住宅ローンは基本的に数千万円という高額な資金を借り入れ、何十年も返済が続くことから、申込時や契約時に不安に思う人は多くいます。審査を通過できるのかどうか、通っても返済し続けられるのか、無事契約しても不安は尽きないでしょう。

この記事では、住宅ローンに不安を感じている人に向けて、どのような点が不安材料なのか、またその解消方法などを紹介します。

住宅ローンを組むときに不安感じることとは

※参考:株式会社ワイエス工務店「住宅ローンでみんなが思う不安なこととは?」

株式会社ワイエス工務店が、住宅ローンを組んだ経験がある人に対して「どのようなことに不安を感じたのか」アンケートをとったところ、一番多い回答が「どの銀行を選んだら良いかよく分からない」でした。次いで多いのが「自己資金が少ない」です。

そのほか、「毎月きちんと返済できるのか」「勤続年数が短い、返済の遅れや滞納の経験があっても審査に通るのか」といった悩みを持っている方がいるようです。

なぜ住宅ローン破綻が起きるのか

日銀の金融緩和政策の修正により、今後毎月きちんと返済できるかどうかを不安に思う人は、現状よりも増えていくことが予想されます。そこで、なぜ住宅ローン破綻が起きてしまうのか、よくある例を紹介します。

借入金額が多すぎる
金融機関が貸し付ける金額と、無理なく返済できる金額は異なります。審査に通過したからといって、問題なく返済し続けられるとは限りません。借入金額によっては、そのほかの支出を切り詰めて生活しないと貯蓄ができない、生活費が足りないといったことが起こり得ます。

住宅ローンを組む前に、必ず自分の収入や支出から返済として使用できる金額がいくらか試算してみてください。それを大幅に超えるような金額では、借り過ぎになる可能性が高いでしょう。

収入が減少する
契約時の収入では問題ない借入額だったとしても、返済中に収入が減少するケースもあります。住宅ローンは基本的に長期間に渡って返済するものであり、返済中に病気や怪我などにより世帯年収が大幅に減る可能性はゼロではありません。収入の減少が原因で住宅ローン返済が難しくなり、住宅ローン破綻に陥る人もいます。

ただし、団体信用生命保険に加入できていれば、契約者が死亡もしくは高度の障害を負った際、住宅ローンの返済は免除されます。

そのほか、会社にリストラされる、経営していた会社の運営がうまくいかなくなる、離婚してしまう、といったことでも世帯年収が減るかもしれません。先のことは予測できないため、思わぬ理由で住宅ローンが払えなくなる可能性があります。

計画よりも支出が増える
収入の減少はないものの、予定よりも支出が増えることにより住宅ローンの支払いが難しくなるケースもあります。

たとえば、子どもが私立の学校に進学したり、親を引き取ることになったり、といった場合です。当初の資金計画では問題なくても、出費がどんどんかさんでしまうと、最終的に住宅ローンの支払いが難しくなるかもしれません。

金利が上昇した
変動金利を選択した場合に限られますが、金利が上昇すると、支払う金利分が増えてしまいます。2022年現在まで、日本では長く低金利の状態が続いており、変動金利を選んでも問題はありませんでした。しかし、2022年12月に日銀が政策金利政策を修正したことにより今後どうなるのかは予測できません。

3,000万円を35年間、元利均等で借り入れした場合、金利が1%であれば毎月の返済額は8万4,685円ですが、2%になると9万9,378円に上がります。その差は約1万5,000円で、毎月の支出となると大きな負担になるでしょう。金利の変動は個人でコントロールすることはできず、とつぜん負担が増える可能性があります。

>頭金なしでも申込可能!「ARUHI住宅ローンの詳細をみる」

住宅ローンをきちんと返済するためにすること

住宅ローンに対して不安を感じる人に向けて、ここからはきちんと住宅ローンを返済し続けるためにどうすればよいのか解説します。

自分の家計を把握する
まずは、毎月いくらくらい支出があり、どの程度貯蓄ができているのか、自分たちの家計状況を把握しましょう。

同じような年収帯の世帯であっても、家庭よって支出額は異なります。「会社の同僚が○千万円の住宅ローンを契約したから、自分たちも大丈夫だろう」というような、安易な判断は危険です。毎月家計簿をつけるなどして、自分たち世帯の家計がどうなっているのか把握しましょう。

無理のない範囲で借り入れする
家計を把握し、毎月住宅費として支払える金額が判明したら、その範囲内で住宅ローンを借り入れます。ただし、少しでも収入が減ったら破綻するようなギリギリの金額は避けたほうがよいでしょう。

また、ボーナス払いにも注意が必要です。ボーナスは所属企業の景気が悪化したときに減額、もしくはゼロになることもあります。そういったときでも問題なく返済できるように、ボーナスに頼りすぎない返済計画を立てるようにしてください。

もし住宅ローンを支払えなくなったら

住宅ローンを返済し続けられるのかどうか不安に思う人は多いでしょうが、たとえ住宅ローンを支払えなくなったとしても、生きていけなくなるわけではありません。

住宅ローンを滞納すると、契約している金融機関から催促状や督促状などが届きます。それでも支払いを拒み続けると、保証会社が借主に代わって返済を行う代位弁済が行われます。代位弁済後は保証会社に残高を一括で支払わなければなりません。そこでも支払いが難しいと、担保にしている自宅が競売にかけられ、残高が精算されます。

まとめ

住宅ローンは、借入金額が大きく返済も長期に渡ります。そのため、審査に通過できるのか、あるいは返済し続けられるのか、不安に思って当然です。もし返済ができなくなってしまったら、自宅は手放さなければなりません。住宅ローン破綻に陥らないようにするためには、無理なく返済できる金額に抑えるようにしましょう。