ヘルシーな印象の「モスバーガー」は実はダイエット向きじゃない? “神やせダイエット”の石本哲郎が教えるモスの優秀バーガーとは?
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●外食しながらダイエットもアンチエイジングも叶えたい! そんな我儘な願いを叶えるべく、ボディメイクのプロ・石本哲郎さんが「若返りやせ飯」の選び方を伝授。今回のテーマは、てりやきバーガー、ライスバーガーなど日本人好みのバーガーを生み出した日本発祥のハンバーガーチェーン「モスバーガー」です。
「ソイパティ」は若返りやせに有効か?
石本哲郎さん。女性専門のパーソナルトレーナー。ダイエットに悩む一般女性の指導をもっとも得意とし、「健康的かつきれいに女性の体を変える技術」には定評あり。代表作『神やせ7日間ダイエット』などを含め著書累計20万部超え
一般的に、高カロリーになりがちな外食というのは、ダイエットとは相性が悪く、メニュー選びに苦戦するもの。外食難民に陥ってしまうダイエッターも多い中、「モスバーガー」はダイエット的な選択肢がたくさんある、非常に優秀なお店といえます。
パンの代わりにレタスでサンドした菜摘シリーズや、大豆を原料にしたソイパティなど、企業としても様々な工夫をされています。ただ、ダイエットやボディメイクの観点からみると、「ちょっと違うかな」という点があることも……。そこでまず、一見ダイエット向きと思われる商品を若返りやせの観点から見ていきましょう。
見た目も味もまるでお肉! ソイパティを使った「ソイテリヤキバーガー」
まずは「ソイパティ」。お肉を使っていないので、お肉を避けたい方にはいいと思いますが、ダイエットやボディメイクという観点では、残念ながらプラスとは言えません。逆に動物性たんぱく質の方が筋肉的には良い、というエビデンスのほうが多いくらい。
「植物性たんぱく質のほうが健康的で、動物性たんぱく質は不健康」というイメージを持ってる方も多いですが、それは間違い。なぜそんな勘違いが起こるかというと、動物性たんぱく質の場合、テキトーに選ぶと大量の脂質を摂取してしまいがち。A5ランクの霜降り牛とか、カルビとかは脂質量、えげつないですもんね。基本的にお肉に含まれる脂質は、質が良くないことがほとんどなので、「動物性たんぱく質→肉→脂ギッシュ→不健康」と変換されてしまっているのでしょう。
一方、植物性たんぱく質の場合、脂質の含有量が少ないことが多いので、ヘルシーなイメージを持たれやすい。でも、お肉でもヒレ肉やささみなど脂質の少ないものを選べば、どう考えてもそちらのほうが性能は上。植物性たんぱく質のほうがダイエットに向いてるなんてことはあり得ません。
ただ、若返りという点では特に女性の場合、若干のイソフラボンが摂れる可能性があるため、普段から納豆や豆乳、豆腐を摂っていない方であれば、このタイミングで摂るのはありかもしれません。
ちなみに、「ソイシーバーガー」という、大豆をフィッシュバーガー風にした商品もありますが、正直これはおすすめできません。お魚感を出すのに大豆の塊を揚げているため、たんぱく質が減ったうえ、脂質の多いカルビやサーロインなどのお肉に比べると脂質の少ない大豆の良さが消されちゃっています。「ソイシーバーガー」なんて言われるとヘルシーな気がしちゃうけど、これはあくまでもベジタリアン向けの商品と捉えましょう。ダイエットやボディメイクには役立ちません。
結論としては、ソイパティは可もなく不可もなし。味が好きとか、お肉を食べられないという理由でソイパティを選ぶのならいいと思います。でも、体に良さそうだからという理由だけで選ぶのは正直、あまり意味がないですね。
「モスの菜摘(モス野菜)」は食べ合わせ次第で敵にも味方にもなる!?
バンズの代わりにレタスで包んだモスの菜摘(モス野菜)
続いて、パンの代わりにレタスで包んだ「モスの菜摘」シリーズ。ハンバーガーとしては一見物足りなそうに思えるけど、これが結構美味しいんですよね。栄養成分はどうかというと、例として通常のモス野菜バーガーと菜摘のモス野菜バーガーを比較してみましょう。
それぞれの成分表。※ハンバーガーはほとんど食物繊維が摂れないので炭水化物量=糖質に近い
炭水化物量は10.7gで通常の「モス野菜」の1/3以下。圧倒的に糖質が少ないことがわかります。そのため、糖質を控えたい夕方以降に食べるなら結構おすすめ。逆に活動のエネルギーを必要とする日中には、ちょっと糖質が少な過ぎるかもしれません。
「モスの菜摘(モス野菜)」はたんぱく質は9.3gと、バンズ版より約5gも少なくなっています。実は、菜摘シリーズは総じてたんぱく質量が低め。レタスで包めるサイズにポーションを小さくしているのか、バンズの影響かわかりませんが、通常のものよりたんぱく質量が減っています。
筋肉をはじめ、髪、爪、肌などの材料となるたんぱく質は、若返りやせに必須の栄養素。1食あたり最低でも女性は20g、男性なら30gは摂っておきたいところです。そのため夜に食べるとしても、菜摘単品というのはイマイチ。サイドメニューでたんぱく質を補ってあげる必要があります。
たんぱく質を10g以上補えるサイドメニューには「チキンナゲット」と「モスチキン」がありますが、モスチキンは脂質もカロリーも高め。サイドとしてはちょっとヘビーなので、ここはチキンナゲットがおすすめです。
菜摘シリーズと組み合わせたいのは「チキンナゲット」
ただ、ナゲットを食べる際にひとつ注意点が。実は、バーベキューソースが25kcalなのに対し、マスタードソースは102kcalとカロリーが4倍以上! この差はちょっとえぐいので、ソースはバーベキュー1択でお願いします。菜摘のモス野菜+ナゲット(バーベキューソース)を選ぶと、たんぱく質24.2g、脂質25.9g、炭水化物27.6gで439kcal。低糖質で高たんぱく質という、夜食べるのに理想的な栄養配分になります。
逆に、菜摘シリーズと組み合わせちゃいけないのがポテト。「パン食べない代わりに、ポテトで炭水化物摂ってもいいよね」と思ってつけちゃう人が結構いるんですが、これ絶対やっちゃいけないパターンです。脂質と糖質だけが増えてたんぱく質は足りないまま。糖質が少ないという菜摘の良さが消された上に、たんぱく質が足りないという状況に陥ります。
結論としては、モスの菜摘はナゲットと組み合わせて、夕食として食べるにはおすすめ。ポテトとの合わせ技は、菜摘の良さを台無しにしてしまうためNGです。
「モスバーガー」の最優秀若返りやせメニューはこれだ!
先述した通り、「モスバーガー」はダイエット的な選択肢が多いため、自分の好きなバーガーを選んでも大抵大丈夫。定番のモスバーガーも、てりやきバーガーも、ライスバーガーもカロリー的には許容範囲です。
そんな中でも、断トツに優れているのが「てりやきチキンバーガー」。
モスバーガーのNo.1若返りやせバーガーは「てりやきチキンバーガー」
たんぱく質20.1g、脂質が10.3gでカロリーがなんと303kcalしかありません! この1品で、ダイエットやボディメイクに必要な最低限のたんぱく質量は確保できます。そのうえカロリー的にはまだ遊びがあるので、やんちゃしてポテトのMをつけることも可能です。
他のバーガーでたんぱく質が20g超えるものを選ぼうとすると、ダブルモスやダブルモスチーズなどのダブル系くらい。これらは500kcalを超えるため、ポテトはSまでにするなど、サイドメニュー選びには気をつける必要があります。その点、てりやきチキンバーガーは自由度が高く、好きなものを楽しめるというのが大きなメリットです。
それ以外のバーガーだとたんぱく質が20gに満たないため、サイドメニューでたんぱく質を補う必要があります。5.3gのたんぱく質が摂れる「枝豆コーンフライ」もありますが、これはマクドナルドの「枝豆コーン」と違って揚げちゃってるため、脂質が9.1gとたんぱく質量を大きく上回ってしまってます。なので、やはり選ぶなら「チキンナゲット」1択。もちろん、バーベキューソースでね。
「モスバーガー」で避けたいNGメニューは?
他のハンバーガーチェーンと比べ、全体的にカロリーが低い「モスバーガー」ですが、「ダブルとびきり」シリーズには注意しましょう。例えば「ダブルとびきりチーズ」だと722kcal。ダブルなだけにたんぱく質は31.5gとしっかり摂れますが、脂質が43.2g。ダブルとびきりシリーズは、脂質もとびきり高い!(笑) これにポテトやドリンクを足したら、すぐに1000kcal超えちゃいますよ。
もうひとつ気をつけたいのがこちら。
ホットドッグはダイエットやボディメイクには不向き
ハンバーガーは太るけど、ホットドックやサンドイッチはヘルシーだと思ってる人、意外と多いんですよね。ホットドックの栄養成分を見てみると359kcal。でも、たんぱく質が11.6gに対し、脂質がなんと23.4gとダブルスコアをつけちゃってます。加工肉の中でも脂質の多いソーセージを使ってるため、たんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、糖質(Carbohydrate)のPFCバランスがグダグダになっちゃうんですね。これにポテトをセットにしたら更にひどいことに……。ホットドックが大好きで食べに行くならいいけど、「やせる」と思って食べるのは全然違うってことを理解しておきましょう!
結論
単品でたんぱく質が確保でき、脂質もカロリーも低めな「てりやきチキンバーガー」が圧倒的1位。1品でももちろんいいし、好きなサイドメニューを楽しむ余裕もあります。
てりやきチキンバーガーならポテトMをつけてもOK! [食楽web]
バーガーチェーン全般に存在する脂質はほぼ良いものではないので、どれだけ脂質量を減らしつつ、カロリーを減らしつつ、たんぱく質をしっかり確保できるかが重要。つまり「何を食べれば若返るからおすすめ」ということではなく、「どれだけ老けさせないか」、「どれだけ抗えるか」という認識で臨むのが正解です。
ダブルとびきりシリーズやホットドック系を避ければ、「絶対ダメ!」というバーガーはないので、好きなものを選んでOK。ただ、たんぱく質が足りてない場合はナゲットを足すなどの工夫をして、たんぱく質量だけは死守しましょう。
(語り◎石本哲郎、インタビュー・撮影◎酒詰明子)
●プロフィール
石本哲郎
女性専門のパーソナルトレーナー。東京や神奈川にて、女性専門パーソナルジムリメイクや女性専門フィットネスショップリーンメイクを数店舗運営。女性のダイエットに関わる医学、栄養学、トレーニングメソッドについての豊富な知識と、自ら意図的に太ってやせる「減量」実験の成果から編み出した独自のメソッドで、のべ1万人以上の女性の体づくりを指導し、成功へと導く。ダイエットに悩む一般女性の指導をもっとも得意とし、「健康的かつきれいに女性の体を変える技術」には定評がある。代表作『神やせ7日間ダイエット』などを含め著書累計20万部を超える。
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