広島市教育委員会は小学校で使う平和教材にこれまで採用していた「はだしのゲン」を削除することを決めました。県民は、様々な反応を見せています。

岡森吉宏記者「子どものころこれで原爆の恐ろしさを学んだという方も多い『はだしのゲン』実は市の平和教材から削除されることが決まりました」

被爆直後の広島でたくましく生きる少年の姿を描いたマンガ「はだしのゲン」。原爆の残酷さや家族の大切さを伝えるため広島市教委が小学3年生向けの平和教材に2013年度から採用していました。

しかし、栄養不足の母親に食べさせようとコイを盗む場面などについて大学教授らが参加する検討会議で「誤解を与える恐れがある」「ストーリーの背景を説明する時間が追加で必要」などと指摘があり、マンガの一部切り取りでは被爆の実相に迫りにくいとして、来年度からは原爆で一瞬にして家族を失った被爆者の体験に差し替えることになりました。

広島市教育委員会指導第一課 高田尚志課長「広島市が行っている平和教育45分の授業の中で、子どもたちに何を身につけさせるかということでふさわしい教材という視点で差し替えを考えた。『はだしのゲン』自体を否定することではありません」

花房吾早子記者「子どもたちの平和教材からなくなるという『はだしのゲン』 街の人たちはどう受け止めたのでしょうか」

27歳「読んだことで実際戦争って本当に怖かったんだなと小学校のときに思った。なくなるのはどうなのかな」

76歳祖母と26歳孫「寂しいような気がする」「でも見ていて『はだしのゲン』は怖かったイメージがある。戦争は学ばなければいけないけど、あれは見たくないという気持ちがあった

74歳被爆2世「ここは原爆が落ちたから、そういうものは残した方が子どものためにも将来のためにもいい」

2012年に亡くなった作者・中沢啓治さんの妻は。

中沢ミサヨさん「(広島市教育委員会から)連絡はないです。原爆の残酷さ悲惨さを伝えるには『はだしのゲン』を見てもらいたいですね」