北アルプスを貫く観光ルート「立山黒部アルペンルート」(長野県大町市〜富山県立山町)にある、高さ20メートルにも迫る巨大な雪の壁、「雪の大谷」をご存知だろうか。

このルートの最高地点は、標高2450メートルに位置する「室堂(むろどう)ターミナル」。その周辺の立山室堂平(むろどうだいら)は、世界でも有数の豪雪地帯として知られている。

その中でもとくに積雪が多いという「大谷」を除雪してできる道路は、「雪の大谷」と呼ばれている。

2022年3月13日にツイッターに投稿され話題になっているのは、その「雪の大谷」から見上げた夜空の写真だ。

写真の投稿者は、富山県で写真を撮るイナガキヤスト(@inagakiyasuto)さん。「雪の大谷から見上げた富山の本気」というコメントが添えられている。

このツイートには、2万4000件を超える「いいね」が付けられ、今まさに拡散中だ(3月14日現在)。

Jタウンネット記者は、富山の自然を愛してやまない写真家・イナガキヤストさんに、この写真について聞いてみた。

「雪の間に、天の川が見えたときは感動した」

写真家・イナガキヤストさんによると、この写真は昨年撮影したものだという。

「撮影日は、2021年4月15日。撮影場所は、立山黒部アルペンルートの『雪の大谷』です。『雪の大谷』は基本的に昼間しか行けないのですが、昨年、立山黒部アルペンルート全線開業50周年メモリアルフォトグラファーとして、特別に撮らせていただきました」(イナガキヤストさん)

イナガキヤストさんは撮影時の苦労と感想をこう語った。

「撮影した2021年は、全線開業50周年を記念して、1車線区間(通常2車線)がつくられており、そこから撮影しました。
約14メートルの雪の壁の隙間から天の川を狙うので、わずかな時間しか無く、しかも晴れている必要があるので、タイミングを合わせるのが大変でした。実際に雪の大谷の間から天の川が見えたときはとても感動しました」

そうして撮影された雪の壁と満天の星空のコンビネーションは見た人にも感動をもたらしたようで、ツイッターにはこんな声があふれている。

「夜の雪の大谷、めちゃめちゃキレイで感動しました」
「見た瞬間 ため息がでました......」
「第一声が、うわっ! すごい! でした。 吸い込まれてしまいそうな星空ですね」
「素晴らしい光景ですね。天の川や満天の星空が、とても美しいです」
「空気が澄んでないと見れない星空ですね」

今年の立山黒部アルペンルートは、4月15日(金)全線開通予定。4月中旬から6月下旬にかけて、「立山黒部・雪の大谷フェスティバル」が開催される。

定番の「雪の大谷ウォーク」や「パノラマロード」に加えて、新エリア「#ウチの大谷」も登場する。この春は、「雪の大谷」を楽しんではいかが?