23日午前の債券市場で、債券先物中心限月9月限は小反落した。前日の欧米市場で長期債相場が下落(金利は上昇)したことが重荷となったが、朝安後は下げ渋った。

 英国のイングランド銀行(中央銀行)やスイス国立銀行(同)、ノルウェー中央銀行が利上げを決定した。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ継続の観測も強まり、欧米市場では長期債に売り圧力が掛かった。

 債券先物の下値は堅かった。日銀はこの日、定例の国債買い入れオペを通告した。「残存期間1年超3年以下」と「同3年超5年以下」、「同5年超10年以下」、「同10年超25年以下」の4本で、オファー額はいずれも前回と同額となった。一部では減額観測もあったが、円債需給の悪化懸念が後退したことは円債市場の支援材料となった。株安が進行し、投資家のリスク許容度が下向いたことも、債券選好の流れを強めた。

 先物9月限は前日比6銭安の148円70銭で午前の取引を終えた。現物債市場で、新発10年債利回り(長期金利)は横ばいの0.370%で推移。一時0.380%に上昇する場面があった。


出所:MINKABU PRESS