お金が集まる人だけが知る「稼ぐ覚悟」とは？福岡みなみがライブ配信で1億円稼いで学んだ真理
「ライブ配信で1億円稼いだ」女性が話題になっています。
その人の名前は福岡みなみさん。
4月27日には著書『ライブ配信で1億円稼いだ話』（幻冬舎）も発売となり、そのノウハウを公開しています。
ライブ配信って、もちろん何度か見たことはあるけどどんな世界なの？ 書籍の担当編集者も「個人的に関わったら全財産奪われそう」と恐れる福岡さんに、「1億円」の裏側を聞いてみると…
たどりつけたのは、筆者のように“なんとなくお金の話をするのが苦手”な人には刺さるであろう「収入に関する真理」でした。
この記事は、こんな人におすすめ！（読了目安：5分）
・収入を上げたい気持ちはあるが、お金の話がちょっとニガテ…
・本心では、今の仕事よりも“もっと上のステージ”で戦いたい
・野球など、チームや団体を応援することが好き
1000万円払う「極太パパ」も。ライブ配信ってどういう世界なの？
天野:
ライブ配信がどういう世界なのかよくわかってないので教えてほしいんですが…
1回の配信でどれぐらいお金になるんですか？
福岡さん:
視聴者さんは課金してコインを買い、アイテムを投げ銭することになります。
書籍の発売日に2時間配信をやったんですが、その日は300万円ぐらいのアイテムがもらえました。
天野:
じゃあ1回の配信で300万円の収入…!?
福岡さん:
うち100万円ぐらいが配信者に入る感じです。そのときは「TikTok LIVE」だったのでそれぐらいの比率で、プラットフォームによって変わりますね。
私は基本的に「Pococha」のライブ配信を6カ月間毎日休まずやって、合計1億円を稼いだんです。
天野:
6カ月毎日！ 予定がある日はどうしたんですか？
福岡さん:
ライブ配信が一番の予定なんで、ほかに「予定がある日」はないです。彼氏もいないし。
だそうです
天野:
視聴者はなんのためにお金を払うんですか？ タダでも配信は見られますよね。
福岡さん:
「イベント」と言って、どの配信者が一番課金アイテムを投げてもらえたかを競うシステムがあるんです。
その戦いに“当事者意識”があるんですよ。野球ファンの人が、応援してるチームにお金を払ったり、負けたら自分のことのように悔しがったりする…みたいなのが近いと思います。
天野:
それは楽しそうだ…（←野球好き）。
1人どれぐらい課金すればいいんでしょう？
福岡さん:
半年間で1000万円払ってくれた人とかは余裕でいます。
参入できない…ちなみにそんなに払ってくれた人も「どこの誰かはまったくわからない」らしい
福岡さん:
ちゃんとしたルールがあるわけでもなくて、なんでもアリの世界で。
水商売で働いてる子が自分で自分に大量課金してたり、「極太パパ」みたいなのがいる子もいて、何千万円も投げてもらってたり。
天野:
極太パパ…
福岡さん:
私は「お金使ったから会いたいなんてダサいこと言わないで」と公言してて、視聴者さんと会うことは絶対にしなかったですけど…
そのかわり、視聴者の方といっしょにチームで活動したことが大きかったかもしれません。
グループチャットで作戦会議をしたり、ライバルチームにスパイを派遣したり。
天野:
スパイ？
福岡さん:
イベント終了までの最後の数分間で、一気に課金アイテムを投げて追いつけないようにするっていう流れがあって、ライバル配信者のチームにどれぐらい予算があるのかを知りたかったんです。
そのために、信頼できる視聴者さんを“スパイ”としてライバルのグループに潜入させる。
スパイだってバレないためにある程度課金しないといけないから、その資金も必要で…
本当の戦争でやるやつじゃん…こんな世界があったのか…
「かわいい人が1人もいなかった」“こんなところ”と感じたライブ配信から這い上がれた理由
天野:
福岡さんはもともとタレントとして活動されてたんですよね？
福岡さん:
私のタレント活動はホームレスになったところから始まってます。
東京理科大を卒業して、就職しないで、当時付き合ってた人と平和に暮らしてたんですけど。
スカウトされて、グラビアの仕事を始めることになったんですね。そしたら彼氏に「ニートのお前が好きだった」「仕事がしたいなら出ていけ」って言われて、サウナとか友だちの家を泊まり歩くように…
「ニートのお前が好きだった」絶対言いたくないパンチライン
福岡さん:
大手のタレント事務所に入ったから、会社に任せてれば大丈夫だろうって思ってたんですけど…コロナ禍で、仕事がなくなったんです。1カ月のうち、稼働日が2日ぐらいしかありませんでした。
ちょうどそのとき、ライブ配信やりませんか？ってお話があって、家賃ぐらいは稼がなきゃと思って始めたんです。
天野:
なるほど。そこからライブ配信が好きになったと…
福岡さん:
いえ、本当にイヤでした。
何これ？ タレントがやるもんじゃなくない？って…
おや？ 口が…
福岡さん:
見てみたら、かわいい人が1人もいなかったんですよ。ブ○しかいなかった。
よくわかんない人が喋ってる、何これって。
「こんなところで負けたくねえ」って思いました。
天野:
（口が悪すぎる）
福岡さん:
やってみたら、最初の1カ月で27万円収益が出て、家賃は払えそうだなと。
イベントにも出てみたら、5日で300万円ぐらい集まったけど、負けちゃったんですよ。
それが悔しくて「もう二度と負けない」と思って…
天野:
よく「実力以上の場所に引き上げられて、必死についていくうちに実力がともなう」という成功ストーリーを聞きますが、福岡さんの場合は逆に「こんなところで負けたくない」場所で成果を出したんですね…？
福岡さん:
現実には、「運よく上の場所に引き上げてもらえる」ことなんてほぼないですよね。
私も、芸能界っていう“上のステージ”では戦わせてすらもらえなかった。
だったら、今いる場所で圧倒的に一番強くなるしかないと思えたのは大きかったですね。
天野:
そこで腐らずに「負けられない」と思えたのが福岡さんの勝因なのか…
福岡さん:
「ここで負けてて芸能界で勝てるわけないから、全員殲滅して一番になるしかない」って思ってました。
今いるステージで一番強いと思えるようにならないなら意味がない。
オリンピックだって、金メダル獲った人は覚えてるけど、銅メダルの人は誰も覚えてないですよね。
いや銅メダルも覚えてます。タメになる話だったけどすぐ口が悪くなる福岡さん
「稼ぐ覚悟」があるかどうかで成果が変わる
天野:
ホームレス状態から1億円稼ぐようになって、気付いたことってありますか？
福岡さん:
お金って、「稼ぐ覚悟」がないと得られないってことですね。
「稼ぐ覚悟」…わかる気がする…
福岡さん:
お金をもらうのって覚悟がいると思うんです。
自分ももともとは“10万円のお給料が20万円になればいいな”って思ってる人間だったんですけど、そう思ってるうちはそういう人生。「1億円稼ぎたい」と言ったら、自然とそうなったんです。
天野:
自分、「いくら稼ぎたい？」みたいな話が正直苦手なんですよね。気が引けてしまうというか…
福岡さん:
わかるんですけど、“欲しがるやつが欲しがられる”のも真理なんですよね。
稼ぐ覚悟って、結局「身の程知らずな発言をできるかどうか」なので。
福岡さん:
稼いで、その先に何をやりたいかを考えるといいのかもしれません。活動を止めない。
“ちょっと稼いで怠惰な生活をしたい”って人にお金払いたくないじゃないですか。
天野:
なるほど。福岡さんはそれがあったんですか？
福岡さん:
最初は「こんなところで」と思ってたライブ配信だったけど、そのおかげで自分が変われたのは事実なので、ライブ配信者のための事務所をつくりたいと思ったんです。
収益は100％配信者に入るようにして。
以前とは違って有名な方もどんどん配信をするようになっているし、この業界をもっと盛り上げたい。立ち上げた事務所には今配信者が100人以上所属してます。
福岡さん:
あとは、4月に出した書籍のために5月9日から5月15日までJRの電車内に広告を出すことにしたんです。自腹で600万円出して。
天野:
そんなに…
福岡さん:
稼がせてもらったお金を自分で怠惰に使うんじゃなくて、動かしていかなきゃと思ったので。
あとは、もともとホームレス状態から始まってるので、最悪またサウナ住まいに戻ってもいいや…って思えてるところはありますね（笑）。
文中にも書きましたが、自分には“稼ぐ覚悟”がない…と痛感した取材でした。
そして、「運よく上のステージに引き上げてもらう」ことを待つのではなく、（表現はよくないですが）“下”で圧倒的に勝つことに執念を燃やせた福岡さんのエネルギーにも感服。
ぼんやりと「もっとお金がもらえればな〜」なんて考えているであろう多くの人は、参考にすべきマインドですね…！
ちなみに、ライブ配信は老若男女問わず、さまざまな方が人気者になっている市場…「ぜひ始めてみてください！」（by福岡さん）とのことでした！
〈取材・文＝天野俊吉（@amanop）／撮影＝中澤真央（＠_maonakazawa_）〉
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