ハープスターの弟コルレオニス「最後の伸びも上々」と友道調教師も好感触
厳選!2歳馬情報局(2023年版)
第9回:コルレオニス
祖母は二冠馬ベガ。さらに偉大な姉を持つ注目の2歳馬がデビューへ向けて態勢を整えている。栗東トレセンの友道康夫厩舎に所属するコルレオニス(牡2歳/父レイデオロ)である。
まもなくデビュー予定の評判馬コルレオニス
同馬の偉大な姉というのは、ハープスター。2歳7月のデビュー戦を快勝すると、続くGIII新潟2歳S(新潟・芝1600m)では最後方18番手から前を行く全馬をごぼう抜きした。上がり32秒5という驚異の末脚を繰り出して、最後は3馬身差をつける圧勝劇だった。
その後、断然の1番人気に推されたGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)ではスムーズさを欠いてハナ差の2着に終わるも、3歳初戦のGIIIチューリップ賞(阪神・芝1600m)を2馬身半差の完勝。万全の状態で牝馬クラシック第1弾のGI桜花賞(阪神・芝1600m)へ駒を進めた。
その桜花賞では再び18番手の最後方からレースを進め、直線に入ってから大外を強襲。新潟2歳Sの時と同様、次元の違う末脚を繰り出してライバルたちをねじ伏せ、GIタイトルを手にした。
続くGIオークス(東京・芝2400m)ではヌーヴォレコルトに屈して2着に終わるも、直後のGII札幌記念(札幌・芝2000m)では3歳牝馬でありながらゴールドシップら強豪古馬を相手に勝利。秋には世界最高峰の舞台となるGI凱旋門賞(フランス・芝2400m)に挑んだ。
同レースでは、世界トップクラスと熾烈な争いを見せて6着と善戦した。以降はこれといった成績は残せなかったが、そのインパクトあるレースぶりに多くのファンが酔いしれた。
そんな名牝を姉に持つコルレオニス。陣営はどう評価しているのだろうか。関西競馬専門紙のトラックマンが話を聞いてきた。
「まず友道調教師に話を聞くと開口一番、『直前の調教(7月19日)の動きがよかった』とにんまり。デビュー戦で3着と奮闘した馬とあわせて、しっかりと先着した走りに目を細めていました。
続けて、『行きたがるところが少しあったけど、すぐに折り合いがついて、最後の伸びも上々だった』と友道調教師。『体のバランスがよくて、フットワークも軽い』と褒めちぎっていました」
走りのよさに限らず、気性面についても、陣営からは心強いコメントが聞かれたという。トラックマンが続ける。
「スタッフによると、『コルレオニスは前向きさがありますが、気性面で難しいところはなく、乗りやすいタイプ』と話していました。性格がよく、『距離はそれなりに持ちそう』とのこと。乗り味もいいそうで、スタッフの期待値もかなり高いです」
初陣は8月6日の2歳新馬(札幌・芝1800m)を予定。鞍上はクリストフ・ルメール騎手が務める。
陣営の期待も大きいコルレオニスは、姉ハープスターと同じくキレのある走りを見せるのか。間近に迫ったデビュー戦を注視したい。