Windows Insider ProgramのDevチャネルで提供されたWindows 11 ビルド25247と、ベータチャネルのビルド22623.885で、省電力に関する提案(Energy recommendations)機能が加わった。厳密には省電力ではなく、二酸化炭素排出量の削減を目的とした機能である。

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こちらが「Energy recommendations」。電力効率を高い設定にすることで、二酸化炭素排出量の削減を目指すようだ

PCの構成によって推奨項目は異なるようだ。上図はSurface Pro 7で撮影したものだが、Hyper-Vの仮想マシンでは、「3分後に画面をオフにする」「スクリーンセーバーをオフにする」の2項目のみ。二酸化炭素排出量や地球温暖化は、さまざまな意見があるので言及しないものの、各所に散らばる設定項目を一カ所から確認・設定できるのは便利だ。

有効化した「ダークモードを有効にする」をクリック/タップすると、関連する項目が選択された状態で「設定」のページが開く

Microsoftは二酸化炭素排出量の削減に積極的である。サポートページによれば、Windows 11 22H2は画面オフとスリープモードへの移行タイミングを短縮し、別のサポートページを見ると、PCを使用している地域の炭素強度データを参照して、Windows Updateを実行すると説明している。

Windows 11 22H2のWindows Update。「二酸化炭素排出量の削減に取り組んでいます」との文字が出る

一般報道によれば、政府は電力不足時にクーラーや給湯器を遠隔で節電設定を行う議論を重ねているという。クーラーや給湯器と並んでPCが出てくる姿は少々滑稽だが、いまの日本は電気料金も高騰しているので、Energy recommendationsで省電力化設定を行うのは有用だ。Devチャネルとベータチャネルへ同じタイミングで展開したことを踏まえると、問題がなければ数カ月以内にはWindows 11 22H2でも使用できるだろう。

著者 : 阿久津良和 あくつよしかず 1972年生まれのITライター。PC総合誌やDOS/V専門誌、Windows専門誌など、各PC雑誌の編集部員を経たのちに独立。WindowsとLinuxをこよなく愛しつつ、PC関連の著書を多数手がける。近年はBtoCにとどまらず、BtoBソリューションの取材やインタビューが主戦場。休肝日を設けず日々飲み続けてきたが、γ-GTP値が急激に増加し、早急な対応を求められている。 この著者の記事一覧はこちら