粉飾決算が金融機関や取引先に発覚し、事業が行き詰った

 薮塚木材工業(株)(TDB企業コード:230021151、資本金3500万円、群馬県伊勢崎市上植木本町745、代表大石松平氏、従業員25名)と、関係会社の(株)K.テクニカ(TDB企業コード:270276181、資本金1000万円、群馬県佐波郡玉村町樋越475-1、同代表)は、6月14日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は佐藤真太郎弁護士(東京都港区西新橋1-6-12、佐藤真太郎法律事務所、電話03-6257-3811)。

 薮塚木材工業(株)は、1963年(昭和38年)5月に設立した木製品製造業者。パチンコ台やパチスロ台に使用されるキャビネット(裏箱)と同木枠(外枠)の製造を主体に、床材の製造も行っていた。得意先のヒット商品の有無によって受注が大きく変動するものの、大手遊技機メーカーとの取引によりここ数期の年商は6億円台から9億円台を計上していた。遊技機のキャビネットは、樹脂製にシフトする流れもあって一部で受注が減少したものの、遊技機メーカーにとってはコストアップとなるため木製に回帰する動きもあったほか、人気機種への安定納入などで受注は増加。2019年12月期の年売上高は約16億円に達していた。

 しかし、先行投資に伴う金融債務が過多となり、資金繰りが悪化していた。加えて、2020年には新型コロナウイルス感染拡大の影響によりエンドユーザーであるパチンコ店の営業自粛並びに遊技機の入替抑制で需要が冷え込んだため受注は減少。また、2016年2月の代表交代後、関係会社(株)K.テクニカとの間の不鮮明な取引による粉飾決算が行われていたが、2020年10月頃に金融機関に発覚したほか、最大取引先にも発覚。取引先から無償貸与品が引き上げられるに至り、事業継続を断念し今回の措置となった。

 (株)K.テクニカは、1976年(昭和51年)11月に設立した木製キャビネット組立業者。薮塚木材工業(株)が製造する遊技機のキャビネット組立を行っていたが、同社に連鎖した。

 負債は、薮塚木材工業(株)が約25億円、(株)K.テクニカが約8億円、2社合計で約33億円。