取材に応じる三浦和良(2020年)

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 11月1日、サッカーワールドカップ(以下、W杯)カタール大会に出場する日本代表メンバー26人が発表された。

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 主に海外でプレーする選手、いわゆる“海外組”を中心に選出された“森保ジャパン”は、11月23日にグループリーグ初戦となるドイツ戦、27日にコスタリカ戦、そして12月1日にスペイン戦と強豪がひしめく“死のグループ”に挑む、のだが……。

「う〜ん、イマイチ盛り上がりに欠ける選手発表でした」と苦笑いするのはスポーツ紙・サッカー担当記者。

 サムライ・ブルーの代表ユニフォームを着るのは吉田麻也(シャルケ)や川島永嗣(ストラスブール)、長友佑都(FC東京)や酒井宏樹(浦和)ら経験豊富なベテラン組。加えて鎌田大地(フランクフルト)遠藤航(シュツットガルト)に、伊東純也(スタッド・ランス)、そして久保建英(ソシエダ)ら。

 W杯初出場が多い人選ではあるが、その多くが森保監督が代表戦に招集したことがある馴染みの面々が顔をそろえた。いわばサッカーファンが予想できたメンバーとも言えよう。

「これまでチームを支えた大迫勇也(神戸)や原口元気(ウニオン・ベルリン)が外れて、逆にA代表経験が少ない相馬勇紀(名古屋)が選ばれましたが、驚かせるほどではありません。実に森保さんらしい、良く言えば堅実、悪く言えば面白みのないサプライズなしの発表会見でしたね」(前出・スポーツ紙記者)

 もちろん、森保監督にしてみれば結果を出すために苦心して選んだメンバーであり、その裏で大舞台でプレーすることが叶わずに涙を呑んだ選手も大勢いる。それでもサッカーファン、並びに一般国民の関心を引き寄せることはできなかったということか。

「オオグロ ヤナギサワ タマァダ マァキ」

 日本代表メンバーの名前が呼び上げられていくと、ネットでは案の定というか、過去のW杯で起きた“サプライズ”を懐かしむ声が上がっていった。

《日本代表が初めて出場した、1998年フランスワールドカップ。 「外れるのは市川、カズ、三浦カズ。それから北沢……」この言葉は衝撃過ぎて多分忘れることはない》

 1998年のフランス大会。当時の岡田武史監督が代表メンバーから外したのは市川大祐、北沢豪、そして“キングカズ”こと三浦和良だった。

《サッカーW杯日本代表発表は俊輔がらみの色々なつらたんな事が思い出されるなあ》

 2002年の日韓大会。独自のシステムと戦術にこだわるフィリップ・トルシエ監督の構想から外れた中村俊輔がまさかの落選。

《タカハラァ オオグロ ヤナギサワ タマァダ マァキ おー 代表発表と言うとこれが頭に残る》

 2006年のドイツ大会。ジーコ監督が最後に呼び上げたのは巻誠一郎。記者席からは驚きの声が上がり、紙面には「サプライズ」が踊った。

《2010年のW杯の選考で香川が落選してその後ドルトムントで無双したって歴史もある》

 2010年の南アフリカ大会。岡田武史監督が頭角を表していた香川真司を選出せず、サポートメンバーとして帯同させた。

《ブラジルの時は大久保だったけどロシアの時サプライズ枠いたっけ?》

 2014年のブラジル大会。アルベルト・ザッケローニ監督在任中に1度しか召集されなかった大久保嘉人が代表入り。これには本人もビックリ。

 2018年のロシア大会で、代表を率いた西野朗監督。会見では淡々と呼び上げたメンバーに驚きはなく、“ノーサプライズ・ジャパン”とも揶揄される。肝心の本戦も期待薄と惨敗が予想されるも、本田圭佑の活躍もあって決勝トーナメント進出。一番のサプライズを起こして日本中が歓喜した。

サッカー熱が最高潮だった日韓、ドイツ大会

 そう考えると、同様に支持を得ているとは言い難い、面白みのない人選にも見られる森保ジャパンもいい意味で期待を裏切ってくれるかもしれない。

「それに初出場を果たした1998年のフランス大会、自国開催の日韓大会、そして中田英寿ら豪華メンバーが顔をそろえたドイツ大会にかけてはファンのみでなく、日本中のサッカー熱が最も高かった時代。メンバー発表会見の中継も食い入るように見守っただけに記憶に残っている人が多い。今は大会開幕まで3週間を切っていることも知らない人もいることでしょう」(前出・スポーツ紙記者、以下同)

 今回で7大会連続のW杯出場だけに、熱心なファン以外からはさも当然と捉えられている節がある。サッカー先進国のヨーロッパでさえも“サッカー離れ”が叫ばれる昨今、日本でのサッカー人気を再燃させるためにも、最低でも決勝トーナメント進出、そしてベスト8以上の結果が求められるというわけだ。

「口で言うのは簡単ですが、日本は他国にすれば明らかに格下でグループリーグ突破も並大抵のことではありません(苦笑)。それでもメンバー入りした選手をはじめ、監督やコーチ、スタッフを含めた森保ジャパンが起こすサプライズに期待しないわけにはいきませんね!」

 26人の選手たちは再び日本中をサムライ・ブルーに染めることができるか。