アリアンスペースは、現地時間9月7日、「アリアン5」ロケットの打ち上げを実施しました。同ロケットには欧州の通信衛星企業「Eutelsat(ユーテルサット)」の通信衛星「Eutelsat Konnect VHTS」が搭載されており、軌道投入に成功したということです。


【▲ ギアナ宇宙センターから打ち上げられた「アリアン5」ロケット(Credit: ESA)】


Eutelsat Konnect VHTSを搭載したアリアン5ロケットは、現地時間2022年9月7日午後6時45分、フランス領ギアナのギアナ宇宙センターから打ち上げられました。打ち上げから28分後、第2段ロケットからの分離に成功した同衛星は、静止トランスファー軌道(GTO)へ投入されました。今後は、同衛星の推進機能を用いて、2023年第1四半期までに運用軌道へ移動する予定です。


今回打ち上げられたEutelsat Konnect VHTSは、人工衛星の開発・製造を行う欧州のタレス・アレーニア・スペースが製造を担当したKaバンドスループット衛星です。衛星の名称に含まれているVHTSとは「Very High Throughput Satellite」の略称で、大容量化した通信システムを指します。アリアンスペースによると、同衛星は「タレス・アレニア・スペースが製造した最大の衛星になる」ということです。衛星の高さは8.8m(ビル3階建てに相当)・重さ6.4tです。また、同衛星には欧州宇宙機関(ESA)とフランス宇宙機関(CNES)が「Investing in the future」プログラムを通して開発した機器が搭載されました。


【▲ 組み立て中の通信衛星「Eutelsat Konnect VHTS」(Credit:Thales Alenia Space/Master Image Programmes )】


アリアンスペースによると、同衛星はヨーロッパ全土に高速インターネットのアクセスを提供し、特に通信環境が悪い地域にも提供可能とされています。また、通信はパフォーマンスとコストの点で、光通信と同程度のサービスであると発表しています。


 


打ち上げ情報:アリアンスペース、ユーテルサットの大型通信衛星を打ち上げ


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文/出口隼詩