中国の最新ドローン 水不足対策で人工降雨作戦を実施
原型の軍用UAV「翼竜-1」はすでに100機以上生産されているとか。
6月にデビューしたばかりの民間向け最新モデル
中国国営の航空宇宙・防衛企業である中国航空工業集団(AVIC:Aviation Industry Corporation of China)は2022年8月25日、独自開発した無人航空機「翼竜-2H」が初めて人工降雨作業に用いられ、問題なく任務を達成したと発表しました。
説明によると、中国内陸部の四川省は7月以降、高温と少雨に見舞われており、一部の地域では干ばつが続いているそう。そこで水不足を緩和するために中国気象局や四川省気象局らと共同で上空に降雨促進物質の散布を行ったといいます。
中国航空工業集団が開発した無人航空機「翼竜-2H」(画像:AVIC)。
なお、今回の作業は「翼竜-2H」の高い信頼性と優れた環境適応能力を検証することにもつながったとのことで、同機が気象作業に貢献できる能力を持っていることを示すことができたとしています。
「翼竜-2」は中国航空工業集団が開発・製造する民間向けの大型無人航空機(UAV)で、去る6月29日に初号機がラインオフしたばかりの最新モデルです。
原型は中国人民解放軍空軍などが運用する軍用の中高度長時間滞空UAV「翼竜-1」。同機は機体後部に取り付けたプロペラを回して飛ぶ「プッシャー式」で、出力100馬力のターボチャージャー付ピストンエンジンを1基搭載しています。