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●群馬県桐生市のソウルフード「コロリンシュウマイ」。シュウマイとは言っても、ひき肉を皮で包む一般的なものではありません。独自進化を遂げたご当地シュウマイの謎に迫ります。

 全国津々浦々、地域ごとに愛されるご当地グルメがありますが、群馬県桐生市には40年以上の歴史を誇る「コロリンシュウマイ」という地元民に愛されるローカルフードがあります。

 妙に可愛い名前ですが、日常で食べるシュウマイとは全くの別物らしいのです。一体どんなご当地グルメなのか非常に気になる! というわけで今回は、実際に群馬県桐生市に行って取材してきました。謎多きコロリンシュウマイの全貌に迫りたいと思います。

コロリンシュウマイの正体とは?

東武桐生線・わたらせ渓谷鉄道「相老駅」から徒歩15分の場所にある店舗

 群馬県桐生市のソウルフード「コロリンシュウマイ」のお店は、東武桐生線・わたらせ渓谷鉄道「相老駅」から徒歩15分ほどの場所にあります。どこかレトロで懐かしい雰囲気が漂うこぢんまりとした店舗です。

 まずは店主の方にコロリンシュウマイの歴史について伺いました。

「コロリンシュウマイは、もともと先々代が駄菓子屋で子どもたちに振る舞っていたメニューなんです。人気が出てきて、屋台で移動販売をするようになり、先代の時代に店を構えました。コロリンシュウマイの名前は、“おむすびころりん”から取っています。ただ、いつ頃に名前が定まったのかは、実はわかっていません。昔は幼稚園のおつかい体験で買っていただくことも多く、その頃に食べていた子どもたちが親になって、また親子で来ていただくことも多いですね」(店主さん)

 では、コロリンシュウマイとは、ズバリどんな食べ物なんでしょうか?

「コロリンシュウマイは、ひき肉ではなく、ジャガイモがメインのシュウマイなんです。男爵イモ、玉ねぎ、でんぷん、豚脂を主原料に作っています。蒸かしたてのアツアツのコロリンシュウマイは、おやつはもちろん、ビールのつまみにもなりますよ」

 なるほど、肉を使っていないシュウマイなんですね。とはいえ、味がまったく想像できないので、実際にいただいてみることにします!

コロリンシュウマイを実食!

店舗ではおこわや揚げ物なども販売されている

 店主さんによれば、コロリンシュウマイ以外にも、アレンジメニューの「カレーコロリン」や「いもフライ」も人気とのこと。なので今回は「コロリンシュウマイ」(180円・5個)、「カレーコロリン」(200円・5個)、「いもフライ」(90円)を注文してみました。

 いずれもジャガイモがメインのメニューなんですね。ポテトについてのこだわりポイントを聞くと、「大きさや味の品質が安定している北海道産の男爵イモを使用しています」と教えてくれました。過去に、日本各地の産地のジャガイモを試したこともあったそうですが、しっくりこなかったんだそうです。

 こだわりのジャガイモで作られたメニューは、どんな味なのでしょうか。料理の完成を待ちましょう!

特製ソースとの相性が抜群のコロリンシュウマイ

「コロリンシュウマイ」180円・5個

 まずは、お目当ての「コロリンシュウマイ」からいただきます。優しい甘さのソースの香りが鼻をつきます。小ぶりな一口サイズで、いくらでも食べられそう。パクリとかぶりつくと、モチモチッとした食感です。おお、なんとも不思議な味! ジャンクで素朴で、ジャガイモと玉ねぎの甘みが口中にじわじわ広がります。

ジャガイモが主原料だけあって、もっちりとした感触

 コロリンシュウマイのために開発したという特製ソースとの相性も抜群です。サラッとしていながらも、ウスターソースとは別モノ。酸味や辛味が薄く、ジャガイモの旨味を出しゃばりすぎずに美味しく引き上げてくれます。

 食べ進めていくうちにわかったのですが、思いのほかボリューミー。「おやつにちょうどいい大きさかな」と思っていましたが、ジャガイモが凝縮されているせいか、お腹にどんどんたまっていきます。食べ終えた頃には、かなりの満腹感!

新しいコロリンシュウマイ「カレーコロリン」

「カレーコロリン」(200円・5個)

 お次はコロリンシュウマイの派生メニュー「カレーコロリン」です。

「子どもが喜ぶかと思って、約8年前ごろに開発しました。クセになる味らしく、カレーコロリンばかり頼む人もいるんですよ」(店主さん)

 テーブルに置かれた瞬間、カレーの匂いがふわりと辺りを包み込みました。そう、シュウマイにたっぷりカレーソースがかかっているのです。カレー味にハズレなし! が筆者の持論。期待に胸が膨らみます。

カレーの香りがいもメインのシュウマイにベストマッチ

 カレーコロリンを口に運べば、懐かしくもスパイシーなカレーと、野菜の旨みが凝縮されたコロリンが溶け合い、ものすごく美味しい! もう1個、またもう1個と手が止まらず、一気に食べ尽くしてしまいました。

 このカレーコロリンについてのこだわりを聞いてみると、「カレーの中に、特製ソースを入れているのがポイントです」とのこと。確かにカレー味の中に、ほのかなソースの酸味を感じます。絶妙な隠し味ですね。

「いもフライ」も旨い!

「いもフライ」(90円)

 最後に食べたのは「いもフライ」。いもフライは、コロリンシュウマイのある群馬県桐生市からクルマで1時間ほどの栃木県佐野市のご当地グルメですね。いもフライの素材は、その名の通りふかしたジャガイモ。コロリンシュウマイに次ぐ人気メニューで、お酒のつまみとして買って帰る人も多いそうです。ひと口あたりのジャガイモの量がほどよく、衣がしっかりついていて、こちらも美味!

まとめ

 謎の「コロリンシュウマイ」は、ジャガイモの甘味と旨味を楽しめる、唯一無二の料理でした。個人的に1番好きだった味は、カレーコロリン。パクパクとあっという間に完食してしまうほどやみつきになる味わいでした。店舗の雰囲気に風情もあります。群馬旅行で桐生市に寄った際は、ぜひ訪れてその不思議な美味しさを確かめてみてください。

(取材・文◎中たんぺい)

●SHOP INFO

店名:コロリンシュウマイ

住:群馬県桐生市相生町5-204-23
TEL:0277-53-8617
営:11:00~19:00
休:月曜(月に1回火曜日休み)