立憲民主党の代表選には4人が立候補した。左から西村智奈美元厚生労働副大臣、泉健太政調会長、小川淳也元総務政務官、逢坂誠二元政調会長

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枝野幸男代表の辞任にともなう立憲民主党の代表選が2021年11月19日に告示され、12日間の選挙戦がスタートした。立候補したのは、届け出順に逢坂誠二元政調会長(62)、小川淳也元総務政務官(50)、泉健太政調会長(47)、西村智奈美元厚生労働副大臣(54)の4氏。

衆院選で議席を減らした立憲を立て直すためには、その敗因の分析が不可欠だが、候補者によって見解は大きく分かれた。22年夏の参院選では、共産党を筆頭に他の野党との選挙協力を続けるかも重要な論点だ。4人は、全国に32ある1人区で可能な限り野党候補の一本化を目指すことが必要だとの見方で一致。ただ、2人以上が改選される複数区や地方によっては調整が難しく、「地域事情」への配慮が必要だとの声も相次いだ。

「個人はいいんだけれども、立憲民主党はやっぱりダメだね」

共同会見で最初に出た質問は、議席が減った原因と党勢回復に向けた対応を問う内容だった。

逢坂氏は、小選挙区で当選者数が増えた一方で比例票が振るわなかったことを挙げ、

「それぞれの候補者一人ひとりにはある一定程度の評価がある。しかし比例で『個人はいいんだけれども、立憲民主党はやっぱりダメだね』。こういう思いが国民の中にあるのでは」

とみる。その上で、

「理念や理屈や政策を単に述べるだけではなく、具体的な地域課題を解決していく」

として、結果を積み重ねることで党としての信頼を得ていくべきだとした。

小川氏は、野党には「政権を厳しく批判的立場から検証すること」「政権の受け皿として国民に認知されること」の2つの役割があり、後者が十分ではなかったと指摘。政権の受け皿として認知されるように「期待感や魅力、これを総合的に増さなければならない。これは口で言うほど簡単なことではない」と訴えた。

「『立憲民主党にご投票ください』という活動が遅れてしまっていた」

泉氏は他の野党との連携に言及。立憲としての立ち位置や政策を十分に浸透させられず、比例票の掘り起こしが不十分だったとの見方を示した。

「確かに『野党共通政策』とか『野党政権』という言葉があったが、やはり『立憲民主党にご投票ください』という活動が遅れてしまっていた、不足していたのではないか」
「『閣外協力』『閣外からの協力』という言葉が、多くの国民の皆様には伝わるまでに、この選挙を終えてしまっていた」

西村氏は地域組織の整備が遅れたことを挙げたうえで、

「総選挙を通して立憲民主党がどういう社会を目指しているのか、その訴えが実は有権者の皆さんにあまり届いていなかったのではないか」

などと述べた。今後については、地域組織の強化と

「みんなが立憲民主党の政策を共有しワンボイスで訴えていくことができるようにするということ」

が必要だとした。

22年夏の参院選では、衆院選のような野党間の連携、いわゆる「野党共闘」路線を継続するかに関する質問では、各候補が1人区での一本化の必要性に言及。その上で、2人以上が改選される複数区では、地域によって例外があるとの指摘も相次いだ。改選される2議席を主に自民、立憲、共産の3者で争う京都選挙区などを念頭に置いているとみられる。

「地域によってはそれ(一本化)すら望まない地域もある。この地域事情を十分踏まえなければならないと思う」(小川氏)
「(複数区では)各党それぞれが候補者を擁立するという動きもあると思うので、そこはやはり一緒に戦うということは難しい」(泉氏)
「全部同じような方式で何かをやるということは非常に決めがたいと思っているので、地域事情に配慮しながらできる限り1対1の構図を作る。これに尽きると私は思う」(逢坂氏)

代表選は11月30日投開票。同午後の党大会で新代表が選出される。