時代ごとに姿を変えたくさんの人に愛されてきた福屋八丁堀本店の屋上。その「思い出」をつなぐモザイクアートが展示されています。

(長崎奈美記者リポート)

「こちらおよそ65年前に撮影された福屋の屋上の風景なんですが、近づいてみると写真1枚1枚が組み合わさって、できていることがわかります。」

こちらはチアリーディングのイベント!どれも福屋の屋上で撮られた写真です。

福屋八丁堀本店に展示されているモザイクアート。

一般の人から集まった約4千枚の写真から描かれていてその1枚1枚に思い出がつまっています。

モザイクアートの土台となっているのはかつて福屋の屋上にあった遊園地の写真です。

1929年に創業した福屋。観覧車など乗り物や遊具があった屋上は連日多くの家族連れでにぎわいました。

こちらの写真が撮影されたのは1956年ごろ。

もともとはモノクロだった写真にAIの技術で色をよみがえらせたのが庭田杏珠さんです。

(庭田杏珠さん)

「当時の屋上と今の景色を比べながら見ていただけたら一人一人の思い出まで感じられるのではないかなと思います。」

広島市出身の庭田さんは進学先の東京大学で、AIを使いモノクロ写真に色を付ける活動をしています。

(庭田さん)

「当時の福屋の屋上の色に関する資料も見当たらなくてすごく大変だった」

色を完璧に再現するにはAIだけでなく当時の記憶をもとにカラー化していく作業が必要だと話します。

当時の福屋を知る人から聞き取りも行いました。

(森藤克彦さん)

「再現できればここのにぎわいみたいなものがみんなに見てもらって、感じられるのでは」

「大概こういった遊具は赤か青か黄色かね。」

「乗りたくなったりするような楽しい色だったと思うというのはおっしゃっていた」

その後も試行錯誤を重ね・・・約3カ月かけ65年前の色をよみがえらせました。

(庭田さん)

「この写真1枚にみなさんから集まった福屋の思い出の写真が集まってまた一つの大きなモザイクアートができると思うのでそれはすごく素晴らしいなと思います。」

時代ごとに姿を変えてきた福屋の屋上。しかし、そこにはいつの時代も「思い出」がありました。