見事な二重のリング。超大型望遠鏡が撮影した“はちぶんぎ座”の銀河

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【▲ 棒渦巻銀河「NGC 7098」(Credit: ESO)】


こちらは南天の「はちぶんぎ座(八分儀座)」の方向約9500万光年先にある棒渦巻銀河「NGC 7098」です。棒渦巻銀河とは、中心部分に棒状の構造が存在する渦巻銀河のこと。棒状構造は私たちが住む天の川銀河をはじめ、渦巻銀河の半分程度が持つと考えられています。


NGC 7098の特徴は、なんといっても銀河円盤に現れた2重のリング構造です。内側のリングは幅の広い棒状構造を取り巻く渦巻腕(渦状腕)によって形成されていますが、その外側に伸びた渦巻腕も閉じたリング状になっています。星々の輝きが描き出した2つの巨大なリングは、物理法則に従う宇宙の秩序を感じさせます。


画像を公開したヨーロッパ南天天文台(ESO)によると、NGC 7098の中心部分にはもう1つ棒状の構造があり、リング状の渦巻腕だけでなく棒状構造も2重になっているのだといいます。また、左端に写っている真横を向けた銀河「PGC 246235」をはじめ、画像にはNGC 7098よりもさらに遠い銀河が幾つも写り込んでいます。


冒頭の画像はESOが運営するチリのパラナル天文台にある「超大型望遠鏡(VLT)」の観測装置「FORS2」を使って取得された画像(4種類のフィルターを使用)をもとに作成され、2017年7月24日付で公開されていたもので、ESOのTwitter公式アカウントが2022年8月16日付で改めて紹介しています。


 


関連:合体し始めたばかり。おとめ座の渦巻銀河「NGC 4567」と「NGC 4568」


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Image Credit: ESOESO - Seeing double@ESO (Twitter)

文/松村武宏