ジョコビッチの連覇に暗雲?「全豪オープン」出場はワクチン接種が必須に

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「全豪オープン」の大会ディレクターを務めるクレイグ・タイリー氏が、来年1月17日に開幕する次回大会に出場する選手たちはみな新型コロナウイルスのワクチン接種を終えている必要があると発表した。ロイター通信ほか複数のメディアが報じている。

「全豪オープン」の開催地であるオーストラリアのビクトリア州と「全豪オープン」を運営するオーストラリアテニス協会は、ここ1ヶ月以上にわたり大会への出場条件について話し合いを続けてきた。入国後に2週間の隔離期間を経験するならばワクチンを接種していない選手も参加できるといった案も挙げられていたが、最終的にはビクトリア州側が当初から主張してきた感染対策が採られることになったようだ。


タイリー氏は現地11月20日、この条件は選手だけでなく同大会に関わるスタッフや観戦するファンも同じであり、男子シングルスの大会最多優勝(9回)を誇る前回王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)も一緒だと発言。そのため、ワクチン接種をするか否かは個人の自由だというスタンスを一貫して取っているジョコビッチを含む一部の選手たちはメルボルンで開催される次回大会に参加しないかもしれない。


「ワクチン接種に関していろんな憶測が飛び交っていたが、明確にしておこう。出場選手たちは全員ワクチン接種をしている必要がある」と語ったテイリー氏は、「ノバクにはぜひ出場してほしいが、そのためにはワクチン接種を受けていなければならないと彼もわかっている」と、ジョコビッチに対しても特別待遇はしないことを明言している。


ジョコビッチ自身は先月、「全豪オープンに出場するかわからない」とコメントしており、大会側の最終決定を待ってから決断するとしていた。この度、テイリー氏の発表を受けて「どうなるか見てみよう」と述べるにとどめている。一方、彼とグランドスラム最多優勝記録(20回)で並んでいる一人、ラファエル・ナダル(スペイン)は足の怪我で8月にシーズン終了を発表したものの、「全豪オープン」に出場する意向を明かしている。もう一人のロジャー・フェデラー(スイス)は、夏に受けた膝の再手術からの回復途中で、再び大会に参加できるようになるのは来年の夏頃だと先日述べていた。


また、女子のディフェンディングチャンピオンである大坂なおみ(日本/日清食品)も「全豪オープン」出場予定だと伝えられているほか、テイリー氏は世界女王のアシュリー・バーティ(オーストラリア)や「全米オープン」女王のエマ・ラドゥカヌ(イギリス)、グランドスラム通算23回優勝のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)らも出場すると語っている。


今年2月に開催された前回大会では、出場選手たちから厳しい隔離生活を送ることについての不満が続出。また、観客数を制限する中、大会中の5日間は開催地メルボルンのロックダウンによって無観客で開催されることになった。そうした結果、1億オーストラリアドル(約82億円)以上の赤字を計上すると報じられていた。次回大会は100%の観客収容率で開催される予定だ。


(テニスデイリー編集部)


※写真は「全豪オープン」でのジョコビッチ
(Photo by Matt King/Getty Images)