江戸時代の下級遊女「夜鷹」の苦しみ。蕎麦1杯のお金をもらって河川敷で性行為

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現代でも、「吉原遊郭」や「花魁」などがテレビやドラマなどで取り上げられることも多く、江戸時代を語るうえでは欠かせない文化のひとつとなっています。

しかし同じ遊女でありながら、下級遊女と呼ばれていた「夜鷹」たちが取り上げられることは、ほとんどありません。

そこで今回は、下級遊女「夜鷹」の不遇や避妊方法について紹介したいと思います。

夜鷹

江戸時代の遊女には「花魁」とよばれる高級遊女、「太夫」とよばれる花魁よりも更に高級な遊女、そして「夜鷹」とよばれる下級遊女など、さまざまな種類がありました。

ただ、「太夫」は江戸時代の中期頃から数を減らし、最終的には花魁と統合されています。

吉原遊郭の一般遊女が数十万円で買われていたのに対し、身分の低かった「夜鷹」は蕎麦1杯分のお金で買われていたのだとか。

さらに、客引きに成功した夜鷹は自前の茣蓙(ゴザ)を河川敷に敷いて性行為をしたそうです。

鉄砲女郎とよばれた理由

花魁と遊ぶためには最低でも3回以上通わなくてならず、一回につき数十万といったお金がかかるため、花魁に手が出せない多くの男性は代わりに夜鷹を買って一夜を過ごしたといいます。

夜鷹は1度に得られる金額が安いため、多くの男性と関係を持ちました。そのため、梅毒などの性病に感染するリスクは当たり前に高くなります。

夜鷹は鉄砲女郎とも呼ばれていました。

江戸時代の遊郭の闇。劣悪環境で男性に性的サービスする最下級の遊女「鉄砲女郎」とは?

性病にかかった夜鷹と性行為をすることは男性にとっても性病にかかるリスクが高くなったため、性病にかかることを「当たる」と表現し、鉄砲玉が当たることにかけたのです。

江戸時代の避妊

遊女は妊娠すれば、もちろん働けなくなり、生活していけません。

しかし、当時の避妊具は一般的に魚の浮袋をコンドーム代わりに利用したり、和紙を丸めて膣奥に詰め込んだりと、ろくなものがありませんでした。

効果が乏しいものばかり…江戸時代にはどんな避妊具や避妊の方法があったのでしょうか?

中には膣にゴボウを入れて中を搔き乱し、意図的に流産させるといった恐ろしい避妊方法まであったとか。

江戸時代末期になると何種類かの避妊薬が発売されました。花魁や太夫など金銭に余裕のあった遊女たちは、現代の金額で1粒7,000円程する「朔日丸」とよばれる避妊薬を購入。しかし避妊具を買うお金のない夜鷹は、冷たい川に浸かって無理やり流産させていたようです。

吉原を裏で支えた夜鷹

吉原遊郭や花魁の光と影については、テレビやドラマなどで取り上げられることが少なくありません。

しかし同じ遊女であったにもかかわらず、下級遊女「夜鷹」については取り上げられることが少なく、彼女たちの悲惨な労働環境を知る機会は少ないものです。

花魁や太夫だけでなく、下級遊女・夜鷹たちのような存在も日本の風俗歴史において重要な役割を担っていたことは知っておく必要があるでしょう。

夜鷹