巨人・原監督(編集部撮影)

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プロ野球の巨人とロッテが2023年7月3日、巨人・石川慎吾外野手(30)とロッテ小沼健太投手(25)の交換トレードを発表した。巨人は5月に廣岡大志内野手(26)との交換トレードでオリックスから鈴木康平投手(29)を獲得し、7月1日に前ナショナルズ傘下3Aロチェスターのアルベルト・バルドナード投手(30)を獲得した。

「野手は戦力がだぶついている」

逆転優勝に向けて次々と投手力強化を図る原巨人。7月末までの期間内にトレード第3弾は実現するのか。J-CASTニュースは、巨人で戦略コーチを務めた橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。

ロッテに移籍した石川は、東大阪大柏原高から11年ドラフトで日本ハムから3位指名を受け入団。16年オフに日本ハムと巨人の2対2の交換トレードで巨人に移籍した。7年目の今季は1軍の出場はなく2軍暮らしが続いていた。

巨人の外野は新加入のオコエ瑠偉(25)やプロ3年目・秋広優人(20)の台頭に加え、梶谷隆幸(34)、ルイス・ブリンソン(29)、アダム・ウォーカ(31)らが熾烈なレギュラー争いを繰り広げており、出場機会のない石川は厳しい状況に置かれていた。

一方、巨人に加入した小沼は独立リーグを経て20年育成ドラフト2位でロッテに入団。22年は21試合に登板して1勝1敗1ホールドを記録し、今季はここまで4試合に登板して防御率9.00だった。

橋上氏は「本来ならば投手同様に野手のテコ入れをしたいのでしょうが、野手に関しては戦力がだぶついているので少しずつ減らしていかないと厳しい。前回のトレードに続いて今回も野手と投手という形になった。本来ならば打てる野手もほしいのでしょうが枠的にいっぱいなので厳しいのだと思います」と分析した。

「石川はトレードの筆頭候補だった」

今回トレードが成立した石川に関しては「打撃に関して他球団から評価の高い選手だったのでトレードの筆頭候補だったと思います。巨人が起用するという感じもあまりなかったですし」と解説し、次なるトレードの可能性に言及した。

橋上氏は「期間内ギリギリまでトレードの可能性はあると思います。まだ諦めるような数字ではないので、最低でも3位というのであれば、現状ハードルとしては低いので必死になるでしょう」とし、「トレードがあるとすれば松原(聖弥)選手が候補に挙がると思います」との見解を示した。

松原は高い身体能力を持つ28歳で、21年は135試合に出場して打率.274、12本塁打、37打点を記録した。22年の出場は50試合に留まり打率.113。今季は19試合に出場して10打数無安打だ。

橋上氏は「(松原は)年齢的にも若いですし、使い方次第では主力というほどではないにしろスーパーサブ的なベンチ要員として最適だと思います。他球団から使いたいという声が上がると思います。若くてこれからという選手は2軍に何人かいますが、あまりにも若いので巨人としてもトレードに出せない」との見解を示した。

チームは7月2日時点でリーグ4位につけ、首位阪神との差は5.5ゲーム。4日から敵地バンテリンドームで中日との2連戦、7日から2位DeNAを本拠地東京ドームに迎えて3連戦を予定している。