ある程度の類推ができますね。しかし英語だと、その類推がうまくいかない場合が多いのです。

そこでおすすめなのが、英単語の語源図鑑です。

この図鑑では、さまざまな言葉の語源が載っています。

「『sub=下』『way=道』なのか。ってことは、『subway』は『下の道』、地下を通る道のことだから、地下鉄なんだな」と、類推できるわけです。

この暗記法のいいところは、そこからうまく派生していろんな言葉を覚えることができることです。「『submarine』は、『marine=海』で、『海の下』って意味だな。そこから、海の下を行く、潜水艦という意味になるんだ」と、納得して覚えることができるわけですね。

さらに、聞いたことのない英単語でも、応用で大体意味がわかるようにもなります。

「submission、ってどういう意味かわからないな。でも、『sub=下』って意味だから、下というニュアンスのある言葉なんだろう」とあたりをつけることができます(ちなみにsubmissionは、人の下につくこと・服従を指します)。

英語の語源をしっかり理解する

このように、英単語の意味を類推できるようにしっかりとその語源を理解することはとても重要なのです。この単語帳ではその語源が網羅的に載っていて、勉強になります。

紹介される単語の中には、若干難しめの単語も入っていますが、そういった単語を暗記するのではなく類推することは、新しく見る単語を類推する力を身につけるためには必要なことなのです。

また、この本では類推しやすくなるよう、わかりやすいイメージ画像が載っています。言葉で説明されるよりも、画像で視覚的に理解すると、単語のイメージがしやすくなって、覚えやすくなります。単語が覚えられないと嘆く方は、ぜひ試してみてもらえればと思います。

・大岩のいちばんはじめの英文法

次は英文法の参考書です。

みなさんは、そもそも英文法ってなんで勉強しなければいけないかわかりますか?

それは、文の構造を理解できるようになるからです。

例えば、「Whether she will agree or not is a problem.」という文があったときに、それぞれの個々の単語の意味がわかったとしても、何が主語で何が動詞か、という文の構造が理解できていなければ、文を読むことができません。

詳しくお話しすると、S=主語、V=動詞、C=補語、O=目的語という役割がある中で、その単語が文の中でどの役割を持っているのかを考えながら読まなければならないわけです。

「Whether she will agree or not(=彼女が同意するかしないか)が主語だな」

「isが動詞で、a problemが補語だな」

「だから、SVC(S=C)の第2文型だな」

というように、どれが主語でどれが動詞なのかがわかるようにならなければ、いくら単語を覚えられても意味がないのです。

そして、この「文の構造理解」は、英文を読むスピードに大きく関わってきます。文を見て、パッとSVOCを高速で見抜くことができる目を持っていれば、英文を読むスピードは大きく向上するのです。

例文にSVOCが書かれている

その点において、僕がおすすめしたいのは「大岩のいちばんはじめの英文法」です。この本では、そもそもSVOCは何かという説明が書いているだけでなく、いろんな例文にていねいにSVOCが書かれており、またどのような根拠でそう書いているのかが明確に示されています。

この本を熟読すれば、SVOCを自分で振れるようになり、これからいろんな英文を読んでいくときの骨子を作ることができるようになります。

日本人は、日本語にSVOCを振るまでもなく、自分の頭の中で「何が主語で何が述語なのか」をパッと理解できるから、文を読むときにつっかえることがありません。

英語でもそれと同じように、SVOCを自分で振るまでもなくパッと見て理解できるようになれば、英語を読むのに苦労しなくなります。みなさんもぜひこの本でそのレベルまで到達できるよう頑張ってください。

ドラえもん英語版

最後は、ドラえもんの英語版です。

やはり英語は、楽しんで勉強できないと長続きしません。そして長続きしないと、英語は上達しません。

英語は言語なので、継続して勉強しているかどうかによって、英語力の身に付き方が変わってきてしまうからです。毎日ほんの少しでも、楽しみながらでも、英語に触れている習慣がある人でないと、一度英語力が付いても英語力はどんどん落ちていってしまうのです。

そのために僕がおすすめしているのが、漫画で英文を読むことです。

「日本語で聞いたことがあるフレーズを、英語だとどう訳しているのか」という目線で漫画を読むことができるようになり、翻訳の楽しさに目覚めることになります。

英会話のレッスンにも

この本は、日本語の表現と英語の表現が併記されており、そして英語も簡単な表現が使われていることが多く、初学者でもとっつきやすいです。


例えばのび太くんがドラえもんを頼るときによく使う、「こんどだけは助けて」という表現は、英語でどう表現すると思いますか?

「Help me just this once」です。

「こんどだけ」を「一回だけ」と表現しているわけですね。このように、どう英語に直しているのかを理解することで、自分の英語表現も磨けるようになります。

また漫画は会話が基調になっているので、英会話のレッスンにもなります。ちょっとした挨拶ややりとりなどが、外国人と話すときに使える英文になっているわけですね。漫画で楽しく勉強してもらえればと思います。

いかがでしたか? ぜひ紹介した本を読んで、英語を楽しんで勉強してもらえればと思います。

(宇佐見 天彗 : 東大医学部卒教育系YouTuber)