加藤紀子

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女優の加藤紀子が3日、都内で行われた映画『高野豆腐店の春』の完成報告イベントに、お豆腐親善大使としてゲスト参加した。

大の「豆腐好き」で、手作りする腕前も持つ三原光尋監督が手掛けた本作は、広島・尾道を舞台に、豆腐屋を営む職人気質の父(キャスト:藤竜也)と明るく気立てのいい娘(麻生久美子)の人生を描いたもの。加藤は、本作に出演していないため「今日のイベントですが、主演の藤さんはもちろんのこと、麻生さんが、ここにいらしたほうが、きっと盛り上がるはずと考えまして『本当に私でイイんですか?』と最初に思いました。でもですね、麻生さんと私、1個だけ共通点がありまして、美容室が一緒なんです。まぁ、豆腐だけに豆情報ですね」とくだけて、笑いを起こした。

その後、加藤も三原監督に負けじと「私も豆腐が純粋に大好きなんです」とあいさつ。お豆腐親善大使に選ばれるほどになった経緯として「5年ほど前に『お豆腐マイスター』という資格を取りました。そこから日本各地の美味しいお豆腐を食しているうちに、お豆腐親善大使という役割も頂いて、ただひたすらに、日夜、豆腐の人生を送っていて、美味しい豆腐を求めて旅をすることがあります」と明かした。

「私は、お豆腐って、作られている場所とお水、そして、やっぱり、作る人の味が、もの凄く如実に出ると思っていて、その時の心だったり、誰に食べさせたいという思いだったり、たった1丁が出来上がるまでには、もの凄いドラマと手間暇があったりします。そんな込められた思いを知ると、なぜ、その1丁が350円ほどの価格になってしまうのか、色々と考えたりすると、私の中では、ロマンしかありません」と言い切った。

すると、三原監督が「あーっ!」と声を上げて「加藤さんのことを、もっと早くから知っていればシナリオを手伝ってもらえたはず」としきりに残念がって、監督も笑いを取った。


▼ (左から)三原光尋監督、加藤紀子





一足早く、試写を観たという加藤は「本当に余韻のある映画で、美味しいお豆腐を頂いたときのような広がり、人の温もりを感じられて、涙も流すときもありました。見終わったら『ありがとう、ご馳走様』と言いたくなる、温かく、優しい映画でした」と感想を表し、「豆腐屋さんの映画が出来たなんて、夢のようです」と感激した様子も見せた。

ここでも、三原監督がさらに感動したようで「やっぱり、シナリオを手伝って欲しかった」ともらすと「何なら、何で(役者として)出してくれなかったんですか?出たかったです」と加藤が直訴。「次回作につながったら、ぜひ」という落としどころとなり、笑い合っていた。

豆腐をメインにした映画を撮った、三原監督。「僕は、色んな方とおしゃべりしたときに、いつも『豆腐のような映画を作りたい』と言ってきました。過剰なものじゃなく、本当にシンプルで何も足さない、とてもシンプルな味わいに落としていく作品です。それが、白くて、淡くて、水と大豆とニガリで出来ている豆腐のようだとイメージしていたら、他の人から『じゃあ、豆腐の映画を作ってみたら』と言われて…。そこがスタートでした」と必然的であった流れを明かしていた。

なお、今日のイベントには、藤竜也も出席。三原監督と3回目のタッグを組んだ理由を語っていた。

映画『高野豆腐店の春』は、8月18日から、シネ・リーブル池袋、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほかの劇場で公開となる。


▼ 藤竜也



▼ 『高野豆腐店の春』予告映像



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映画『高野豆腐店の春』…公式WEBサイト