イギリスのファッションデザイナーで、ミニスカートの発明者としても知られるマリー・クヮントさんが亡くなりました。93歳でした。クヮントさんはミニスカートの発明者として知られているだけでなく、同名のファッションブランドである「MARY QUANT(マリークヮント)」でも有名です。

Mary Quant, designer who invented the miniskirt, dead at 93

https://nypost.com/2023/04/13/mary-quant-designer-who-invented-the-miniskirt-dead-at-93/



Mary Quant - Wikipedia

https://en.wikipedia.org/wiki/Mary_Quant

マリー・クヮントさんは1930年2月11日にロンドンのブラックヒースでウェールズ人の両親の元に生まれました。クヮントさんは大学進学前からファッションを勉強することを希望していたそうですが、両親の説得により進学したロンドン大学ゴールドスミス・カレッジではイラストと美術教育を学びます。

卒業後、クヮントさんはロンドンのウエストエンド・メイフェアにあった高級帽子店の「Braagaard」に就職。その後、1955年には独立してロンドンのチェルシー地区ストーン・スクエア周辺で「Bazaar」というお店を開業します。当初、Bazaarでは卸売業者から仕入れた衣料品を販売しており、クヮントさんがこの頃から自身の手で衣服をデザインしていたというわけではないそうです。

クヮントさんはBazaarでユニークかつ大胆なデザインの衣料品を取り扱っており、これが「Harper's Bazaar」などのファッション誌から注目を集めるようになります。これを受け、クヮントさんは自分の手で衣服のデザインも行うようになったそうです。

1960年代には「ミニスカート」が流行しますが、この発明者のひとりとしてクヮントさんの名前が挙げられることがあります。ただし、ミニスカートの発明者については所説あり、クヮントさんを発明者とする説もあれば、別のファッションデザイナーが発明者であると主張する人もいます。それでもクヮントさんがミニスカートを世に広めた功労者のひとりであることに疑いの余地はありません。また、クヮントさんはミニスカート以外にホットパンツも若者の間で流行させたそうです。

クヮントさんはミニスカートを革新的なカラフルタイツやアクセサリーと組み合わせました。以下は1967年8月1日にロンドンで撮影された、クヮントさんとモデルがMARY QUANTのミニスカートを着用した写真。



そんなクヮントさんの家族が、4月13日(木)にサリーの自宅で同氏が「安らかに亡くなった」ことを発表しました。

MARY QUANTも公式Twitterアカウントで追悼文を投稿しています。





イギリスのファッション誌VOGUEの元編集長であるアレクサンドラ・シャルマンは、「安らかに眠れ、デイム・マリー・クヮントさん。ファッションリーダーであり、女性起業家の精神的なリーダーでもあり、素晴らしい髪形以外にも先見の明を持っていた女性」とツイートしています。





イギリスのニュースメディアであるBritish Pathéは「伝説のファッションデザイナー」とツイートし、クヮントさんがデザイナーとして働く様子を撮影した動画を投稿しています。





イギリス・ロンドンにあるヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)の公式Twitterアカウントは、「クヮントさんのファッションへの貢献を誇張することは不可能です。彼女は19690年代のファッションにおける楽しさと自由を体現しており、若い女性にとっての新しいロールモデルとなりました。今日のファッションは彼女の先駆的なビジョンによるものです」とツイート。





New York Postは「クヮントさんの崇拝者は、彼女がファッションに与えた影響をビートルズが音楽に与えた影響と比較する人もいます」「ビートルズのギタリストであるジョージ・ハリスンと結婚していたパティ・ボイドやツイッギーといったモデルがクヮントさんのミニスカートを披露していた」と報じています。



ちなみにAmazon.co.jpで販売されている現代のMARY QUANTのミニスカートはこんな感じ。