音響機器の名門企業 元JASDAQ オンキヨー子会社2社が破綻 負債は合計24億円
昨年9月には家庭用AV事業をシャープなどをスポンサーとする企業に売却していた
オンキヨーマーケティング(株)(TDB企業コード:345001667、資本金1億円、東京都墨田区横網1−10−5、代表上山洋史氏)とオンキヨーサウンド(株)(TDB企業コード:166058371、資本金1億円、東大阪市川俣1−1−41、代表宮田幸雄氏)は、2月8日に事業を停止し、事後処理を山岸正和弁護士(大阪市北区角田町8−1、弁護士法人協和綜合事務所、電話06-6311-8800)に一任し、自己破産申請の準備に入った。オンキヨーサウンド(株)は、2020年(令和2年)10月にオンキヨーホームエンターテイメント(株)の100%子会社として設立。車載用や家電用のスピーカーをOEMで受注して海外のグループ会社で製造を行っていた。取扱品は、オンキヨーグループとして長年積み上げてきた音響関連のノウハウを背景として、各メーカーの仕様に基づいて、車載用スピーカー、家電用スピーカー、スピーカー部品、アンプなどオーディオ製品、オーディオ・パソコン製品のOEM受注を行っていた。同グループのブランド力を背景に国内外の自動車メーカーや家電メーカーを得意先として、「音」に関連するOEM受注を請け負う体制が構築。設立1期目となる2021年3月期(6カ月変則決算)には、売上高約18億円を計上していた。
しかし、各種オーディオシステムなどホームAV製品の需要が低迷するなかで、グループ全体でヘッドホンやワイヤレスイヤホンといった製品群を抱えるデジタルライフ事業の拡大に努めていたものの、業績改善には至らず、親会社であるオンキヨーホームエンターテイメント(株)は2021年8月に債務超過を解消できず上場廃止基準に抵触し、1日付でJASDAQ上場廃止となっていた。その後、親会社は家庭向けAV事業を売却し、両社とも新規事業を模索しながら事業を継続していたものの苦しい資金繰りは改善せず今回の事態となった。
負債は2021年9月末時点でオンキヨーマーケティングが約3億2500万円、オンキヨーサウンドが約20億9400万円で、2社合計約24億1900万円。
なお、親会社のオンキヨーホームエンターテイメント(株)は事業継続中。