28日午前の債券市場で、先物中心限月6月限は反落した。前日の米国市場で、長期債相場が下落(金利は上昇)したことが重荷となった。日本経済新聞電子版が取引時間中、「日銀は28日の金融政策決定会合で、過去の金融緩和策を総合的に評価する検討に入った」と報じた。これを受け、緩和縮小の思惑から先物は一時下げ幅を拡大したものの、イールドカーブ・コントロールの修正は今回の金融政策決定会合では見送るとも伝えており、押し目買いで急速に下げ渋った。

 27日に公表された米1~3月期の国内総生産(GDP)の速報値は、実質で前期比年率1.1%増となり、市場予想を下回った。在庫投資が指標のかく乱要因となるなか、個人消費は増加し、米景気の堅調ぶりを示す内容だった。結果としてFRBによる利上げの長期化の可能性が意識され、米長期債には売り圧力(金利には上昇圧力)が掛かった。

 円債市場で債券先物は朝方から軟調に推移していたが、日本経済新聞電子版の報道後は荒い動きとなった。ヘッドラインに反応した売りが一巡した後は、YCCの解除見送りにより、目先の金利上昇シナリオが遠のいたとの見方が優勢となり、買い戻しが入った。

 先物6月限は前営業日比26銭安の147円80銭で午前の取引を終えた。現物債市場で新発10年債利回りは同0.005%高い0.465%で推移している。

出所:MINKABU PRESS