京セラが個人向け汎用スマホから撤退!すでに新規開発終了で供給・販売も2025年3月末まで。TORQUEなどの高耐久性機や法人向けは継続
京セラが個人向けスマホの終息を発表!一部高付加価値モデルや法人向けは継続に |
京セラは15日、オンラインなどにて「2023年3月期 通期 決算説明会」を開催し、個人(コンシューマー)向けスマートフォン(スマホ)事業の終息を発表しています。これにより、同社は個人向けの汎用スマホについては2023年3月期(2023年3月末まで)で新規開発を完了し、2025年3月期(2025年3月末まで)で供給・販売を終了するとのこと。
これにより、2026年3月期までの中期経営計画において同社のソリューション部門のコミュニケーション事業については屈折・反射板や顧客構内設備(CPE)などの5Gのミリ波のさらなる普及に向けたインフラ関連事業へ開発リソースを集中し、法人向け通信ソリューション事業とインフラ関連事業へ転換していくことが明らかにされました。
京セラでは多種多様な分野に少しずつ投資することによって経営を安定化させる「アメーバ経営」を進めており、その中でコア事業は「コアコンポーネント」部門および「電子部品」部門、「ソリューション」部門があり、スマホなどの携帯電話端末事業はソリューション部門のコミュニケーション事業に位置付けられています。
これまでKDDIの親会社でもあったこともあり、長らく携帯電話端末事業を続けてきましたが、今回、次の中期経営計画においてソリューション部門については改革テーマを「事業構造の抜本的転換」として商品・カテゴリーの選択と集中に加えて法人向けソリューション事業への注力することになり、販売台数も低迷している個人向けスマホについては終息することになりました。
ただし、同社では人気のTORQUEシリーズなどの高耐久性モデルについては今後も継続する予定であると説明しており、他の「DIGNO」シリーズや「Android One」シリーズ、移動体通信事業者(MNO)向けに供給していた「かんたんスマホ」や「あんしんスマホ」、「BASIO」などの新規開発は行わないということになります。また法人向け携帯電話端末事業についても継続を予定しているとのこと。
2023年3月期 通期 決算内容
2024年3月期 通期 決算予想
同社ではすでに紹介していたように今年2月には2023年3月期 第3四半期 決算説明会においてスマホなどの携帯電話端末の販売台数が大幅減少しており、赤字幅が増大して利益に大きく影響しているため、投入製品を絞ることを含めて縮小する方針を示していましたが、次の2026年3月期までの中期経営計画を発表するタイミングでより具体的な方針が示されました。
なお、2023年3月期 通期のコミュニケーション事業については売上高が2,077億9,300万円(総売上高の10.3%)と減収となったほか、損益が▲117億2,900万円と大幅赤字となっています。一方、コミュニケーション事業における2024年3月期の通期予想については個人向け汎用スマホの終息によって赤字を減らし、売上高が2,250億円、利益が30億円と増収増益をめざしているとしています。
TORQUEシリーズも2021年に発売された「TORQUE 5G」以来出ていないが果たして……後継機が期待されるところ
記事執筆:memn0ck
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