4人家族に適した間取りは、家族構成や子どもの年齢によっても異なります。間取りを決める際には、ライフスタイルに合った選び方が必要です。また、転勤による仮住まいなのか、長く住むつもりなのか、住宅の購入を検討しているのかなどの諸条件によっても、間取り選びに影響するでしょう。今回は、4人家族の間取りの選び方について解説します。

4人家族に適した広さとは

人が生活するためにはどの程度の広さが必要なのでしょうか。住居を決める際には、家族の人数や家族構成に適した広さと間取りを知った上うえで選ぶことが重要です。ここでは住生活基本計画のガイドラインを参考に、4人家族の住まいの広さについて考えてみましょう。

4人家族なら50平方メートル以上
国土交通省では、国民の住生活の安定と向上を目的として「住生活基本計画」を策定し公表しています。5年ごとに社会環境の変化に適応した計画の見直しを行い、子育て世代や高齢者も安心して居住できる環境整備の実現を目指しています。

計画によると、単身者が必要な最低居住面積の水準は25平方メートル、2人以上の世帯では「10平方メートル×世帯人数+10平方メートル」です。この計算式に当てはめると、4人家族が健康で文化的な生活水準を維持するには、最低でも50平方メートルの居住面積が必要です。

また、昨今の多彩なライフスタイルの変化に対応した豊かな住生活の実現のためには、都心で95平方メートル、郊外や都市部以外では125平方メートルが必要とされています。ただし、計算式における世帯人数は、3歳未満は 0.25 人、3歳以上6歳未満は 0.5 人、6歳以上 10 歳未満は 0.75 人として算定しています。

出典:住生活基本計画(全国計画)|国土交通省

4人家族に適した間取りは1LDK~4LDKが目安
上記で紹介した「住生活基本計画」によると、4人家族に適した広さから物件を選ぶ場合間取りを考えると、50平方メートル台なら1LDK~3LDK、95平方メートル以上であれば2LDK~4LDKが一般的です。郊外や都市部以外で125平方メートル以上の物件を選ぶ場合、3LDK~4LDKが標準的な間取りとなります。

4人家族に適した間取りを決める際のポイント

3DKなどの古いタイプの間取りの住宅がある一方、同じような面積で1LDKや広いワンルームの部屋なども見かけます。ここでは、どのような視点で間取りを選ぶのか、ポイントを解説します。

子ども部屋
夫婦と子ども2人の4人家族の場合、子どもの年齢により子ども部屋が必要かどうか判断します。添い寝が必要な乳幼児なら、当面は独立した子ども部屋は不要でしょう。また、子ども部屋があっても、夫婦と一緒の寝室で寝起きする場合もあります。

子どもが小さいうちは1LDKでも可能ですが、子どもが成長するにつれて手狭に感じられるかもしれません。学童期ともなれば学習机や学用品などの持ち物が増えることから、独立した子ども部屋を用意する家庭が増えます。子ども1人に1部屋ずつ用意したい場合は3LDK以上が適しているでしょう。

仕事用の部屋
テレワークを導入する企業が増え、自宅に仕事用のスペースが必要なケースもあります。リビングの一角でも構いませんが、Web会議などで周囲に家族がいると気になってしまうでしょう。

個室や半個室を確保したほうが仕事に集中しやすいため、夫婦と幼い子ども2人の4人家族なら2LDK以上の間取りが理想的です。テレワークの頻度や時間にもよりますが、オンとオフを切り替えたいなら、家族が過ごすリビングと寝室のほかに仕事用の個室を設けるのがおすすめです。子ども部屋が必要ないうちは、2LDKの間取りであればリビングと寝室のほかにテレワーク用の個室を用意できます。

居住エリア
一般的な賃貸では、面積や部屋数が増えるほど家賃が高くなる傾向があります。たとえば、東京都品川区の家賃相場は2023年1月時点で1LDK15万円、2LDK20.9万円、3LDK25.5万円です。一方で、地方や都市部以外のエリアなら、より安い家賃で広い物件が借りられます。

たとえば、都内でも八王子市の家賃相場は2023年1月時点で1LDK7.0万円、2LDK8.0万円、3LDK9.5万円となっています。家賃の負担を考えると、居住するエリアによっても選ぶ間取りが変わってくるでしょう。

出典:東京都の家賃相場情報 | SUUMO

4人家族に適した間取り・部屋割りは?

4人家族に適した間取りは家族構成によって異なります。特に、子どもの年齢や性別、年齢差は部屋割りに大きく影響するでしょう。ここでは、夫婦と2人の子どもの年齢ごとに理想的な間取りや部屋割りの考え方について解説します。

夫婦+0~3歳の子ども
夫婦と0~3歳くらいの子ども2人の場合は、1LDKで暮らすことも可能です。まだまだ目が離せない年頃の子どもとは日中は目の届くリビングで一緒に過ごし、もう1部屋を4人の寝室として使うケースがほとんどです。

1LDKでもマンションやアパート、数は少ないですが平屋や二階建ての戸建てなど、さまざまなタイプから選べます。1LDKなら都心や駅チカ近でも手ごろな家賃で借りられる可能性があります。多少手狭でもその時期だけの賃貸と割り切り、次の住み替えのために計画的に貯蓄しましょう。

夫婦+幼児・小学生
子どもが幼児または小学生くらいになったら、2LDK以上に引っ越すことも検討したほうがよいでしょう。2LDK以上あれば、さまざまな部屋の使い方ができます。たとえば、LDKのほかの居室の一つを家族の寝室に、もう一つの部屋を2人の子どもの部屋として使うことができます。

子ども部屋が不要なうちは、一つの部屋を家族の寝室に、もう1部屋を仕事部屋として利用することも可能です。また、子どもそれぞれに一つずつ部屋が必要になれば、LDKの一角を仕切るなどして夫婦の寝室を設ける方法もあります。

夫婦+中学生以上の子ども
子どもが中学生以上の場合は、2LDK~3LDKの間取りがおすすめです。特に3LDKあれば、1部屋は夫婦の寝室に、2つの居室はそれぞれ子ども部屋として利用できます。3LDKなら家の広さも70平方メートル以上が多くなり、ゆとりのある暮らしが実現できます。

また、都心部以外の郊外に住むなら、4LDKの戸建ても視野に入れて検討しましょう。4LDKなら、夫婦の寝室と子ども部屋以外に、仕事部屋や客間、収納用の部屋などとして活用できます。さらにゆとりある暮らしができ、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応可能です。

まとめ

4人家族が住むなら、最低でも1LDK以上の間取りが必要です。家族構成や子どもの年齢、ライフスタイルによっても最適な間取りが変わってきます。子どもが小さいうちは1LDKでも暮らせますが、子どもが成長すれば2LDK以上の間取りが必要です。

住宅の中には2LDKを間仕切りで3LDKにできる可変型の物件もあるため、間取りの選択肢を広げて探してみるとよいでしょう。また、子どもの成長に応じて住み替えや住宅購入、リノベーションなども検討してみてください。