大人しく担架に乗る犬に、優しく微笑みかける救助隊員ら。犬は問題無さそうに見えるが、長時間の山登りで疲れ果て、足に切り傷を負っていた(画像は『Keswick Mountain Rescue Team 2023年5月14日付Facebook「Incident 42 Location: Grains Gill」』のスクリーンショット)

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今月13日、イングランド最高峰で「大型犬が歩こうとせず、下山できない」という救助要請が入った。山岳救助隊13名が駆けつけ、体重33キロもある大型犬を担架に乗せると、4時間以上かけて歩いて下山した。担架に乗せられた犬は終始大人しく、救助隊員らも穏やかな雰囲気で救助活動ができたという。英ニュースメディア『Metro』などが伝えている。

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ユネスコ世界遺産に登録され、湖水地方国立公園内に位置するイングランド最高峰「スカーフェル・パイク(標高978メートル)」の山中で、救助要請があった。現地時間13日、愛犬である秋田犬の“ロッキー(Rocky)”と山登りに来ていた飼い主は、登山を終えて下山しようとした際、ロッキーが座り込み、その場から動かなくなってしまった。ロッキーは山登り中にケガをしたうえ、疲れもあったため歩くことを拒んでいたのだ。

大型犬であるロッキーは体重が33キロもあり、飼い主が抱えて下山することは不可能だった。時刻は午後6時半近くになってしまい、困り果てた飼い主はカンブリア警察に連絡して助けを求めた。同警察は当初、スカーフェル・パイクを管轄するワズデル山岳救助隊に救助を要請したが、ロッキーはふもとのラングデールという場所に向かうコースにいたため、より近い場所を管轄するラングデール・アンブルサイド山岳救助隊に救助を依頼することにした。しかしこの日、ラングデール・アンブルサイド山岳救助隊はすでに複数の救助要請に対応していたため、最終的にケズィック山岳救助隊がロッキーを救出するために出動することとなった。

ケズィック山岳救助隊が現場に向かう間、日が沈み始めて気温が下がってきたため、同救助隊は飼い主に少しずつ下山するように促し、コースの途中で合流することができた。ロッキーは暖かいフリース生地のバッグに入れられ、担架に乗せられてしっかりと固定された。救助当時の写真には、救助隊員らが担架を持ち、歩いて下山する様子が写っている。飼い主とロッキーがそれまでどれぐらい歩いたかは明らかにされていないが、岩の多い山道を歩いた結果、ロッキーは足に切り傷を負ったようだ。下山中、ロッキーは担架の上で大人しくしていたそうで、救助隊員らが穏やかな様子で微笑みかける光景も写っていた。

「体重33キロと非常に大きな犬でしたが、比較的軽い負傷者を運ぶことができたのは嬉しかったですよ」と同救助隊はコメントしており、救助には4時間18分かかったが、人間の負傷者の救助と比べると、隊員らの負担は軽かったようだ。

今回のニュースには、人々から「犬は運んでもらえて嬉しそうだね」「素晴らしい救助だ」「犬が無事でよかったよ」と安堵の声や救助隊に称賛の声が届いた。しかし一方で、「飼い主は山登りに犬を連れて行くべきではなかったよ」「険しい道を長距離歩く時には、犬の足を保護する靴を履かせるべき」「なんて無責任な飼い主だ」と飼い主を批判する声も集まった。

スカーフェル・パイクは、しっかりとしつけされた犬であれば一緒に登山をすることを歓迎しているが、岩場を含む長時間の登山となるため、慣れていない場合はより低い山で慣れてから挑戦することを勧めている。

ちなみに2019年10月には米ユタ州で、体重86キロの大型犬がハイキング中に歩くことができなくなり、救助隊の担架で下山していた。

画像は『Keswick Mountain Rescue Team 2023年5月14日付Facebook「Incident 42 Location: Grains Gill」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)