ラジー賞も受賞した『ザ・マミー』のトム・クルーズ
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 トム・クルーズ主演のアドベンチャー映画『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(2017)を手がけたアレックス・カーツマン監督が、批評および興行的に失敗となった同作について、The Playlist のポッドキャスト番組「Bingeworthy」で語った。

 米ユニバーサルが、クラシックモンスター映画を世界観を共有させながらリメイクする「ダーク・ユニバース」第1弾として、『ミイラ再生』を再映像化した本作。約1億2,500万ドル(約150億円)の製作費に対して、全米では興行収入8,022万7,895ドル(約96億円)しか稼げず、主演のトムはその年の最低映画を決めるゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)で最低男優賞を受賞するなど、散々な結果に。ユニバーサルは同作の結果を受け、ハビエル・バルデム主演のリメイク版『フランケンシュタインの花嫁』、ジョニー・デップ主演のリメイク版『透明人間』など、ダーク・ユニバースの次回作を全て凍結させている。(数字は Box Office Mojo調べ、1ドル120円計算)

 『トランスフォーマー』『スター・トレック』『アメイジング・スパイダーマン2』など、大作映画の脚本を執筆したことでも知られるカーツマン監督。ポッドキャスト番組に登場した監督は、公開から5年が経過した『ザ・マミー』について、「私は成功ではなく失敗から全てを学ぶという見方に賛成することがよくある。そして、あの作品は個人的・仕事的にも人生最大の失敗だった」と告白。一方で、監督として成長する機会を与えてくれたといい、「後悔することは100万近くあるが、それでも表現できないほど美しいギフトをたくさんもらえた。私はあの映画を作るまで、映画監督にはなっていなかった。映画がよく撮れていたからではなく、その逆だったからだ」と語っている。

 ちなみに、ダーク・ユニバースを企画していた米ユニバーサルのドナ・ラングレー会長も、プロジェクトは失敗だったと2020年に The Hollywood Reporter で認めており、「各キャラクターは忘れられないほど魅力的でしたが、(企画を)急ぐ必要は全くなく、世間はユニバース化など求めていなかったことに気づきました」と振り返っていた。(編集部・倉本拓弥)