【全文翻訳】ジョブズ氏、アップルCEOを退任 - BLOGOS編集部

2022年3月30日 0時0分

※この記事は2011年08月25日にBLOGOSで公開されたものです

現地時間２４日、米アップル社は、最高経営責任者（CEO）スティーブ・ジョブズ氏が退任する意向を取締役会に通知したことを明らかにした。

同社を急成長させてきたジョブズ氏は後任に、ティム・クック最高執行責任者（現ＣＯＯ）を指名し、これを同社取締役会も承認した。

ジョブズ氏本人は会長職に就く予定で、彼の「後継プラン」をアップル社が実行するよう取締役会に求めている。

この発表により、同社の株価は時間外取引で５％程度下落。同社はアメリカ政府を超える規模の現金等を保有しており、その行方にも注目が集まる。

画像を見るアップルの新CEOに就任予定のティム・クック現COO。（2011年1月、AP/アフロ）

アップル社が発表したプレスリリース、ジョブズ氏が取締役会に送った手紙（日本語訳）は以下の通り。（BLOGOS編集部：清水・野村）

プレスリリース

Steve Jobs Resigns as CEO of Apple

クパチーノ、カリフォルニア - 2011年8月24日 - 今日、アップル取締役会はスティーブ・ジョブズがCEOの職を退き、前最高執行責任者であるティム・クックを新しいアップルのCEOに指名したことを発表いたします。ジョブズは会長に選出され、クックは速やかに取締役会に加わります。

ジェネンテック会長でアップルの取締役会のメンバーでもあるアート・レビンソンは次のように語りました。

"スティーブの類稀なる先見性とリーダーシップはアップルを救い、アップルを世界で最も革新的で価値のあるテクノロジー企業としてのポジションに導いてくれました。"

"スティーブはアップルの成功に数え切れないほどの貢献を果たしました。そして、彼はアップルのワールドクラスの経営陣と想像力に富んだ従業員を魅了し刺激を与えました。彼の新しい役割である会長としてスティーブはそのユニークな洞察力、創造性、そしてインスピレーションをもってアップルに仕え続けます。"

"取締役会はティムこそが我々の次期CEOとして最適な人間だと自信を持っています。"

"ティムの13年間に亘る傑出した業績はアップルに大きく貢献しました。そして、彼は自身の非凡な才能と正しい判断能力をこれまでの業務で見せてくれました。"

今日、ジョブズは辞表を取締役会に提出し、取締役会に彼の後継プランの実行を薦めるとともに、ティム・クックを次期CEOにと強く推薦しました。

以前、クックは最高執行責任者として、アップルの世界中の徹底した供給プロセス、セールス活動、各国の全てのマーケットにおけるサービスとサポートを含むセールスと業務を担当しました。それに加え、彼はマッキントッシュ部門が、需要が伸びている市場でフレキシブルに対応できるように、再販業者とサプライヤーの間の戦略的関係の発展に重要な役割を果たしました。

アップルはMacという世界で最良のパソコンをOS X、 iLife、 iWork、そしてその他のプロフェッショナル・ソフトウェアと共に作りました。アップルはデジタル音楽の革命をiPodとiTunesオンラインストアをもって牽引しています。アップルは携帯電話を革新的なiPhoneとApp Storeを用いて作り変え、最近ではモバイル・メディアとコンピュータ・デバイスの未来を定義するiPad 2を発表しました。

ジョブズ氏が取締役会に送った手紙

Letter from Steve Jobs

アップル取締役会とアップル・コミュニティの皆様へ：

　私は、アップルCEOとして職務と期待が果たせなくなる日が来た場合、まず最初にあなたたちに伝えると兼ねてから言ってきた。残念ながらその日が来ました。

　ここにアップルCEOを辞する。取締役会が適当であると判断すれば、会長、取締役、アップル社員として仕えたい。

　私の後継者については、我々の後継プランを遂行し、ティム・クック氏を次期CEOに強く推薦したい。

　この先、アップルの最も輝かしく革新にあふれた日々があることを信じていると共に、私は新たな役割の中でアップルに貢献すること、アップルの成功を見届けられることを楽しみにしている。

　私はアップルで過ごした日々の中で最良の友人を作れた。そして、長年に渡りあなたたちと働くことができたことを感謝する。