今どき機能が盛り沢山の昭和テイストなラジカセ!

40代のおっさんなのにかわいいものについつい反応してしまう筆者が見つけたかわいいデジタルグッズを紹介していく「#おっさんが見つけたかわいいガジェット」の第11回は、生活関連商品の企画・開発・生産・販売を手がけるドウシシャの「Bluetooth機能搭載 ステレオラジオカセット SCR-B2」(以下、SCR-B2)を紹介する。

シリーズ11回目にしてようやく40代のおっさんらしいものに食いついたワケだが、実はこのSCR-B2は2017年9月頃に発売された製品で、販売開始から既に4年半ほど経過している。販売元はドウシシャで、ブランド名はSANSUI(サンスイ)。SANSUIはかつてトリオ(現ケンウッド)、パイオニアと並んで「オーディオ御三家」と呼ばれた山水電気のことで、2014年に破産しており現在は存在しない。

ドウシシャは2012年からSANSUIブランドの音響製品を開発・販売を手がけていたため、2017年に発売されたSCR-B2も販売元がドウシシャでブランド名がSANSUIということになっている。

しかし、2021年8月末をもってライセンサーとのブランドライセンス契約期間満了に伴い、ドウシシャはSANSUIブランド製品の生産を終了している。2021年9月以降は、展開中製品のアフターサービスは引き続き対応し、音響製品は映像製品(主に液晶テレビ)を展開しているブランド「ORION(オリオン)」に統合している。

このような流れのため、今回紹介するSCR-B2も基本的には生産終了製品で在庫限りということになるが、実は筆者がSCR-B2と出会ったのはイオン某店の家電製品を販売しているコーナーだった。

購入したのは大手Webストア「Amazon.co.jp」だが、「楽天市場」の各ショップサイトでも販売されており、価格(金額は税込)は5千円台〜6千円台。筆者がイオンで見つけた際の価格は6,578円、Amazon.co.jpで購入した際の価格は5,334円だった。

今回は、そんな少々複雑な背景を持つSCR-B2の開封から操作方法、使用感などをレビューする。


アナログとデジタルが「合体」したラジカセ

ドウシシャの製品ページ(https://doshisha-av.com/sansui/stereo_boombox.html)では、「80’sテイストデザイン!アナログとデジタルの合体ラジカセ」と銘打ったイメージ画像が掲載されている。このページでは製品仕様の他、製品カタログおよび取扱説明書のPDFを閲覧、ダウンロードができる。

製品ページ記載のカラーバリエーションはレッドとブルーだが、Amazon.co.jpや楽天市場ではシルバーも販売されており3色展開のようだ。今回、購入したのはレッド。


個装箱背面



個装箱正面の記載



個装箱を手に持ったところ



個装箱を開封したところ

ラジカセ=大きめというイメージがあるが、SCR-B2は思ったよりコンパクトで個装箱自体も片手で持てるほどの大きさだ。個装箱正面にはSCR-B2のイラストに加えて製品の特徴的な機能などが記載されており、個装箱裏面にはSCR-B2正面のイラストが描かれている。


内容物一式



電源コード



取扱説明書兼保証書の6ページ目と7ページ目



取扱説明書兼保証書の18ページ目と19ページ目



取扱説明書兼保証書の裏表紙



カセットテープに関する注意事項が記載された用紙

SCR-B2本体の他、電源コードと取扱説明書兼保証書が付属品として同梱している。本体のカセットホルダー(カセットテープを入れる部分)には、カセットテープに関する注意が記載された用紙が入っている。

B5サイズの取扱説明書兼保証書は全19ページの冊子で、使用方法や注意事項などが日本語で記載されている。イラストとともに大きめ文字で見やすく、裏表紙はアフターサービスについてと保証書の記載がある、保証期間は購入日から1年間の本体保証となる。


本体正面



本体背面



電源端子



乾電池ボックス



ラジオ用のロッドアンテナを伸ばしたところ



側面のステレオイヤホン端子

本体のサイズは約317(幅)×95(奥行)×115(高さ)mm、質量は約1.2kg、電源は付属の電源コードを接続する他、単1形乾電池4本でも駆動する。

1つのカセットテープとAM/FMラジオの受信に加え、USBメモリーおよびSDカードの音声データも再生できる。また、Bluetooth接続にも対応しているため、スマートフォン(スマホ)やタブレット、パソコン(PC)、Bluetooth対応のミュージックプレイヤーなどの音声データも再生できる。つまり、ワイヤレススピーカーとしても利用できるということだ。

また、本体正面に向かって右側面には3.5mステレオイヤホンジャックを搭載しており、イヤホンやヘッドホンを有線接続できる。イヤホンやヘッドホンを接続すると本体スピーカーからの音は消える。

CDやMDといった記録媒体は利用できないが、USBメモリーやSDカード、スマホやタブレットなどの外部メモリ―・外部メディアとの連携ができるため、SCR-B2が1つあれば何かしらの記録媒体を使って様々な音声データを楽しむことできる。

見た目が1980年代なのに機能は完全に現代仕様という最強の「ギャップ萌え(死語)」を実現している。電源端子がUSB Type-Cなら、なお最強だった。


本体上部の操作面



FUNCTIONスイッチ、BANDスイッチ、TUNINGつまみ



カセット操作部



音量つまみ、BASSつまみ
メモリー操作ボタン類、SDカードスロット、USB端子

本体上面には各種操作をするための物理スイッチやつまみが配置されている。向かって右側はラジオ関連とモード切り替え、中央はカセットの操作、左側は音量やBASS調整の他にUSBメモリーやSDカードで音楽を聴く際に操作するボタン類も搭載している。ガチャガチャと音を立てるボタン操作は、1980年代のラジカセを彷彿させ、操作をしているだけでも楽しい。特にカセットテープを操作する時のガチャガチャ音は格別だ。

右側にあるFUNCTIONスイッチは「ラジオ」「カセットテープ/OFF」「USBメモリー/SDカード/Bluetooth接続」の3つのモードを切り替えるためのもの。カセットテープのモードにしたままだとUSBメモリーやSDカードを挿しても反応しないので、まずは利用する機能のモードに切り替えるところからはじめる。

左側のメモリー操作系のボタンは、USBメモリーやSDカードで音楽を再生する場合に操作するボタンで、サイズは小さいが曲戻り、再生/一時停止、曲送りの操作ができる。

音量つまみは音量の調整、BASSつまみは低音の調整(音質の調整)ができる。もちろん音楽を再生しながら、つまみを回して調整できる。


カセットホルダーを開いたところ



カセットテープをインするところ



インしたカセットテープの様子が見える

まさか、2022年(令和4年)の時代に、わざわざカセットテープを購入して利用するとは思いもしなかった。カセットテープはテープが見えている部分を上に向けて挿入し、カセット操作部のボタンで操作する。録音する際は、RECボタンを押すと再生ボタンも同時に押される仕様となっている。この辺りも当時の操作と同様で懐かしさを感じる。

ちなみに、録音は外部マイクからではなく入力音源からされる。そのため、USBメモリーやSDカード、またはスマホやタブレットなどとBluetooth接続して再生されている音声データを録音することが可能だ。つまり、スマホでYouTubeの動画を流して、その音声をカセットテープに録音することもできるのだ。


動作インジケータは青色に点滅もしくは点灯する

さて、いよいよ外部メディア関連についての解説だ。まずは本体上面右側のFUNCTIONスイッチを「BT/USB/SD」に切り替える。すると、上面左側のSDカードスロットとUSB端子の間にある動作インジケータ(LEDランプ)が、青色に早めの点滅をする。

この動作インジケータは、
・早く点滅…スタンバイ(SD&USB)、ペアリングモード(Bluetooth)
・ゆっくり点滅…音声再生中
・点灯…音声停止中
の3パターンの状態を知らせてくれる。そのため「BT/USB/SD」モードでは動作インジケータが必ず光っていることになる。


SDカードを挿した状態



USBメモリーを挿した状態

SDカードおよびUSBメモリーを本体に挿し込むと保存された音声データ(MP3)が自動で再生される。メモリー操作系のボタンで再生、一時停止、曲送り、曲戻りができ、各記録メディアを抜く時は音声を停止した状態で抜き取る。


SDカードとUSBメモリーを挿した状態

自動再生のため、SDカードとUSBメモリーを2つとも挿した場合はどうなるのかが気になったので試したところ、後に挿した記録メディアを優先して再生してくれることが分かった。

SDカードを挿した状態でUSBメモリーを挿すとSDカードの音声は途切れてUSBメモリーの音声データを自動再生し、USBメモリーを挿した状態でSDカードを挿した場合も同様に後から挿したSDカードの音声が自動再生される。なお、最大16GBまでのSDカードおよびUSBメモリーに対応している。


Windows 10のBluetooth設定で「デバイスを追加する」画面
(クリックもしくはタップで拡大表示)



「Bluetoothとその他のデバイス」画面で接続状態を確認

続いて、Bluetooth接続について解説する。スマホやタブレット、PC、Bluetooth対応の音楽プレーヤーなどとBluetooth接続することでSCR-B2をワイヤレススピーカーとして利用できることは前述したが、まずは接続方法から説明する。

Windows PCでは「設定」→「デバイス」→「Bluetoothとその他のデバイス」→「Bluetooth またはその他のデバイスを追加する」→「Bluetooth マウス、キーボード、ペン、オーディオ、またはその他の種類の Bluetooth デバイス」を選択し「SCR-B2 オーディオ」が表示されたらクリック(タップ)する。次の画面で「接続」を選択して正常に接続できれば「完了」をクリック(タップ)すればペア設定が完了する。


Androidスマホ(シャオミのMIUI 13)のBluetooth設定画面

AndroidスマホもBluetoothをオンにした状態で、Bluetoothの設定画面に進み表示される「SCR-B2」を選択して「ペア設定」を完了する。

スマホやタブレットなどの機器で音楽データを再生したり、YouTubeなどの動画を再生したりするとSCR-B2から音声が流れる。前述のように、こうした音声をカセットテープに録音することもできる。Bluetooth接続することでSCR-B2は、ワイヤレススピーカーになり、音声を録音できるレコーダーにもなるのだ。

SCR-B2のFUNCTIONスイッチを「BT/USB/SD」以外に切り替えるとペア設定した機器とのBluetooth接続が切れるが、「BT/USB/SD」に再度切り替えた際のBluetooth接続はかなりスムーズで、わりとすぐに音声の再生が可能だ。

音質は、それなりではあるものの、BASSつまみを右に回して低音を強めにすると結構いい感じで聴ける。BGMとして音楽やラジオを楽しむのであれば十分だろう。今でもカセットテープを愛用している人はもちろん、レトロテイストな製品が好きな人にもおすすめの製品だ。自分で利用するのはもちろん、プレゼントとしてもアリだろう。


ラジカセといえば肩乗せ!

本体サイズも案外コンパクトで、軽々と肩に乗せることができる。お部屋のインテリアとしてもバッチリだ。光沢感のあるレトロなデザインで愛着の持てるかわいいラジカセだ。

最後に、開封して同梱品や外観、操作方法などのチェックや、カセットテープ、SDカード、USBメモリー、スマホからの音声を流し、録音もしてみた動画を紹介する。





【Bluetooth機能搭載 ステレオラジオカセット SCR-B2の主な仕様】
製品名Bluetooth機能搭載 ステレオラジオカセット SCR-B2
メーカー/ブランドドウシシャ/SANSUI(サンスイ)
外形寸法
(突起物含む)
約317(幅)×95(奥行)×115(高さ)mm
重量約1.2kg(本体のみ)
電源・AC100V 50/60Hz
・DC6V 単1形乾電池 x 4本
乾電池連続使用時間・ラジオ受信時:約90時間
・カセットテープ再生時:約50時間
・USB/SC MP3再生時:約50時間
・Bluetooth接続時:約75時間
消費電力・動作時:10W
・スタンバイ時/1.6W
定格出力0.8W+0.8W
受信周波数・FM:76.0-108.0MHz
・AM:530-1629kHz
USB端子使用可能USB メモリー16GB以下
SDカードスロット使用可能SDカード SDHC16GB以下
再生可能フォーマットMP3
カセットデッキステレオ録音/再生 2ヘッド、セミオートメカタイプ
BluetoothVer.4.2(BLE)とVer.2.1+EDRに対応
対応プロファイルA2DP、AVRCP
コーデックSBC
カラーレッド、ブルー、シルバー
同梱品・ラジカセ本体
・電源コード
・取扱説明書兼保証書
※乾電池、カセットテープ、SDカード、USBメモリーは別売り


SANSUI Bluetooth搭載ラジカセ【USB/SDカードMP3再生対応】 SCR-B2【RD】
Sansui



SANSUI Bluetooth搭載ラジカセ【USB/SDカードMP3再生対応】 SCR-B2【BL】
Sansui



SANSUI Bluetooth 搭載 ラジカセ USB SDカード MP3 再生対応 SCR-B2 S シルバー サンスイ
トライメイト



記事執筆:2106bpm(つとむびーぴーえむ)


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