「後頭神経痛」の症状・原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?医師が監修!
悪天候のときやパソコン・スマホを使用したあとに頭周辺でズキンズキンとした痛みを感じることはありませんか。
一見頭痛のように感じますがそのズキンズキンとした痛みは後頭神経痛といい、実は頭の痛みではなく神経の痛みからくるものです。
特に同じ姿勢を長時間保ち続けている場合は頭痛が現れやすいでしょう。
この記事では後頭神経痛の症状・原因・治療法について解説しています。頭の後ろ・耳の後ろあたりに異変を感じた場合は参考にしてみてください。
後頭神経痛とはどんな病気?
後頭神経痛はどんな症状がみられる病気ですか?
後頭神経痛は頭の神経にズキンズキンという独特な痛みが現れる病気です。片頭痛のように頭に痛みを与えるのではなく、頭の神経に痛みが発生します。よく感じる頭痛とは違った痛みであったり、特に頭の後頭部に痛みを感じたりする場合はないでしょうか。後頭神経痛は、片方の首から頭にかけて・耳の後ろあたりが痛むことが多いです。
片頭痛等の頭痛とは違った痛みを感じます。髪を触ったとき・髪を梳かしたときにも痛みを与える場合があり、痛みがないときでも異変を感じることがあるでしょう。
後頭神経痛を発症する原因を教えて下さい。
姿勢の悪さにより筋肉が固まってしまうことが原因で発症します。特にスマホ・パソコンの使用によって肩・首が凝り固まることで発症しやすいです。スマホを下向きでずっと見ていたり、姿勢の悪い状態でパソコン作業をしていたりする場合は筋肉が凝り固まってしまい神経に痛みを与えます。
また常に猫背であったり前傾姿勢を保ち続けていたりするのも原因の1つです。ほかにも天候・ストレスの影響によって後頭神経痛が起こることもあるでしょう。
寒さによって筋肉が固まってしまい、首・肩のコリが生じて後頭神経痛を発症する場合もあります。
後頭神経痛は何歳くらいの人がなりやすいのでしょうか?
後頭神経痛は長時間スマホ・パソコンを姿勢の悪い状態で使用することによって発症しやすくなります。姿勢が悪い状態でのスマホ・パソコンの使用が続くと肩・首が凝り固まるため、デスクワーク・スマホの使用頻度が多い20歳以上の人がなりやすいといえるでしょう。
高齢者もスマホ・パソコンを使用する機会が増え、誰でもなりやすい病気です。自分は大丈夫だと思わずに、姿勢に気を付けながらスマホ・パソコンを使いましょう。
後頭神経痛のリスクや診断・検査
後頭神経痛は深刻な病気ですか?
後頭神経痛は神経痛の1種で深刻な病気ではありません。だいたい1週間程度で自然に治ることが多いです。あまり心配すると逆にストレスになってしまい、痛みを誘発する可能性もあるため、過度な心配は必要ありません。しかし後頭神経痛だと思っていても違う病気だったという可能性も考えられます。そのため、深刻な病気ではありませんが少しでも異変を感じたら病院へ行くことが望ましいです。
後頭神経痛を放置するリスクを教えて下さい。
病院に行かず自らの判断で後頭神経痛だと思い込み放置してしまうと、ほかの病気が隠れているにも関わらず、受診しないことで発見が遅れる場合もあります。万が一ほかの病気が隠れていた場合は早期発見ができるように、すぐに受診することが重要です。いくら自然に回復できるといっても、痛みが長引くと体と心に負担がかかってしまいます。
痛みでストレスがかからないようにするためにも早めの受診を心がけましょう。また後頭神経痛だと思っていてもヘルペスウイルス感染症の可能性もあります。
ヘルペスウイルス感染症は皮膚に水ぶくれができ、放置していると目に影響を与える場合もあるため注意が必要です。自己判断で症状を放置するのではなく、医師に直接診断してもらい、治療するようにしましょう。
後頭神経痛は脳梗塞など深刻な病気の痛みと違いはありますか?
感じる痛さはどちらもしびれを伴うような特徴がありますが、痛みを感じる場面が異なります。後頭神経痛は肩・首のコリなどの筋肉が固まったことで痛み・しびれを感じることが特徴です。
一方脳梗塞は、視床痛といった主に起き上がったときに加えて歩き始めたときに痛み・しびれを感じます。体のコリ・天候の影響による痛みではないと感じた場合は脳梗塞の可能性もあるため、早めに受診しましょう。
後頭神経痛を疑う場合何科に受診したら良いのでしょうか?
あまりにも痛みがひどく続く場合は、頭痛専門外来・または脳外科を受診するようにしましょう。後頭神経痛の症状はあまり長引かない場合が多いですが、なかなか痛みが治まらないというケースもあります。
後頭神経痛だと思い込んでいても実は別の病気が隠れていることもあるため、念のためにかかりつけの病院・頭痛の専門外来・脳外科を受診しましょう。
後頭神経痛は何か検査などはありますか?
後頭神経痛のほかに別の病気・脳の異常がないかどうかの確認のため、検査を行ってから治療に入ります。後頭神経痛による頭痛だと思っていても脳梗塞・脳卒中・腫瘍などの可能性が全くないとはいえません。
そのため画像検査や血液検査を行って、ほかに病気・異常がみられないかどうかを確認します。隠れた病気を早く見つけるためにも重要です。
後頭神経痛の治療方法・予防や注意点
後頭神経痛の治し方(治療方法)を教えて下さい。
後頭神経痛は比較的短い期間で自然に治ることが多いですが、治療を施す場合はビタミン剤・鎮痛剤を投与して治療します。神経痛と同じ治療です。万が一ビタミン剤・鎮痛剤を投与しても痛みが治まらない場合は、プレガバリン・ガバペンチン等の抗てんかん薬を投与します。
また薬の投与以外の治療法はブロック治療です。麻酔薬・鎮痛薬を部分的に注射し治療します。
後頭神経痛の治療にはどのくらいかかりますか?
後頭神経痛は1週間程度で痛みが治まる病気といわれており自然に治る病気です。病院で治療を施すとさらに短い期間で治療できるでしょう。薬による治療であれば、痛みを感じる間は薬を飲み続ける必要があります。
しかしまれに薬がなかなか効かない場合もあるため、そのようなときは治療が1週間以上かかる可能性もあることを覚えておいてください。
症状の度合いによっては治療に数カ月かかる場合もあります。
後頭神経痛を予防する方法などあれば知りたいです。
後頭神経痛は肩コリ・首コリからくる場合が多いです。たとえばパソコン・スマホを使用する機会が多い人は、定期的に肩を回したり首を回したりするなどのコリ対策をするようにしましょう。また天候に左右されて後頭神経痛が起こる場合もあります。猫背・前傾姿勢によっても筋肉が固まりやすくなってしまうため姿勢に気を付けて生活しましょう。
してはいけないことなど注意点も教えて下さい。
長い時間同じ体勢を保ち続けないようにしましょう。特に長時間のスマホ・パソコン作業も痛みが発生する可能性があるため、適切な姿勢を保ち休憩をはさみながら行う必要があります。
首・肩周りを回したり、マッサージしたりするなどしてコリを溜めないようにすることがポイントです。
またマッサージをしてコリをほぐそうとする場合は、無理にマッサージしないようにしましょう。温かいタオルである程度筋肉をほぐしてからのマッサージが重要です。
またマッサージをする際の指圧にも注意しましょう。あまり強く押しすぎると逆に負担がかかってしまいます。気持ち良いと思える程度のちょうど良い力加減でマッサージするようにしましょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
頭痛は誰にでも起こる症状で頻繁に痛みを感じる人もいれば、年に数回しか痛みを感じないという人もいます。後頭神経痛は深刻な病気ではありませんが、人によって痛さが違うため痛くて辛い思いをする人も中にはいるでしょう。
早めに痛みを抑えられるように、異変を感じたら医師に相談することがポイントです。
また自らの判断で後頭神経痛だと思い込んでいても、別の病気・異常が隠れている場合もあります。早期発見できるように早めの行動が重要です。
編集部まとめ
スマホ・パソコンを使用する機会が増え、誰しもがなりやすい病気が後頭神経痛です。長時間スマホ・パソコンを使用する際は一定時間の休憩を設けて、体を動かしてコリをほぐしましょう。
またコリからくる以外にもストレス・天候も影響します。痛みを感じたら我慢せずに、早めに医師に相談しましょう。
参考文献
III世帯員の健康状況(厚生労働省)