才藤歩夢選手の強さの秘訣。フェンシングと近代五種の二刀流、そしてモデル業もこなす多忙な日々の過ごし方とは?
“キングオブスポーツ”と呼ばれる近代五種競技(※)とフェンシング(エペ)で活躍する才藤歩夢選手が、デサントのブランドアンバサダーに就任しました。
両競技において全日本選手権で優勝するなど卓越した実績を持つうえに、トレーニングの合間を縫ってモデルとしても活躍している注目の若手アスリートです。
今回はアスリートとモデルの“2つの顔”を持つ才藤選手に、競技にかける想いやオフの時間の過ごし方について伺いました。
※近代五種:1人で射撃・フェンシング・水泳・馬術・ランニングの5種目をこなし、順位を決める複合競技。
厳しいトレーニングを乗り越える秘訣は「昼寝」にあり!?
――普段、どのようなスケジュールで5種目ものトレーニングをしているのですか?
トレーニングの内容は日によって異なり、「〇曜日に何の競技」と決まっているわけではありません。コーチの組んだスケジュールをもとに、午前に1種目、午後に1~2種目のトレーニングをしています。
ほかの種目に比べてランニングと水泳が苦手なので、今は重点的にトレーニングに取り組んでいますね。
逆にフェンシングが強みなので練習量は少なめ。時期に合わせて、5種目の競技結果を見ながらトレーニング量のバランスを取っています。
――5種目ものトレーニングをこなすのはとてもハードだと思いますが、練習を乗り越えるために意識していることはありますか?
トレーニングを辛いと思ったことはありません。まだできていないことや、改善すべきことがいっぱいあり、それらをできるようにするためのトレーニングですから。トレーニングのおかげで良い結果が出たときは嬉しいですし、もはや競技は人生の一部です。
強いて言うなら、体力を回復させるために睡眠は大切にしています。午前のトレーニングが終わったら、1度家に帰って昼寝をするようにしていますね。長くても1時間ほどですが、おかげで午後のトレーニングも頑張れます。
――夜の就寝時間も気を付けていることがあるのでしょうか?
いえ、夜寝る時間も朝起きる時間もまちまちです。トレーニングの開始時間は日によって違いますし、こうしたことをルーティンのように捉えてしまうと守れなかったときに嫌なので、あえて決めないことにしていますね。
同じ理由で、食事も無理に管理しないようにしています。食事は食べたいものを素直に食べることにしますが、お肉を食べる日が多いですね。
オン/オフの切り替えは「香り」で
――トレーニングで忙しい毎日、どのようにオン/オフを切り替えていますか?
“香り”でオン/オフを切り替えています。
1年ほど前からボディクリームにこだわっていて、寝るとき用、トレーニング用とシーンに合わせて使い分けているので、香りを嗅ぐと「これからトレーニングだな」という気分になりますね。
寝るときも毎日クリームを使っていて、香りに包まれることでリラックスできていると感じます。
――休日も作れているのでしょうか?
週に1度はトレーニングを休みにしていて、買い物をしたり美味しいものを食べたりと好きなことをして過ごしています。休日も競技のことを考える選手もいますが、私は完全に競技のことを考えずに楽しんでいますね。
基本的には日曜日を休みにしているのですが、大会があることも多いため、その場合はほかの曜日で調整して週に1回は休むようにしています。
――アスリートのほかにモデルとしても活躍されていますが、何か気を遣っていることはありますか?
モデル活動は月に3回ほど、トレーニングの合間を縫って行っています。
モデル業のために特別に意識していることはありません。身体づくりは競技のためのトレーニングしか行いませんし、美容のために特別栄養を摂ることもないですね。
ただ、トレーニングのために飲んでいるビタミンは美容にも効いているかもしれません。
フェンシングの魅力は「戦略」。選手同士の駆け引きを楽しんで欲しい
――競技中に意識していることを教えてください。
できるだけ練習通りにプレーすることを考えています。練習のときにフォームを徹底的にチェックしているので、同じフォームで戦えているか、ですね。
どの競技に関してもフォーム作りにこだわっていて、練習の様子を撮影してもらったものを何度も見返して、理想のフォームかどうかをチェックしています。
調子が悪いときは大抵フォームが崩れているときで、フォームさえ正しければいつも通りのパフォーマンスが出せるんです。
――近代五種とフェンシングの見どころを教えてもらえますか?
近代五種はまとめて5つもの種目を見られるのでお得です(笑)。1つの種目で良い結果が出なくても、ほかの種目で逆転できるところが見どころでしょうか。選手によって種目の得意不得意があるので、それらも考慮しながら見るとより楽しめると思います。
フェンシングの見どころは戦略。一見、ただ技を出し合っているだけかのようにも見えますが、高度な戦いになるほど「相手の技を誘う」などの駆け引きもあり、見ていて白熱します。
選手によってパワータイプ、テクニックタイプなどさまざまなタイプがあり、それも含めてどんな戦略なのかを考えて観戦するとおもしろいですよ。
――才藤選手はどのようなタイプの選手なのでしょうか?
私は日本の女子選手のなかでは背が高いほうなので、リーチの長さを活かした戦術を取ることが多いです。ただし、世界には私よりリーチの長い選手もごまんといるため、相手を見ながら戦術も変えます。
どうしたら相手の得意な技を出させないか、逆に自分が得意な技を出せるポジションを取るかを考えながらですね。対戦相手が有名な選手なら事前に技を分析しますし、初見の相手でも構えやクセから推測して戦略を組み立てていきます。
トレーニングのマストアイテムは「汗でベタつかないTシャツ」。気になる新作アイテムは?
――新たにデサントのブランドアンバサダーに就任されました。ウェアの着心地はいかがですか?
肌触りが良くて着やすいのが嬉しいうえに、1日に何度もトレーニングする私にとっては速乾性の高さも魅力です。毎日洗濯をするので、すぐに乾いてくれるのは助かりますね。
特に、フェンシングの防具の中は蒸れやすく、汗をかいてTシャツが滑りにくくなると動きづらいんです。デサントのTシャツは汗をかいてもベタつかないので、防具の下に着ても動きを邪魔することがありません。
デサント レディース Tシャツはこちら
――新しく秋冬ものが出ましたが、お気に入りはありますか?
シャツのデザインが良いですよね。普段、モノクロの柄のウェアを選ぶことが多いので、このデザインは私の好みそのものです。
レギンスにポケットがあるのも嬉しいポイントです。通常、レギンスにはポケットがなくて鍵などの小物を入れるのに困るのですが、このレギンスはその点でとても便利です。鍵などを入れてそのまま走りに出かけられますね。
パーカーもすごくかっこいいです。羽織りものですが、動きやすいウェアなので、これなら腕をよく使う練習時などでも肩の動きを邪魔せずに練習ができると思います。
取材・文/鈴木光平
撮影/佐々木謙一
才藤歩夢選手がモデルを務める
デサント レディースウェア特集ページはこちら
才藤歩夢(さいとう あゆむ)
近代五種競技の選手であった才藤浩氏を父に持ち、幼少の頃より競技を始める。五種のなかで得意とするフェンシング競技単体においても、国内トップクラスの実力を誇る。また、華やかな容姿を活かして、ファッションブランドのほか、さまざまなイベントやメディアに多数出演している。マイナビ所属。