【実食レポ】濃厚すぎてレンゲが立つ! 『麺屋 喜楽明人』の超濃厚なラーメンとは?
食楽web
●板橋区・ときわ台にあるラーメン店の限定ラーメンを調査。この1杯を食べに遠方からも訪れるというド濃厚な煮干しラーメンを食べてみた!
突然ですが、皆さんは、”煮干し沼”って言葉を知ってますか? ラーメンの中でも煮干し系ラーメンにどっぷりハマってしまうことを指す造語で、そんな言葉が出るくらい今ラーメン界では煮干し系に注目が集まっているんです。
昔ながらのすっきりした煮干しスープや、透明度ゼロで煮干しがドロドロに溶けまくっている”セメント系”スープと煮干し系と言っても多種多様な種類がありますが、セメント系の中でも恐らく最高濃度の一杯を出しているお店を発見。調べてみると、濃厚すぎる煮干しの味に惹かれ、遠くは北関東から煮干し沼にハマったマニアさんたちが朝イチでやってくるほど、ざわつく限定麺を出しているそうです。
そのお店が、上板橋駅・ときわ台の両駅から徒歩各10~15分ぐらい、住宅街の中にある知る人ぞ知る店『麺屋 喜楽明人』。読み方は”きらくめいじん”。喜んで楽しくて明るいという、ポジティブ感満載の店名です。
店を入ってすぐにカウンター席、奥にテーブル席がある。一人でも入りやすい雰囲気(食楽web)
店の看板メニューは「淡麗煮干ラーメン」と「濃厚煮干ラーメン」、そして2~3日ごとに変わる限定麺。元イタリアンのシェフだった店主が、煮干スープを軸にいろんなラーメンを展開しています。
その限定麺の中でも人気なのが「超濃厚 レンゲ立っちゃうよ型」(1400円)。限定麺は通常SNSや店頭の看板などで告知しているのですが、この時は朝ラーメンの時間帯から限定麺目指してお客さんの行列ができることもあるほど。その人気限定麺とは果たしてどんなものなのか、注文し出来上がるのを待ちます。
“レンゲたっちゃうよ型”って何っ? 他のラーメン店ではまず見ない衝撃の商品名
本日の限定を紹介する看板。「炙りサンマルツァーノと大なめこのまぜそば」も正直気になる
「うちは煮干専門店ですね。数種類の煮干、昆布と水のみで作る、引き算の美学で作る『淡麗』は純粋な煮干を楽しんでほしいし、数種類の煮干、鶏、豚、乾物、野菜で作る『濃厚』は、逆に足し算の美学。これもかなり濃厚ですが、今回の『超濃厚 レンゲ立っちゃうよ型』は、もっと上を行く濃厚。仕込みに何日もかかるので、しょっちゅうは出せないんだけれどね」と明るく話す店主。
滅多に食べられないからこそ、出ると分かった時は遠くからもお客さんがやってくる、ということですね。それは期待が高まります!
レンゲがぴーん! 衝撃の超濃厚スープで本当にレンゲが立っちゃった
「超濃厚 レンゲ立っちゃうよ型」1400円。麺やネギが支えているわけじゃない。本当に刺したら立ってる!
待つこと数分、目の前に出てきたのは、セメントというよりも褐色、でも見ただけで濃厚とわかるスープ、そしてピンク色のレアチャーシューが鮮やかな一杯。一応本当にレンゲが立つのかを挑戦してみたら本当に立った! そして微動だにしない……。思わず30秒ぐらい見続けたけれど動きません。(笑)
セメントを超えた茶褐色の濃厚スープ。しかも旨みが強い!
「麺は中太ストレートでスープは数種類の煮干、鶏、豚、乾物で作っています。濃厚の上を行く高濃度で作っています。でも脂はそんなに使っていないのでしつこくない。超濃厚だけれど、胃もたれは絶対にしない、後味すっきり系です」と店主。
ちなみに、限定麺って大体何杯ぐらいまで? 「基本なくなり次第終了ですが、今日は大体40杯を予定しています」。となると、朝イチからくるマニアさんを想定すると、午前中~昼までには来ないと食べられないのかも。
具はレアチャーシュー2枚とノリ2枚、オニオンスライスにネギ。レンゲが立つために、スープに何か入れているかを聞いてみたところ「それは企業秘密(笑)」とのことです。
スープの素を見せてもらうと、ゼリー状(といってもゼリーより固め)になったブルンブルンのかたまりが。この中にどれだけ煮干しが溶け込んでいるのっ?
調理工程をカウンター席から覗き見ると、大きなタッパーに入った茶色い塊をすくって小鍋に移して溶かし、それを器に流し入れて、麺や具材を乗せています。あの塊がおそらくスープの種。見た感じだとゼリーやプリンよりも固そう、推定くず餅くらいの硬さ?
仕込みに煮干、どれぐらい使ったんですか?「それはもぉたっぷり!」と店主。「(煮干の)物量にモノを言わせたラーメンだからね」と笑顔で話します。ちなみにこの店、日本各地からその時々でいい煮干を数種類仕入れてミックス。さらにイワシだけではなく、アジなど他の青魚の煮干しも使ってスープを作っています。
超濃厚だから、ストレートの中太麺にスープがしっかり絡む! もはやカルボナーラ並みの絡みっぷり
超濃厚ですがくどさはなく、煮干だからなのか、後味が確かにすっきりしています。想像していた以上にスイスイ箸が進む、といった感覚。濃厚な旨みが美味しく、キレがあってしつこくない、絶妙なバランスに思わず店主の足し算、引き算の技の素晴らしさを感じます。これは限定麺目指して行列ができるのに納得です。
そして、具のレアチャーシューやノリ、あとタマネギ&長ネギのダブルネギがいいアクセントになっています。 遠くに鶏や豚の甘みも存在していて、実はかなり奥深い、多層になった美味しさを感じます。
淡麗と超濃厚を並べてみた。スープの色も透明度も全く違う。でもどっちも煮干しの旨みが力強い
せっかくなので、真逆の「淡麗煮干ラーメン」(900円)も注文。こっちはスープに透明感があり、麺は細麺で繊細な美味しさです。どんなラーメンかを店主に聞いたところ「こっちは5種の煮干しで作るアニマルオフのスープだからね」と店主。
変な言い方かもしれませんが、煮干しなのにフレッシュ感があります。塩分も控えめで品がある味わいです。ちなみにレアチャーシューは、自家製の醤油麹に2週間ほど漬けて作っているとのこと。柔らかさと旨みがしっかり感じられます。引き算の美と、超足し算の美。どっちも煮干しなんだけれど、全く違うラーメン。胃袋に余裕があれば、2杯とも食べてほしい! 「煮干って、こんなに違うアプローチで食べられるんだ!」って実感できます。
まとめ:「超濃厚 レンゲ立っちゃうよ型」はマジでレンゲが立つ! 他の限定麺も要チェック
店主の山本晋吾さん。「創作和えそばも人気ありますよ。次回の限定麺の告知は早い時で1週間前、遅い時で3日前に出すので、こまめにSNSをチェックしていただけると嬉しいですね」
今回紹介した「超濃厚 レンゲ立っちゃうよ型」は、過去に4~5回限定麺として登場、今後は2ヶ月に1回ぐらいは出していく予定とのことです。最近では「7thハーブとオリーブの和えそば」「冷製 煮干しジンジャー」「冷製 桃のまぜそば」など、斬新なメニューが限定麺で続々登場する『麺屋 喜楽明人』。「超濃厚 レンゲ立っちゃうよ型」だけではなく、他のインパクト強めのメニューも要チェックです!
(取材・文◎いしざわりかこ)
●SHOP INFO
店名:麺屋 喜楽明人(めんや きらくめいじん)
住:東京都板橋区東新町1-8-10
TEL:非公開
営:6:30~8:30(L.O.)※朝ラーメ、11:30~14:30(L.O.)、18:00~21:00(L.O.20:45)、木~土曜6:30~8:30(L.O.)、11:30~14:30(L.O.)、18:00~23:30(L.O.23:15)、日曜11:30~14:00(L.O.)、18:00~21:00(L.O.20:45)
休:なし