電気代値上げが続く中、電力のさらなる規制改革が議論に

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編集部内の会話から、時の話題を紹介する本コーナー。今回は電力システム改革を巡る議論について。

デスク「電気料金の大幅引き上げや、不正行為の頻発で大手電力会社が厳しい状況だね」

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記者「特に新電力の顧客情報の不正閲覧は、新規参入による競争促進の大前提である送配電ネットワークの中立性を揺るがす大問題となっています。電力システム改革では新電力と大手電力の競争条件が公平ではないという声も根強く、3月2日の内閣府の有識者会議が電力会社から送配電部門を完全に切り離す『所有権分離』を提言するなど、さらなる規制改革の動きが強まることも予想されます」

デスク「電力会社は反発しているようだね」

記者「大手電力は『財産権の侵害』、『災害時に支障が出る』と反発しています。所管官庁の経済産業省も所有権分離には慎重です。財産権等を主張するならば、まずはガバナンスをしっかりする必要があります。ウクライナ危機に伴う燃料の調達不安や発電コストの高騰が続く中で、電力の安定供給と自由化をどう両立させるのか。改めてシステム改革とは何だったのかという原点が問われています」