【福岡の魅力再発見】日本最小国宝「金印」&日本に3頭の「ラッコ」
出張・旅行先として人気の福岡だが、「食べものは最高だけど、見るところがない」と地元の人は言う。でも、日本に3頭だけのラッコ、教科書に載る金印の島があるじゃない!
写真提供:福岡市文化芸術振興財団
○グルメは最高だけど見るとこなし?
九州最大の都市・福岡市。大ターミナルの博多駅、天神・中州という繁華街があり、多くの人でにぎわう。もつ鍋、水炊き、ラーメン、ごまさばと美食・美食も多い。ビジネスや観光で訪れる人は少なくないだろう。
だが、地元の人に聞くと、「食べものは最高。でも、見るところがあまりなくってね。キャナルシティ博多(ショッピングセンター)と太宰府天満宮と(福岡市の隣の太宰府市)を見たら終わり」と笑う。
いや、そんなことはない。ラッコがいるし、教科書にも載っている金印の島だってある。何度も福岡に訪れ、観光やお土産のネタ切れになった人、地元の人、福岡のポテンシャルをどうか見直して。特に、博多湾に浮かぶ志賀島〜海の中道あたり!
○金印は現存するし、ふるさと納税返礼品にも
覚えているだろうか、日本史の教科書に載っている「金印」。江戸時代の天明4年(1784)、ここ福岡の志賀島(しかのしま)で農夫が発掘したと伝わっている。
印面には、「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」を刻まれており、「後漢書 東夷伝(ごかんじょ とういでん)」に記述のある、中国後漢の光武帝が紀元57年に倭の奴国王(わのなこくおう、日本の支配者)に授けたものと考えられている。
金印は一辺2.3センチ、重さ108グラムと、日本で一番小さい国宝。現物は福岡市博物館にあり、発見されたと伝わる場所に金印公園がある。
金印公園内の金印の石像
ちなみに、福岡市ではふるさと納税の返礼品として金印のレプリカを用意している(寄付金額1万5,000円以上)。
写真提供:福岡市文化芸術振興財団
また同商品は福岡市博物館のショップと福岡市文化芸術振興財団のオンラインショップでも販売。金印レプリカを手にしたら、「君を諸侯の1人として認める」と言いながら誰かに渡す光武帝ごっこをすると楽しいかも!
志賀島は「島」といっても、九州本土からは砂州(さす、砂や小石が堆積してできた細長い地形)でつながった「陸繋島(りくけいとう)」。路線バス、市営渡船、タクシー(配車少なめなので要注意)などの方法がある。
バスでは左が博多湾、右が玄界灘(帰りは逆)という絶景が楽しめた
それから、福岡市は新しい旅のスタイルとして「サイクルツーリズム」を推進中。自転車なら、1周約10キロ・約1時間で島を1周できる。自分の自転車を公共交通機関や自家用車で運んできて現地を走る「輪行」のニーズも上昇中とか。
○ここ福岡と三重でしか会えないラッコ
水族館のアイドル、ラッコ。国内では1994年が最多の122頭となり、以来減少の一途だ。今は国内に3頭しかいない。詳細は以下。
マリンワールド海の中道(福岡)リロ 15歳 オス
鳥羽水族館(三重)メイ 18歳 メスキラ 14歳 メス
繁殖適齢期は13〜15歳といわれ、リロとキラは該当するが兄妹なのでダメ。国外からの輸入も望めないため、これ以上増える可能性はほぼない。推定25歳のポテト(メス、鳥羽水族館)が日本最高齢記録なので、今のうちに見ておかなければ。
リロのことをしっかり予習してからどうぞ!
全国からリロを見ようとお客がやってくる 写真提供:マリンワールド海の中道
リロは、2007年3月30日、アドベンチャーワールド(和歌山)生まれ。2012年3月8日、マリンワールド生まれのメス・マナのパートナーとして来館した。
マナは国内でも前例のない人工保育で育ち、何度も生命の危機を乗り越えた、市民やラッコファンにとって特別な存在だった。リロ&マナカップルは待望の妊娠を果たすが、マナの体調が急変し母子ともに死亡。リロは1頭になってしまったが、多くの人がリロに会いにくる。
見どころは「ラッコ食事タイム」(12時半〜など、要確認)。かわいい食事の様子や回転、三角コーン運びなどを見せてくれる。アクリル面から距離があり撮影が難しいため、シャッターチャンスのプレゼントもある
希少なラッコの毛皮の標本展示も必見
館内のショップにはラッコグッズがたくさん
木村悦子 きむらえつこ 出版社勤務後、編プロ「ミトシロ書房」創業。紙・Webの企画・編集・執筆を行う。著書に『入りにくいけど素敵な店』『似ている動物「見分け方」事典』など。関心領域は、食文化・動物学・占いなど。 この著者の記事一覧はこちら
写真提供:福岡市文化芸術振興財団
○グルメは最高だけど見るとこなし?
九州最大の都市・福岡市。大ターミナルの博多駅、天神・中州という繁華街があり、多くの人でにぎわう。もつ鍋、水炊き、ラーメン、ごまさばと美食・美食も多い。ビジネスや観光で訪れる人は少なくないだろう。
いや、そんなことはない。ラッコがいるし、教科書にも載っている金印の島だってある。何度も福岡に訪れ、観光やお土産のネタ切れになった人、地元の人、福岡のポテンシャルをどうか見直して。特に、博多湾に浮かぶ志賀島〜海の中道あたり!
○金印は現存するし、ふるさと納税返礼品にも
覚えているだろうか、日本史の教科書に載っている「金印」。江戸時代の天明4年(1784)、ここ福岡の志賀島(しかのしま)で農夫が発掘したと伝わっている。
印面には、「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」を刻まれており、「後漢書 東夷伝(ごかんじょ とういでん)」に記述のある、中国後漢の光武帝が紀元57年に倭の奴国王(わのなこくおう、日本の支配者)に授けたものと考えられている。
金印は一辺2.3センチ、重さ108グラムと、日本で一番小さい国宝。現物は福岡市博物館にあり、発見されたと伝わる場所に金印公園がある。
金印公園内の金印の石像
ちなみに、福岡市ではふるさと納税の返礼品として金印のレプリカを用意している(寄付金額1万5,000円以上)。
写真提供:福岡市文化芸術振興財団
また同商品は福岡市博物館のショップと福岡市文化芸術振興財団のオンラインショップでも販売。金印レプリカを手にしたら、「君を諸侯の1人として認める」と言いながら誰かに渡す光武帝ごっこをすると楽しいかも!
志賀島は「島」といっても、九州本土からは砂州(さす、砂や小石が堆積してできた細長い地形)でつながった「陸繋島(りくけいとう)」。路線バス、市営渡船、タクシー(配車少なめなので要注意)などの方法がある。
バスでは左が博多湾、右が玄界灘(帰りは逆)という絶景が楽しめた
それから、福岡市は新しい旅のスタイルとして「サイクルツーリズム」を推進中。自転車なら、1周約10キロ・約1時間で島を1周できる。自分の自転車を公共交通機関や自家用車で運んできて現地を走る「輪行」のニーズも上昇中とか。
○ここ福岡と三重でしか会えないラッコ
水族館のアイドル、ラッコ。国内では1994年が最多の122頭となり、以来減少の一途だ。今は国内に3頭しかいない。詳細は以下。
マリンワールド海の中道(福岡)リロ 15歳 オス
鳥羽水族館(三重)メイ 18歳 メスキラ 14歳 メス
繁殖適齢期は13〜15歳といわれ、リロとキラは該当するが兄妹なのでダメ。国外からの輸入も望めないため、これ以上増える可能性はほぼない。推定25歳のポテト(メス、鳥羽水族館)が日本最高齢記録なので、今のうちに見ておかなければ。
リロのことをしっかり予習してからどうぞ!
全国からリロを見ようとお客がやってくる 写真提供:マリンワールド海の中道
リロは、2007年3月30日、アドベンチャーワールド(和歌山)生まれ。2012年3月8日、マリンワールド生まれのメス・マナのパートナーとして来館した。
マナは国内でも前例のない人工保育で育ち、何度も生命の危機を乗り越えた、市民やラッコファンにとって特別な存在だった。リロ&マナカップルは待望の妊娠を果たすが、マナの体調が急変し母子ともに死亡。リロは1頭になってしまったが、多くの人がリロに会いにくる。
見どころは「ラッコ食事タイム」(12時半〜など、要確認)。かわいい食事の様子や回転、三角コーン運びなどを見せてくれる。アクリル面から距離があり撮影が難しいため、シャッターチャンスのプレゼントもある
希少なラッコの毛皮の標本展示も必見
館内のショップにはラッコグッズがたくさん
木村悦子 きむらえつこ 出版社勤務後、編プロ「ミトシロ書房」創業。紙・Webの企画・編集・執筆を行う。著書に『入りにくいけど素敵な店』『似ている動物「見分け方」事典』など。関心領域は、食文化・動物学・占いなど。 この著者の記事一覧はこちら