岡口裁判官「ご遺族を傷つける意図はなかった」 SNS投稿めぐる訴訟で初弁論
2015年に都内の女子高生が殺害された事件をめぐり、仙台高裁の岡口基一裁判官のSNSやブログ投稿で精神的苦痛を受けたとして、女子高生の両親が、慰謝料などを求めている訴訟。その第1回口頭弁論が6月25日、東京地裁で開かれた。
岡口氏側は争う姿勢を示す一方、早期解決を目指す意向も示したという。
訴状などによると、両親側は、岡口氏が2019年11月、フェイスブックに投稿した「(遺族の方々は)東京高裁事務局などに洗脳されてしまい、いまだに、それを続けられています」などの3つ投稿を問題視し、慰謝料など165万円を求めている。
岡口氏は同日、代理人を通じて「各投稿には決してご遺族の方を傷付ける意図はありませんでしたが、深く傷つけることになってしまことに深くお詫び申し上げます」「早期に適切な解決ができるよう真摯に対応します」とのコメントを公表した。
これに対して、両親側は同日、記者会見で「(謝罪の)気持ちを持っている人が娘の命日を狙ったかのように『洗脳している』という言葉使うこと自体に執着心を感じる」「傷つけるつもりはなかったと言われても、その言葉を素直に受け止めることはできない」と述べた。
岡口氏はこれまで、インターネット上の発信などを理由に、2回の戒告処分を受けている。女子高生の両親が2019年2月、国会の裁判官訴追委員会に対して岡口氏の訴追を請求。ことし年6月に訴追が決まり、今後、弾劾裁判が開かれることになっている。