Metaが2022年10月12日に開催したオンライン発表会「Meta Connect 2022」で、ついにスタンドアローン型のハイエンドVRヘッドセット「Meta Quest Pro」を正式に発表しました。価格は22万6800円からで、発売日は2022年10月26日(水)です。

Meta Quest Pro: 最先端のVRヘッドセットが新登場 | Meta Store | Meta Store

https://www.meta.com/jp/quest/quest-pro/

Meta Connect 2022: 「Meta Quest Pro」とメタバース構築への道

https://www.oculus.com/blog/vr-news-connect-2022-meta-quest-pro/

Meta Connectの基調講演は以下から視聴可能。30分43秒辺りからMeta Quest Proについて語られます。

Meta Connect Keynote 2022 - YouTube

マーク・ザッカーバーグCEOが登場。



「Meta Quest 2から学んだことをすべて生かした」という新しいVRヘッドセット「Meta Quest Pro」が発表されました。製品紹介ムービーが以下。

Meta Quest Pro | Meta Quest - YouTube

Quest ProはPC接続不要のVR/MRヘッドセット。インサイドアウトカメラによるパススルー映像はQuest 2だとモノクロでしたが、Quest Proではフルカラーとなり、解像度もQuest 2の4倍に。内蔵ストレージは256GBで、RAMは12GBです。



背部のヘッドバンドにはシリーズ初となる曲面電池を内蔵しています。バッテリーは大容量化して60〜90分の連続使用が可能になっているとのこと。



レンズ周りのライトブロッカー(遮光板)はマグネット内蔵で、自由に取外し可能。周囲の環境を通して見るMR(混合現実)デバイスとして使う場合はライトブロッカーを外し、完全にバーチャル空間を楽しむVRデバイスとして使う場合はライトブロッカーをつける、といった使い分けができます。



特許取得済みのパンケーキレンズで、光を数回折り畳む構造になっているとのこと。調整可能な瞳孔間距離(IPD)の範囲は55〜75mmで、無段階で調整できるとのこと。



Quest Proの光学スタックはQuest 2と比較して40%も薄くなっています。



さらにQuest ProはQuest 2と比較して1インチ当たりのピクセル数(ppi)が37%向上、コントラスト比も75%向上しているとのこと。



チップセットはQualcommのSnapdragon XR2+ Gen1。Quest ProはMetaとQualcommが共同で開発しているとのことで、Snapdragon XR2+ Gen1を搭載した初のデバイスとなります。



Snapdragon XR2 Gen1よりも性能は50%アップしており、熱性能も30%アップしているとアピールされています。



そして、コントローラーもQuest 2から大きく進化した「Touch Proコントローラー」に。TruTouchハプティックフィードバックときめ細かなピンチ操作により、VRをもっと直感的に感じられるようになるとのこと。Touch ProコントローラーはQuest Proに同梱しており、別売でQuest 2にも対応する予定だそうです。



1台のコントローラーにはSnapdragon 662モバイルプロセッサと3つのカメラを搭載。Quest 2ではヘッドセットでコントローラーの座標を把握していましたが、Quest Proはコントローラー自体にトラッキング機能がついているので、より正確な座標把握が可能になります。



底部のUSB Type-Cポートにスタイラスペン先型のアタッチメントを取り付けることで……



まるで空中に直接ペンで落書きをするように、空間に筆致を残すことができます。



さらに専用チャージャーが付属。Quest 2はUSB Type-Cポートにケーブルを挿して充電していましたが、Quest Proはチャージャーの上に置くだけでOK。



Quest ProはVRだけではなくMRでの利用も想定されており、こんな感じで部屋の机の上に仮想デスクトップを展開することができます。



また、コントローラーを使って部屋の中にお絵描きをしたり……



アバターを使ってチャットをしながら、机の上にモデルを表示して話し合うなど、ビジネス面での利用も十分可能。



Meta Quest Proの日本での価格は22万6800円



予約は2022年10月12日(水)からで、日本での発売は2022年10月26日(水)です。



以下がQuest Proのスペックまとめ。

 Meta Quest Proストレージ256GBメモリ(RAM)12GBチップセットQualcomm Snapdragon XR2+ Gen1重量722gカメラルームスケールに5基(外部)
表情トラッキングに3基(内部)
視線トラッキングに2基(内部)センサー近接センサー
ジャイロスコープ
加速度計
環境光センサー
磁力計
気圧計ディスプレイ量子ドット液晶(QD-LCD)
片目1800×1920ピクセル
リフレッシュレート 最大90Hz
視野角106°×96°レンズパンケーキレンズ瞳孔間距離55mm〜75mmバックライトLED500基以上通信Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2コントローラーQuest Touch Proコントローラー
充電池内蔵その他視線トラッキング
リアルタイム表情トラッキング
マイク3基搭載
バッテリーはヘッドバンドに内蔵
専用充電台付きバッテリーの持ち時間1時間半〜2時間価格税込22万6800円発売日2022年10月26日(水)

さらに基調講演では、Microsoftのサティア・ナデラCEOも登場。



Microsoft Teamsの利用やMicrosoft Azureテクノロジーの応用、さらにローンチの日程は未定とのことですが、Xbox Cloud GamingがMeta Quest向けアプリとして登場することが発表されました。VR空間内で映画やPCゲームを楽しむことが可能です。



Quest Proのフルカラーパススルー機能を使うことで、人気のVRリズムゲーム「Beat Saber」をMRとして遊ぶこともできます。



そして、かつてメタバースで行った自撮りがひどすぎると大炎上したザッカーバーグCEOによるHorizo​​n Worldsの「次世代アバター」も実演されました。



「ついにフルボディの3Dアバターですね」とのことで、ザッカーバーグCEOは足をつかんだり……



その場でジャンプしたりと、下半身も動かす様子を披露。



この全身トラッキングは、体の位置を予測するAIモデルを使用して行っており、2022年9月にMetaの研究者が論文を発表しています。例えば机や椅子などに隠れてQuest Proのインサイドアウトカメラで下半身を捉えることができない場合でも、全身のトラッキングが可能になるとのこと。

ヘッドセットとコントローラーだけで下半身の動きも再現する技術が開発される - GIGAZINE



また、Meta Connect 2022では新しいVR向けゲームのタイトルが発表されました。Metaによれば、Meta Questストアのゲームやアプリの売り上げは15億ドル(約2200億円)に達しており、3タイトルに1タイトルが数億円単位の売り上げを上げているとのこと。

Meta Connect 2022のゲームタイトル:『Marvel’s Iron Man VR』、「Xbox Cloud Gaming」や『Among Us VR』のアップデート

https://www.oculus.com/blog/vr-games-meta-connect-2022-marvel-iron-man/

すでに発表済みの「Among Us VR」や「The Walking Dead: Saints & Sinners - Chapter 2: Retribution」の追加情報が公開されたほか、自らアイアンマンになって空を飛び敵を倒す「マーベルアイアンマン VR」がサプライズで発表されました。

マーベルアイアンマン VR | アナウンストレイラー | Meta Quest 2 - YouTube