Facebookが「Instagramが10代に与える影響の調査報告書」を公開して反論、しかし直後に報道側がさらなる内部資料を公開
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アメリカ経済紙のウォール・ストリート・ジャーナルが「FacebookはInstagramが10代の若者に悪影響を与えることを認識していたにもかかわらず、対策を施さなかった」と批判したことに対し、Facebookが2つの内部調査報告書を公開し、反論しました。しかし、Facebookが反論した直後、ウォール・ストリート・ジャーナル側もFacebookの内部資料となるPDFファイル6つを公開し、Facebookの反論に反論しています。
https://about.fb.com/news/2021/09/research-teen-well-being-and-instagram/
Facebook’s Documents About Instagram and Teens, Published - WSJ
https://www.wsj.com/articles/facebook-documents-instagram-teens-11632953840
事の発端はウォール・ストリート・ジャーナルが2021年9月15日に、Facebookの内部資料を基に「FacebookはInstagramが10代の若者にとって有害であることを認識していた」と報じたこと。ウォール・ストリート・ジャーナルはFacebookがInstagramが若者にとって有害であることを理解していたにもかかわらず、子ども向けInstagramを開発しようとしている姿勢を問題視しました。
Instagramが10代の若者にとって有害だとFacebookは認識し続けていたことが判明 - GIGAZINE
この報道をきっかけにFacebookへの批判が強まり、連邦議会の上院商業委員会がFacebookの内部告発者と連絡を取り、調査に乗り出したことが報じられました。
「Instagramは10代のメンタルヘルスに有害」だとFacebookが隠していたとして議会が新たな調査をスタート - GIGAZINE
Facebookは批判の的であった子ども向けInstagramの開発を凍結しましたが、同時に公式ブログでウォール・ストリート・ジャーナルの報道内容を否定し、「単純に、Instagramが10代の少女にとって有害であることを示しているというのは正確ではありません」と主張しました。
「Instagramは若者のメンタルヘルスに有害だという認識を隠していた」という報道にFacebookが公式反論 - GIGAZINE
今回Facebookが公開したのが以下の2つの調査報告書で、上院通商小委員会への参考資料として提出されたもの。この中で、Facebookは「10代の少女の多くが、孤独や不安、悲しみ、食事などの11の問題について、Instagramを利用することで困難な時期を乗り越えたと証言しています」と説明し、Instagramが若者に与える効果はポジティブなものであることがデータで示されたという考えを示し、ウォール・ストリート・ジャーナルが意図的に報告書の内容の一部分だけを切り取って報じたに過ぎないと断じました。
Hard Life Moments - Mental health Deep Dive
(PDFファイル)https://about.fb.com/wp-content/uploads/2021/09/Instagram-Teen-Annotated-Research-Deck-1.pdf
Teen Mental Health Deep Dive
(PDFファイル)https://about.fb.com/wp-content/uploads/2021/09/Instagram-Teen-Annotated-Research-Deck-2.pdf
しかし、Facebookが調査報告書2つを公開してから数時間後に、ウォール・ストリート・ジャーナルは大本の記事のソースとなった内部資料のうち、以下の6つを公開しました。
Teen Girls Body Image and Social Comparison on Instagram - An Exploratory Study in the US
(PDFファイル)https://s.wsj.net/public/resources/documents/teen-girls-body-image-and-social-comparison-on-instagram.pdf
Teen Mental Health Deep Dive
(PDFファイル)https://s.wsj.net/public/resources/documents/teen-mental-health-deep-dive.pdf
Appearance-based social comparison on Instagram
(PDFファイル)https://s.wsj.net/public/resources/documents/appearance-based-social-comparison-on-instagram.pdf
Social comparison:Topics, celebrities, Like counts, selfies
(PDFファイル)https://s.wsj.net/public/resources/documents/social-comparison-topics-celebrities-like-counts-selfies.pdf
Mental Health Findings
(PDFファイル)https://s.wsj.net/public/resources/documents/mental-health-findings.pdf
Teens & Young Adults on IG & FB
(PDFファイル)https://s.wsj.net/public/resources/documents/teens-young-adults-on-ig-and-facebook.pdf
このうち、「Teen Mental Health Deep Dive」と「Mental Health Findings」はFacebookが公開した調査報告書の一部を含んでいます。ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、いずれのファイルもFacebookの内部告発者が議会に提出したものだとのこと。
ウォール・ストリート・ジャーナルは「最初に問題を指摘した記事は、調査報告書のほかにオンライン上での従業員の議論、上級管理職へのプレゼンテーションの下書きなど、『Facebook Files』と呼ばれるFacebookの社内コミュニケーションの一部を基に執筆しています。我々の記事は、Facebookが自社のプラットフォームに欠陥があることをいかにしっかりと把握していたかを明らかにしています」と述べました。
なお、Facebookに対する公聴会は日本時間で2021年10月1日0時30分から始まる予定です。